“声がリアル過ぎる!”と巷で話題のAI技術搭載歌声合成ソフト=Synthesizer V。ボカロ曲制作へ使用するイメージが強いかもしれないが、実はナチュラルな仮歌を簡単に作れたりと、“音楽一家には一台あるといい!”便利な楽器だ。今回は音楽家の江夏正晃氏にSynthesizer Vの調声Tipsを7つ紹介してもらう。
江夏正晃氏からごあいさつ
こんにちは、JSPA(日本シンセサイザープロフェッショナルアーツ)理事で、音楽家、DJ、エンジニアの江夏正晃です。Synthesizer VについてちょっとしたTipsを皆さんにお伝えしたいと思います。
今回は、もっとリアルな声に調声するコツとして、アスピレーション(気音)を含むブレス分離トラックの作り方をご紹介します。
Synthesizer Vのブレス分離トラックの作り方
今回もSynthesizer Vで打ち込んだ歌メロと歌詞をチェックするところからスタートです。第一回目でSynthesizer Vで調整できるブレスの種類は3つあるとご紹介しましたが、ここでは、その3つ目“アスピレーション(気音)”を紹介します。
ブレス分離トラック作成の手順は大きく分けて3つです。
- DAW側でSynthesizer Vを読み込ませたチャンネルのパラアウトをセットする
- 設定>チャンネル配置>ブレス分離トラック
- レンダリング>ブレスの分離出力>ブレスを別チャンネルとして
まずは、DAW側でSynthesizer Vを読み込ませたトラックのパラアウトをセッティングします。トラックのパラアウトの方法はDAWごとに異なります。今回は僕が使っているSTEINBERG Nuendoで紹介します。
次にSynthesizer V側で設定タブを開き、チャンネル配置>ブレス分離トラックを選びます。
最後に、Synthesizer V側でレンダリングのタブを開き、ブレスの分離出力>ブレスを別チャンネルとしてを選びます。
こうすることで、Synthesizer Vを読み込ませた一つのトラックから、メインの歌のトラックとブレス分離トラックの二つのトラックを用意することができます。次の記事ではこの二つのトラックのミックス方法をお伝えします。