ZERO-GRHYTHM ORGANISM
本製品はまるごと1枚"Didgeridoo（ディジュリドゥ）"のみで構成されたライブラリーである。このアボリジニの民族楽器は、1990年代初頭にダンス・ミュージックに再発見されてから、ジャミロクワイを筆頭に、オーバーグラウンドで広く取り上げられるようになった。一説では世界最古の楽器の一つではないかと言われている。
通常はドローンとして演奏されることが多いが、ソロにも十分に耐えうるほど変化に富み、ときには猛獣のうなり声のように非常に荒々しく、目の前で演奏されると空気が実際にビリビリと震えているのが感じられるほどで、下腹にずっしりとくる迫力のある低音だ。しかも息の調節であたかもフィルターを開閉しているように聴こえ、ひずみ系エフェクトをかけた人の声のようにさえ聴こえる。この聴くものを酩酊（めいてい）させる特性こそが、トランスを筆頭とするダンス・ミュージックがこぞって取り上げた理由でもある。製品スペックについては、800種類を超える24ビットのライブラリーをAcidized-WAV/Apple Loops/Reason （Refill）/REX2（REX2のみ587種類）といった汎用性の高いフォーマットで収録している。筆者はABLETON Liveで試奏してみたが、低音成分はもちろん、ディジュリドゥのだいご味である高域倍音まで丁寧に再現されている。特筆すべきは、ディジュリドゥ奏者の草分け的存在、チャーリー・マクマホンの演奏が素晴らしい。オーソドックスなドローン系の演奏はもちろんだが、エフェクトをかけた個性的な演奏まで含まれている。特に独自開発したと思われる特殊材質のものや、スライド式ピッチシフト可能なディジュリドゥの音はオリジナリティに富んでいる。この楽器が音楽観を変えてしまうほどのインパクトを持っていることは間違いないと思わせるライブラリーだ。
ZERO-G
RHYTHM ORGANISM
14,700円
■メディア：DVD-ROM 1枚
■容量：合計2.29GB
■DATA FORMAT：WAV／Acidized-WAV／AIFF／Apple Loops／RMX／REX2／Kontakt3
