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プロ・エンジニアが語る!立体的な音場を創出するプラグインNovoNotes 3DX

プロ・エンジニアが語る!立体的な音場を創出するプラグインNovoNotes 3DX

立体音響の制作に必要な機能を集約したMac/Windows用プラグイン=NovoNotes 3DX。Standard版は、ステレオやバイノーラル、サラウンド、Auro-3D、Ambisonicsなど数多くのフォーマットに対応し、3Dパンナー、Ambisonicsデコーダー、HPLバイノーラル・プロセッサーといったコンポーネントを備える。イマーシブ・オーディオが音楽制作に取り入れられる中、このプラグインはどのような使い方をされているのか? Standard版のユーザーであるエンジニア=奥田泰次氏とグレゴリ・ジェルメン氏に語っていただく。

奥田泰次「3Dパンニングでもバイノーラル化でも優れた音」

【Profile】MSRを拠点に活動。近年はTempalay、Mono No Aware、中村佳穂、ハナレグミ、原田郁子、AJICO、七尾旅人、Nakamura Emi、細井美裕、SOIL & "PIMP" SESSIONS、『ヴァイオレット・エヴァーガーデン』の音楽ミックスなどを手掛ける

 ステレオ・ミックスでパンナーとして使うことが多く、超優秀なプラグインだと思います。上下方向のパンニングも容易ですし、何より音がとてもクリア。例えば、お気に入りの空間系エフェクトの後段に挿しても響きに違和感が出ないので、僕はセンド用のリバーブやディレイの後にインサートしてエフェクト音の重心を変えてみたりするんです。また“リバーブを使わずに音の距離感を調整する”といった使い方も可能。マイクを少し遠ざけて距離感を持たせるような音作りですね。左右に振ったり、ステレオ・イメージを広げたりというオーソドックスな用途にも使用しています。


 3DXはステレオ以外のさまざまなフォーマットにも対応するため、MIZのアルバム『Sundance Ranch』のミックスではAmbisonicsのソースを読み込んで使いました。芸森スタジオのエコー・ルームの響きだけでリバーブを作ろうというコンセプトだったので、SOUNDFIELDのAmbisonicsマイクSPS200を使ったんです。その録り音を専用プラグインでB-Formatに変換し、3DXでバイノーラル変換してからリバーブの定位感を作っています。3DXはプロ・オーディオ用バイノーラル変換技術=HPLを採用し、変換後の音質が秀逸。そこも使う価値の一つだと思います。


 HPLによるバイノーラル化は、サラウンドのモニタリングにも有用です。僕は、5.1chセッションのマスターに3DXを挿してバイノーラルで仕込み、その後、スピーカーのあるスタジオでミックスする……というのをやったことがあります。もちろん、サラウンドにおいてもステレオと同じく積極的な音作りが可能。また3DXはイマーシブ・オーディオにまで対応するため、Dolby Atmosミックスの際に、サラウンドと同様のモニタリング用途で活用した経験もあります。

グレゴリ・ジェルメン「多種多様なフォーマット変換が可能で動作が軽快」

【Profile】フランスで生まれ育ち、日本の音楽への関心から20歳で来日&移住。これまでにMrs. GREEN APPLE、AAAMYYY、Furui Riho、Ayumu Imazu、大比良瑞希など、さまざまなアーティストの作品を手掛ける

 サラウンド・ミックスの仕込みをヘッドフォン環境で行う際に活用しています。3DXがあれば、5.1chや7.1chなどさまざまなフォーマットをバイノーラル変換してモニタリングできるからです。また、変換後の音には違和感がありません。つい先日まで映画『ONE PIECE FILM RED』のサウンドトラックをミックスしていたのですが、その5.1chミックスの仕込みでも重宝しました。


 Ambisonicsソースをサラウンドのミックス・セッションで使いたい場合にも便利です。以前、奥多摩に行って自然の音をSENNHEISERのAmbisonicsマイクAmbeo VR MICでフィールド・レコーディングし、5.1chのセッションで使用するというプロジェクトがありました。マイクの専用プラグインはAmbisonicsのフォーマットでしか出力できないわけですが、これを3DXに送り“OUT”のプルダウンから5.1chを選択するだけで、セッション内で扱えるようになるんです。さらに、5.1chだけでなく、ステレオや7.1ch、7.1.4chなどさまざまな選択肢が用意されています。僕が見てきた中では、3DXのように多種多様なフォーマット変換が行えるソフトは極めて珍しい。そして、変換後の音に違和感が出にくく、複雑な処理を行っているはずなのにCPU負荷が高く感じられないのも魅力です。


 操作画面にはいろいろなパラメーターがあって、音の配置や鳴り方を調整できます。例えばAmbisonicsソースの定位感が5.1chミックスにどうしても合わないとき、いずれかのパラメーターを少しいじるだけでマッチングが図れるんです。また画面内のグラフィックで、自分がリアルタイムに何をやっているのか見られるのが分かりやすい。意匠も含めビジュアル的な要素までよくできていますね。

Product Overview

左が3DX Standard、右が3DX Lite

 立体音響に主眼を置きつつ、ステレオやサラウンドにおいても立体的な音場作りが行えるプラグイン。ステレオやサラウンド、イマーシブ・オーディオなどに対応するStandard版($348→セール価格$244)、最大2ch(ステレオ/バイノーラル)のLite版($168→セール価格$118)をそろえる。内蔵のHPL(Headphone Listening)バイノーラル・プロセッサーは“音楽のためのバイノーラル”を追求し、音質変化や位相の乱れを抑制。Standard版では、2種類の3Dパンナーと2種類のAmbisonicsデコーダーが、入出力設定の変更時に自動で最適な組み合わせとなる。

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