“声がリアル過ぎる!”と巷で話題のAI技術搭載歌声合成ソフト=Synthesizer V。ボカロ曲制作へ使用するイメージが強いかもしれないが、実はナチュラルな仮歌を簡単に作れたりと、“音楽一家には一台あるといい!”便利な楽器だ。今回は音楽家の江夏正晃氏にSynthesizer Vの調声Tipsを7つ紹介してもらう。
江夏正晃氏からごあいさつ
こんにちは、JSPA(日本シンセサイザープロフェッショナルアーツ)理事で、音楽家、DJ、エンジニアの江夏正晃です。Synthesizer VについてちょっとしたTipsを皆さんにお伝えしたいと思います。
前回は、もっとリアルな声に調声するコツとして、アスピレーション(気音)を含むブレス分離トラックの作り方を紹介しました。今回は、メインの歌のトラックとブレス分離トラックのミックス方法をご紹介します。
ブレス分離トラックを使ったミックス
ブレス分離トラックの作り方は前回の動画をご覧ください! この手順でDAW上に、メインの歌のトラックとブレス分離トラックの、二つのトラックを作成することができました。
試しにブレス分離トラックだけ聴いてみると分かりますが、これだけ聴くと変ですよね(笑)。
ただオケと合わせて聴いてみると、このブレス分離トラックのボリュームを上げた方が言葉が聴き取りやすく、歌としての表現力もアップしていると思いませんか?
このブレス分離トラックにオートメーションを描くと、より人間的なニュアンスを再現することもできます。動画では、歌詞の言葉のアタック部分をサポートするために上げたり、逆に言葉尻のところは余韻の減衰に合わせて下げたりしています。
Synthesizer Vユーザーの中でも、あまり使っているという話を聞くことが少ないブレス分離トラック。ぜひ、試してみてください!