YAMAHAは、ミュージックシンセサイザーMONTAGEの後継シリーズとなる新フラッグシップシンセサイザーMONTAGE Mシリーズを10月20日(金)に発売する。ラインナップは61鍵のMONTAGE M6(440,000円)、73鍵のMONTAGE M7(473,000円)、ポリフォニックアフタータッチ対応の88鍵モデルMONTAGE M8x(517,000円)の3機種。
AWM2+FM-XにバーチャルアナログAN-Xを加えたハイブリッド音源
MONTAGE Mの音源システムMotion Control Synthesis Engineの核となる音源部は、 デジタルシンセならではの表現力を持つFM-X(最大128音)、アコースティック楽器のリアリティを持つサンプリングベースのAWM2(最大256音)に加えて、アナログシンセの微細な振る舞いまで完全再現したバーチャルアナログ音源AN-X(最大16音)を搭載したハイブリッド仕様。最大同時発音数は400音となる。
エディットや演奏のためのディスプレイ&操作子
中央のカラータッチパネルに加えて、セカンド・ディスプレイを左上に配置。エンコーダーと組み合わせ、オシレーターやフィルター、エンベロープ・ジェネレーターなどシンセサイザーの重要なパラメーターに瞬時にアクセスできるようになり、素早いサウンドエディットを実現する。
旧MONTAGEから継承した、最大280のパラメーターを一度にコントロールできるSuper Knobとパラメーターの動きを記録するMotion Sequencerも健在。外部A/Dインプットに入力されるオーディオのビートを自動検出し、Motion Sequencerなどを同期させるAudio Beat Sync機能や、オーディオ信号をソースにコントロール情報を生成するエンベロープフォロワー機能なども搭載しており、ダイナミックな音変化を伴う演奏を楽しむことができる。
さらに、MONTAGE Mでは、KEYBOARD HOLD、PORTAMENTOの専用コントロールや最大5ゾーンのスイッチとしても使えるRIBBON CONTROLLERなど、操作子の追加やブラッシュアップが図られている。
MONTAGE Mの音源部すべてを再現したソフトシンセも用意
さらに、MONTAGE Mシリーズには、ライブと音楽制作両面での活用/連携を強めるMONTAGE Mシリーズの音源部を再現したソフトシンセEXPANDED SOFTSYNTH PLUGIN for MONTAGE M(VST/AU対応)を提供。ダウンロードコードが同梱されており、2024年初頭にv1.0(エディット機能に制限あり)を、同年夏以降にv2.0(フル機能版)の提供を予定している。
発表会のゲストに浅倉大介登場
ゲストに浅倉大介を招いたMONTAGE Mの発表会が本日、都内で行われた。発表会では、既に発売されているフィンガードラムパッド、FGDPシリーズの製品紹介も行われたら、収録されている上昇音やシンセパーカッションの音は、浅倉所有の機材のサウンドを元に制作されたというエピソードがまず語られた。
「従来のMONTAGEは既にデジタルシンセの究極の形だと思っていた」と語った上で、浅倉がまず指摘したのは新規搭載されたバーチャルアナログ音源のAN-Xと、セカンドディスプレイ。「往年のアナログシンセの考え方がMONTAGE Mにドッキングしていることに一番驚きました。1時間くらいずっと遊んでいられる」と語る。AN-Xについては「電圧変化をシミュレートするVCO Driftや劣化具合を再現するAgeingもあるのが面白い」と加えた。
さらに「PORTAMENTやKEYBOARD HOLDは演奏をする上ですごく助かる。それと地味なポイントだけど、そこが大きい。Shiftが両側にあったり、オーバービュー画面に戻れるNavigationボタンがついたり、大きなシステムなのに迷子にならない設計ですね」と重ねた。
また、MONTAGE M8xのポリフォニックアフタータッチにも言及。「トップノートにだけビブラートをかけるとか、新しい表現ができるなと思いました」と実演を交えながら語った。
発表会では、浅倉による演奏も披露。言及された機能以外にもVCMロータリースピーカーエフェクトとドローバー方式のサウンドエディットを可能にしたオルガン音色も交え、MONTAGE Mの可能性を引き出す演奏に来場者も感嘆の声を挙げていた。