AVIDから昨年末にリリースされた最高24ビット/192kHz対応のUSBオーディオインターフェース、MBOX Studio。上位機譲りの音質に加え、パーソナルスタジオに必要な入出力と機能を集約した点でも注目を集めている。
AVIDと言えばDAWソフトPro Toolsで知られるところだが、MBOX StudioはどのDAWとの組み合わせでも、その優れた実力を発揮してくれるという。
今回は、Logic Proユーザーであるシンガー・ソングライターのシンリズムがMBOX Studioをテスト。その模様を動画でお届けする。
動画 シンリズム×MBOX Studio
MBOX Studioのポイント
Variable Zでさまざまなトーンが得られる
MBOX Studioのマイク入力/インスト(ギター&ベース)入力には、インピーダンスを変更できるVariable Z機能を搭載。同じマイクや楽器でも、楽曲に合ったトーンに調整できる。マイクは3種類の設定で選択可能。インストは、7種類に加えて、それぞれ“CAP”という、真空管機器とのマッチを図ったモードもあり、計14種類から設定できる。さらなる音色調整には、内蔵DSPによるEQも活用可能だ。
リアンプがしやすい
リアンプ専用の出力端子をフロントパネルに搭載。別途リアンプボックスを用意しなくてもよく、ラック型と異なりリアパネルに手を伸ばさなくてもよいのがメリット。今回のテストでは実際にアンプを鳴らしたが、ペダルエフェクトの接続にも活用できる。さらに、上述のVariable ZやEQと組み合わせることで、さらなる音色のコントロールも行える。
クロマティックチューナーの反応が速い
ギタリスト/ベーシストに欠かせないチューナーは本体に内蔵。細かな設定は要らず、MBOX Studio本体の「TUNE」ボタンを押すだけで起動する。反応も速く、本体でも、画面でもチューニングが確認できるのがポイント。トークバック用内蔵マイクでアコギのチューニングも行える。
Bluetoothオーディオ接続が便利
MBOX StudioにはBluetoothオーディオ入出力を搭載。現在の制作ではBluetoothヘッドフォン/イアフォンでの確認も必須だが、DAWから直接出力するには、通常はオーディオドライバーの出力変更などが必要だった。MBOX Studioなら、ヘッドフォン/イアフォンをあらかじめペアリングしておけば、本体のモニター音量ダイアルをタップするだけで切り替えられる。
入出力が豊富
MBOX Studioは最大21イン/22アウト。8つのアナログ入力に加えてADATやS/P DIF入出力があるので、外部のAD内蔵マイクプリなどを接続して、アナログ18インまで拡張が可能だ。モニタースピーカーも2ペアの切り替えに対応し、外部エフェクトのセンド/リターンなども行える。シンリズムが指摘するように、ワンルームからワンルーム+ブースの制作環境の中枢として、十分な機能を備えている。
また、上の動画では触れていないが、ライン入力(ch5〜8)もマイク入力と同等のゲインレンジを持つため、ダイナミックマイクの接続も可能となっており、MBOX Studio単体でドラムレコーディングも行える。
Pro Tools Studioの年間サブスクリプションなどソフトが付属
Pro Tools Studioと楽譜作成ソフトSibelius Artistの年間サブスクリプションに加え、BrainworxなどのプラグインやサンプルをまとめたMBOX Ignition Packも付属。Ignition Packのプラグインの多くはAAXだけでなくAU/VSTにも対応しているため、LogicなどPro Tools以外のDAWとも併用可能だ。
AVID MBOX Studio
AVID MBOX Studio
シンリズム
1997年生まれのシンガーソングライター/マルチプレイヤー。2005年にアナログEP『心理の森』でデビュー。昨年3rdアルバム『Musica Popular Japonesa』をリリース。最新作は配信シングル「POPSONG」。ソロとしての活動のほか、秦基博やKIRINJIのサポートでも活躍する。