![](https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/s/snrec/20220912/20220912201913.jpg)
両機共に木製エンクロージャーを採用
SRM750は周波数特性を切り替え可
SRM750/SRM2850共にエンクロージャーは木製。内部は支柱で補強され、2chミキサーやDSP、スピーカー・ユニットなどを搭載している。SRM750はスタッキングやポール・マウントのほかリギングも可能。音声は背面のマイク/ライン/インスト・インやライン・インL/Rから入力でき、ツマミで個別にゲイン調整できる。出力はスルー・アウトを1つ備え、ch1の音声をパッシブで出力できるほか、ch1+ch2のミックスを内蔵アンプに通して出力可能。アンプはクラスDで、ピーク出力は低域+高域で計1,600Wである。SRM750には音響補正用のDSPが備えられている。その一機能“クイック・スピーカー・モード”はスイッチで周波数特性を切り替えられるもので、4モードをプリセット。“PA”(一般的なPA向けで、中域を際立たせる)、“DJ”(低域と高域をブースト)、“FILL”(低域をロール・オフさせつつ中高域を豊かに生)、“SPEECH”(不要な低域を取り除き中高域をブースト)となっている。“フィードバック・デストロイヤー”はフィードバックを抑えるためのEQ機能。カットできるポイントが4つ用意され、スイッチで切り替えられる。SRM2850の内蔵デジタル・クロスオーバーでは、フル・レンジ・スピーカーに合わせて帯域を調整可能。SRM750などの兄弟機にマッチしたモードを備えるほか、周波数可変モードも用意されているのでさまざまなモデルと併用できる。
ボーカル帯域の解像度が高い
フィードバック・デストロイヤーは効果大
今回はスタンディング・キャパシティ200名弱の弊社ライブ・ハウスで、SRM2850の上にSRM750をスタッキングしてテスト。まずはマイクを使いワン・ツーでチェックしてみると、芯がありクリアな印象で、パワーも十分にある。続いて音楽のWAVファイルを再生。ポップス、ロック、R&B、クラシックなどのジャンルを一通り確認してみたところ、ボーカル帯域を中心にコシがあって、低域/高域共にクセが無く程良いバランスでまとまっている。中域の解像度が高いので、ボーカルがバンド・サウンドに埋もれにくいだろう。次にクイック・スピーカー・モードをチェック。ここまではデフォルトの状態としてPAモードに設定していたが、DJモードに切り替えるとEDMやエレクトロがとても心地良く聴こえる。FILLとSPEECHの両モードもそれぞれしっかりチューニングされているが、個人的には各モードのキャラクターがとても強く感じられたので、現場に合わせた調整が別途必要になりそうだ。ステージ・ピアノの弾き語りでは、フィードバック・デストロイヤーが活躍。4種類のポイントを切り替えつつ、適切なものを探す流れだ。効果は抜群で、ポイントさえ見つければ頼もしい機能。両機共とにかくパワフルなので、テストに使った場所より大きいサイズの空間でも十分に威力を発揮すると思う。コスト・パフォーマンスも高く、このサイズのスピーカー導入を検討中なら選択肢に入れてみてはいかがだろう。
![▲SRM750の背面。音声入力は2chで、ch1はマイク/ライン/インスト・イン、ch2はマイク/ライン/インスト・イン(以上XLR/TRSフォーン・コンボ)とライン・インL/R(RCAピン)を備え、ツマミで個別にゲイン調整できる。スルー・アウト(XLR)からはch1の信号をそのまま出力可能。スイッチを押すとch1+ch2のミックスを出力できるようになる](https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/s/snrec/20220912/20220912201919.jpg)