ABLETONは、DAWソフトLiveの最新版、Live 11を発表した。効率的にテイク選択が行えるコンピングや、MPE対応、新デバイスの追加などが主なアップデート・ポイント。Mac/Windowsに対応する。
発売は来年初頭を予定しているが、発表までの間、Live 11の同等グレードへの無償アップデート対象となるLive 10(新規ライセンス/アップグレード)が20%オフで提供される。
複数の演奏テイクを編集/選別
新規追加されるコンピングは、オーディオ/MIDIのレコーディングを複数のテイクとして個別に録りためる機能。複数のトラックを相互関係が分かるように表示して、同時に編集する連結編集も可能となった。
MIDIポリフォニック・エクスプレッション(MPE)
コードを構成するノートのひとつひとつで、ベンドやスライドといった奏法を可能にするMPEに対応。ピッチ、スライド、プレッシャーといったパラメーター専用タブが導入され、ノートごとに設定を調整することができる。Live純正デバイスではWavetable、Sampler、ArpeggiatorがMPEに対応。サード・パーティのMPE対応プラグインも使用可能だ。
Liveらしさを満載した新デバイスを追加
コンボリューション・リバーブとアルゴリズミック・リバーブを組み合わせたHybrid Reverb、入力音の構成を分割/伸張して全く違う響きに作り変えるSpectral Resonator
、周波数ベースのディレイで金属的なエコーやグリッチ・サウドなどを生み出すSpectral Time、自然界と物理現象に着想を得た6種類のインストゥルメントとエフェクトを収録するInspired by Nature、グリッチ/ディレイ系エフェクトのPitchLoop89が新たに追加された。
また、既存のデバイスを元に、Redux、Phaser-Flanger、Chorus-Ensembleなど、アップデートによって一新されたデバイスも収録。設定の幅を拡張し、新しいモードを搭載することにより、これまで以上に活躍の範囲が広がることが期待される。
Liveが生演奏に追従可能になるほかパフォーマンス向け機能を追加
リアルタイムでのテンポ検出機能を追加。入力音のテンポにLiveのテンポを自動で調節し、バンドの演奏にLiveを追従させることができるようになった。また、マクロ設定状態の保存/呼び出しが行えるマクロ・スナップショット、ラック内マクロ数の設定(1〜16)やマクロ値のランダマイズ、MIDIノートの発音率の設定、ベロシティ変化率の設定などが可能となり、パフォーマンスでの偶発的な要素がコントロールできる。
フォローアクション
クリップ再生終了時のふるまいを決定する“フォローアクション”がさらに高機能に。クリップの長さに連動させてフォローアクションを設定できるようになるほか、特定のクリップに移動したり、全体のフォローアクションの有効/無効を切り替えたりすることが可能になった。シーンでこのフォローアクションを使うことで、大胆なアレンジ変更も行える。
ボーカルからドローン、生楽器まで新音源を追加
ボーカル・サンプル集に専用エフェクト・ラックを組み合わせたVoice Box、自然な音と人工的な音を重ね合わせ、情感豊かな響きを奏でる Mood Reel、持続音サンプルとノイズを組み合わせたDrone Labのほか、SPTIFIRE AUDIOとの共同開発によるUpright Piano、Brass Quartet、String Quartetを収録している。
キー/スケール表示やトラック単位のCPUメーターなども
そのほか、複数のループの同時編集や、全体の構造を把握しながら単独のクリップの変更が可能に。ピアノロール上で楽曲全体のキーの変調も行える。また、CPUメーターは現在の平均CPU使用率を表示。各トラックにもCPUメーターを搭載し、処理負荷の高いトラックを特定できるようになった。
さらに、LiveのMIDIエディターで直接スケールを設定できるように。スケールに該当するノートをひと目で把握できるようになり、該当するノートだけをピアノロールに表示することも可能となっている。
付属のコア・ライブラリーも拡張され、新しいコンテンツを追加。付属のPackにも新たな音源が収録され、MIDIドラムのグルーブ、MIDIコード、旋律、ベース・ラインなどの即戦力となる素材やプリセットが増強されている。
製品情報と価格
• Live 11 Intro:10,800円(税込)
• Live 11 Standard:48,800円(税込)
• Live 11 Suite: 80,800円(税込)
https://www.ableton.com/ja/live/
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