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PRESONUS Eris E4.5 BT 〜【ペアで約5万円以下】宅録/DTMに最適なモニター・スピーカー9モデルをレビュー

PRESONUS Eris E4.5 BT 〜【ペアで約5万円以下】宅録/DTMに最適なモニター・スピーカー9モデルをレビュー

宅録やDTMに最適なペアで約5万円以下のモニター・スピーカー全9モデルを、音楽クリエイター/ギタリストのShin SakiuraとエンジニアのSUI氏が徹底レビュー! ここでは、PRESONUS Eris E4.5 BTを紹介します。

ケブラー製ウーファーでクリアさを、シルク製ツィーターでワイドな音像を追求

PRESONUS Eris E4.5 BT Lchスピーカー
PRESONUS Eris E4.5 BT Rchスピーカー
PRESONUS Eris E4.5 BT|製品価格:33,000円/ペア
※写真左がLchスピーカーの前後、同右がRchスピーカーの前後

 25W出力のクラスABパワー・アンプを搭載。ケブラー製ウーファーによりクリアなサウンドを、シルク製ドーム型ツィーターによりワイドな音像を再生するという。Lch側のスピーカー背面には低域/高域を補正するノブを備え、Bluetooth接続も可能。電源を入れた際のポップ音を抑制してスピーカーの損傷を防ぐソフト・スタートアップ機能、超低域の振動を除去するサブソニック・フィルター、信号に対するラジオ周波数の干渉を防ぐRFシールドを搭載している。

  • ウーファー口径:4.5インチ
  • 入力端子:TRSフォーン(L/R)、RCAピン(L/R)、ステレオ・ミニ
  • その他:スピーカー保護や音質向上のための機能を多数搭載

SPECIFICATIONS
●形式:2ウェイ・アクティブ・スピーカー ●スピーカー構成:4.5インチ径ウーファー+1インチ径ツィーター ●周波数特性:70Hz~20kHz ●外形寸法:163(W)×241(H)×180(D)mm ●重量:5.9kg/ペア

フラット方向かつ高解像度。制作に取り入れてみたい一台 〜Shin Sakiura

 最初に感じたのは、各パートの分離感が非常に優れているということ。例えば、ギター・ソロのセクションで登場する騒がしいバッキング・ギターとリード・ギターの分離具合がめちゃくちゃ見やすかったです。それに限らず、どの曲においてもドラムやベース、シンセ、ボーカルといった楽器が個別にくっきりと見えました。全体的な音の解像度も高いし、音像の立体感も素晴らしいと思います。

 低域はタイトだけど、80Hz付近はしっかり出ているのでキックやベース・ラインが聴き取りやすく、高域は奇麗に伸びているため上下のレンジが広く感じます。ヒップホップやダンス・ミュージック系のビート・メイキングだけじゃなくて、ロックやJポップなど中高域の音数が多い音楽ジャンルにも向いているでしょう。どちらかというと派手な音質ではないので好みが分かれるかと思いますが、フラットに近い音でモニターできるので、今すぐ自分の制作でも取り入れてみたいなと感じました。作曲からミックスまで広いポテンシャルを持つEris E4.5 BT。価格はペアで3万円強なので、これはなかなかお買い得だと思います。

内蔵EQの設定も的確で末長く使えそうなモデル 〜SUI

 解像度がとても高くて、細部までよく見える。Eris E4.5 BTは優れたモニターだと思います。周波数バランスとしてはフラットですが、Lch側のリア・パネルには高域/低域をそれぞれ±6dBでコントロールできるACOUSTIC TUNING機能で微調整が可能なので、自分好みのサウンドにするのもいいでしょう。

 また高域/低域のEQポイントが的を射ているのも高評価。試しにボリュームを大小変化させてみたところ、小音量時でも音像はほとんど破たんしませんでした。補正としてACOUSTIC TUNING機能を併用すれば、どんな音量でも快適にモニターすることができるでしょう。

 奥行き感やステレオ感もバッチリ。Eris E4.5 BTは音像をシビアに見せてくれるので、ミックス仕事にも十分使える実力を持っています。将来プロとして活動したいと考えているユーザーは、Eris E4.5 BTを選択肢の一つとしてカウントしてよいでしょう。末永く使えるモニター・スピーカーです。電源スイッチやVOLUMEノブが、Lch側スピーカーのフロント・パネル付いているのも便利でいいですね。

レビュワー紹介

Shin Sakiura

Shin Sakiura
東京を拠点に活動する音楽クリエイター/プロデューサー/ギタリスト。2015年より個人名義でオリジナル楽曲の制作を開始。バンド・サウンドからヒップホップ、R&B、エレクトロまで広い音楽性を持ち、自身の作品制作のほか、SIRUPやアイナ・ジ・エンドなどの楽曲制作や海外アーティストとのコラボと活動は多方面にわたる。ギター、ベース、サンプラーなどさまざまな楽器を駆使したライブ・パフォーマンスも注目を集めている。

 Recent Work 

『WILD CHILD feat. brb.』
Shin Sakiura
(PARK)


SUI

SUI
エンジニアのほか、リミックス・ワークも手掛ける音楽クリエイターとしても活動。ギターやベースなどの演奏からプログラミングまでを一人でこなすマルチプレイヤーでもあり、その柔軟なプロダクション・スタイルはメジャー/インディーズ問わず定評がある。近年では作曲家として劇伴音楽にも携わり、ますますその活動の場を広げている。セミナー講師としては自身の技術を惜しみなく講義することも多く、業界内での信頼も厚い。

 Recent Work 

『WATW “ing”』(『Honey, You!』収録)
WATWING
(トイズファクトリー)
※作編曲/エンジニアリング

試聴環境

 今回試聴を行った場所は、多目的スペースである御茶ノ水RITTOR BASEだ。スタジオ内には、一般的な部屋を想定して6畳ほどの空間を用意。そこに簡易デスクとスピーカー・スタンドを設け、モニター・スピーカーを配置した。ここで2人のレビュワーに、リファレンスとなる楽曲を再生したりDAWを立ち上げて作業したりして、全9モデルのスピーカーの性能をチェックしていただいた。

御茶ノ水RITTOR BASE内に作られた、6畳ほどの試聴スペース。L/Rのスピーカーとリスニング・ポジションが正三角形になるように配置している。スピーカーはやや内側に向け、ツィーターは耳の高さになるようスピーカーごとに座椅子の高さを調整する

御茶ノ水RITTOR BASE内に作られた、6畳ほどの試聴スペース。L/Rのスピーカーとリスニング・ポジションが正三角形になるように配置している。スピーカーはやや内側に向け、ツィーターは耳の高さになるようスピーカーごとに座椅子の高さを調整する

製品情報

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