【動画】ソニー C-100/C-80/ECM-100Uセミナー「マイキング&録音の実演で音質をチェック」by 葛西敏彦&スカート

【動画】ソニー C-100/C-80/ECM-100Uセミナー「マイキング&録音の実演で音質をチェック」by 葛西敏彦&スカート

2023年9月23日〜24日に開催されたイベント『サンレコフェス2023』にて行われた、5つのセミナーを動画とともにレポート! 続いては、ソニーの単一指向性コンデンサー・マイクC-100、C-80、 ECM-100Uを用いたマイキング・セミナー。エンジニアの葛西敏彦氏が、シンガー・ソングライターのスカートこと澤部渡のアコギ演奏、歌、アコギ弾き語りを録音しつつ、マイキングの意図や録り音への印象を語った。

Photo:Hiroki Obara

ソニー C-100、C-80、ECM-100Uで学ぶマイキング(葛西敏彦&スカート・澤部渡)

 「1回の録音で、いろいろなマイクの音を聴き比べられるように」という葛西氏の考えから、各ソースに複数の機種を同時に立てて行われたデモンストレーション。アコギ録音には、以下のマイキングを採用した。

  • C-100(1本):ボディ側にオンめで設置
  • C-80(1本):ネック側にオンめで設置
  • ECM-100U(ペア):C-100とC-80の間にX/Y方式でステレオ・マイキング

 C-100の狙いは、単体でも成り立つ音を録ること。そこにネック側のフィンガリング音やステレオ感を加えるべく立てたのがC-80だ。ECM-100Uは、ステレオ・マイキングの音を聴いてもらうために使用。コード・ストローク主体の演奏を録音し、プレイバックを終えると「C-100の音は低域から高域まで情報量が豊かですね」とのコメントが。

 「楽器の動きや形まで見えるような録り音が素晴らしいと思います。C-80は、C-100よりも中域にフォーカスしていて、気軽に使える印象。マイキングと録り音のイメージが一致しやすいです。そして自然なステレオ感が得られたECM-100U。高域にピークを感じず、ラフに立てても癖のない音が録れると思います」

 歌録りは、C-100とC-80を1本ずつ立てて行った。

 「C-100は息の成分までよく収めるので、周波数レンジの広い現代的な楽曲にも合うと思います。声のおいしい部分にフォーカスするC-80は、音が暴れにくく、まとまりがあるのも特徴的。ボーカリストのスタイルや楽曲をいかに演出したいかで、チョイスが変わってくると思います」

 最後は弾き語りの録音。マイキングは以下の通りだ。

  • C-100、C-80(各1本):それぞれ、歌にフォーカスする位置に立てつつ全体像を収音
  • ECM-100U(1本):C-100と同様の位置からアコギのサウンド・ホールを狙って設置(C-100とのブレンドが前提)

 プレイバック後、「C-100に関しては録音時のヘッドホン・モニターでも“おお!”と思うほど部屋の空気感が聴こえました」と澤部。葛西氏も同意しつつ「どのくらい空気感が欲しいかで各マイクを選択すればいいと思います」と語る。

 このセミナーを通して、C-100の解像度の高さ、自宅録音などのラフなシチュエーションでも気軽に使えそうなC-80、素直でナチュラルな音が得られるECM-100Uという各機種の特性まで検証することができた。動画をご覧の上、マイキングとともに録り音も楽しんでいただきたい。

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