CELEMONY Melodyne × かごめP 〜Melodyneでサクッと作るネット映えボーカル

CELEMONY Melodyne × かごめP 〜Melodyneでサクッと作るネット映えボーカル

さまざまなDAWソフトの使い方を紹介してきたクリエイティブ・ウィーク 2023 Spring。その特別編として、DAWソフトと組み合わせてボーカルのタイミングや音程の調整に使われることが多いCELEMONY Melodyneのセミナーを公開しました。講師は、ボカロPとしても活動し、さまざまなアーティストのエンジニアリングを手掛けるかごめP。ボーカリストの良さを引き出すための調整テクニックを多数紹介します。

かごめP「CELEMONY Melodyneでサクッと作る、ネット映えボーカル」

かごめP
岩手県出身。音大卒業後、レコーディング・スタジオで働く傍ら、2009年にボカロPとして活動を開始。現在はさまざまなアーティストのエンジニアリングを手掛ける。キャラクター・プロデュース集団VOCALOMAKETSに所属。プロデュース・キャラクター“結月ゆかり”“紲星あかり”が展開中。


 かごめPがMelodyneを導入したのは、初期バージョンが登場した2001年。20年以上愛用するかごめPは、導入当時「ピッチ補正のキラー・ソフトが出てきた」と感じたと話す。

 このセミナーでは、DECO*27の「ヴァンパイア」を題材曲に設定。「跳躍や早口、ロングトーンなど、ボーカルに必要とされるテクニックがサビの中に満遍なく詰め込まれている」といい、女性ボーカルのバル子、男性ボーカルのちょまいよ、AIによる歌声合成ソフトそれぞれに「ヴァンパイア」のサビを歌ってもらったものを、それぞれ素材として使用した。

 まずはMelodyneの画面構成について、DAWソフト同様にピアノロールで構成され、オーディオ・データの音高と音量、長さが視覚的に分かりやすく表示されていることに言及。次に、Melodyneの基本として、波形の移動や分割などの基本動作のほか、ピッチの揺れを調整する“ピッチモジュレーション”や音質の変化を加える“フォルマント”などの編集用ツールを解説してもらった。

 ここからは女声ボーカル素材を使った実演へ。“ピッチセンター”“ピッチドリフト”機能を使った、補正の全体的な下ごしらえや、“コードスケールにスナップ”でのスケール設定など、実際の作業で行う編集テクニックを紹介していく。

 「Melodyneで一番強いのは、タイミングとピッチをトータルで合わせられること」と語るかごめP。タイミング補正のコツについて解説する場面では、“子音と母音の違い”といった発音の仕組みから、どこをどのように合わせればよいかという調整方法まで丁寧に解説している。

 セミナー終盤では、最上位エディションMelodyne Studioのみで使用可能な“マルチトラッキング機能”を使い、メイン・ボーカルとハモりの同時編集を実演。導入を検討する上でエディション選びの参考となるトピックとなっている。

 最後にかごめPはMelodyneで楽器の音を読み込ませたり、ループ素材のコード進行を変えたりもできることに触れ、「音楽をやるすべての人にお薦めできるソフト」と話す。実践的な手法が詰まっているので、既にMelodyneを所有している方も、導入を検討している方も、ぜひご覧いただきたい。

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