AUDIO-TECHNICA AT5045〜フラッグシップ・マイク、50シリーズの秘密に迫る

AUDIO-TECHNICA AT5045〜フラッグシップ・マイク、50シリーズの秘密に迫る

AUDIO-TECHNICAのマイクと言えば、“20シリーズ”や“40シリーズ”を思い浮かべる方が多いかもしれない。しかし同社の真骨頂は、ユニークな長方形のダイアフラムを備えた“50シリーズ”である。ここでは、スティック・タイプのAT5045を、エンジニアの甲斐俊郎氏、プロデューサー/作編曲家のArmySlick氏によるレビューを交えて紹介する。

Photo:Chika Suzuki

AT5045|メーカー史上最大サイズの長方形ダイアフラムを備える

AT5045

AT5045|オープン・プライス(市場予想価格:154,000円前後)

 AUDIO-TECHNICA史上最大サイズの長方形ダイアフラムを採用したスティック型のモデル。弦楽器や管楽器、パーカッションだけでなく、ボーカルにも対応する。

【SPECIFICATION】
●指向性:単一 ●周波数特性:20~20,000Hz ●出力インピーダンス:100Ω ●最大SPL:149dB ●SN比(1kHz@1Pa):86dB ●感度(0dB=1V/1Pa、1kHz):−35dB ●外形寸法:25(φ)×177(H)mm ●重量:197g ●付属品:AT8481(マイククランパー)、変換ネジ(3/8"-5/8")、ウインドスクリーン、キャリングケース

Engineer & Producer Review

AT5045

おくみずき(女性vo)、ほーDK(男性vo/写真左上)に加え、アコースティック・ギター(写真右上)でテストを行った。録音には、PRISM SOUND Orpheus(オーディオ・インターフェース)、SHADOW HILLS INDUSTRIES Mono Gama(マイクプリ)を使用。

オケなじみの良さと抜けの良さを両立している 〜甲斐俊郎(Engineer)

甲斐俊郎(Engineer)

 AT5045は、アコギにとても良いです! スモール・ダイアフラムのコンデンサー・マイクのようなまとまりの良さ、オケなじみの良さがありながらも、音像がこぢんまりしていなくて抜けが良く、ハイがすごく伸びてくるように聴こえるので、不思議です……。僕は普段生楽器の録音をすることが多いので、欲しくなりました(笑)。ドラムのオーバーヘッドにペアで立ててみたいですね。もちろん楽器だけでなく、ボーカルも奇麗に録れますよ。ほーDKさんが「歌いやすい」とおっしゃっていましたが、それはミッドローが安定して聴こえるからでしょう。AT5040やAT5047と比べるとハイが派手すぎないので、ミッドがしっかり聴こえるようになり、安定感が生まれているのかなと思いました。また、声量がある方がサビで声を張ったときにもひずまずに抑えてくれる感じがあり、ボーカル・マイクとしても使いやすいと思います。

アコギのアタックやトランジェントがよく分かる 〜ArmySlick(Producer / Composer)

ArmySlick(Producer/Composer)

 歌声はナチュラルでフラットな印象で、いかような音作りにも対応できそうだなと思いました。一方で、アコギはとてもきらびやかです。ブースで演奏していた身からすると、アタックやトランジェントがすごくよく分かります。アコギの弦とピックが当たった音がはっきりと聴こえるんですよ。オケ中で演奏しても打点が見えるので、リズムがとりやすいと思います。楽器と声で印象が変わるのが面白いですね。


◎AUDIO-TECHNICA 50シリーズ レビュー&開発者インタビュー:

AT5040|長方形ダイアフラムを4つ備えたシリーズ最初のモデル
AT5047|AT5040の構造を踏襲しながらもトランス出力を採用
“長方形ダイアフラム”はいかにして生まれたか〜AUDIO-TECHNICA 50シリーズの開発者 沖田潮人が語る

レビュワー&アーティスト紹介

おくみずき(左奥)、ほーDK(右奥)、甲斐俊郎(左手前)、ArmySlick(右手前)

おくみずき(左奥)
歌手/オーボエ奏者。音楽大学のオーボエ科を卒業後、2021年に1stアルバム『Dreams Inside』をリリース。ゲーム『リーグ・オブ・レジェンド』のイベント・テーマ・ソング「桜絵巻」を歌唱するほか、多数のゲーム主題歌やコーラスを担当

ほーDK(右奥)
R&B/ヒップホップを軸に活動するシンガー。2016年にユニットJamFlavorとしてエイベックスよりメジャー・デビュー。2022年4月以降はソロとして活動している。7月には2ndシングル『HITORIYOGARI』がリリースされた

甲斐俊郎(左手前)
ソニー・ミュージックスタジオにてキャリアをスタート。アナログ機器と最先端のデジタル機器の長所を駆使したミキシング・スタイルが信条。これまで、いきものがかり、スキマスイッチ、古内東子、All at once、moumoonなどの諸作で手腕を発揮している

ArmySlick(右手前)
プロデューサー/作編曲家。AAAに提供した「愛してるのに、愛せない」が第57回レコード大賞優秀作品賞を受賞。E-Girlsや私立恵比寿中学、宇野実彩子、大原櫻子、藍井エイルらの楽曲も手掛ける。nukes名義で海外のハウス・シーンでも活躍

製品情報