![](https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/s/snrec/20220912/20220912201927.jpg)
コンパクトで堅固なボディ
AD/DAには高品位パーツを使用
まず手に取ってみて驚いたのが、重みのある堅固なボディ。ZOOMと言えばギター/ベース用のマルチエフェクターでプレイヤーから定評がありますが、スタジオやライブ・ハウスでの使用がしっかり考慮されており、多少の衝撃では壊れなさそうな安心感があります。シルバーを基調としたデザインはクールで知的な雰囲気。Thunderbolt接続ということでAPPLE製品との相性もバッチリです。フロント/リア共にパネルの表記は最小限のものとなっていますが、レイアウトはDAW初心者にも分かりやすいもので、この辺りもAPPLEのプロダクトと同様、誰でもすぐに使いこなせる作りとなっているようです。オーディオ入出力は2イン/2アウトとシンプルな構成。フロント・パネルに用意されたインプットは2系統ともHi-Zスイッチが搭載されており、ギター/ベースを直接入力できます。リア・パネルにはMIDI IN/OUTも搭載されており、MIDI機器との連携もバッチリ。本機は最高で24ビット/192kHzが扱え、急速に普及しつつあるハイレゾ音源にもしっかり対応しています。ADコンバーターにはBURR BROWN PCM4202、DAコンバーターにはAKM AK4396とハイエンドなパーツが使用されており、この価格帯の製品としてはリッチな音質が期待できます。ほかにもファンタム電源や位相反転スイッチ、LEDによるクリップの確認など一般的なインターフェースの機能を完備。大きなボリュームつまみでスムーズに作業を進められそうです。
レンジの広い高品位な録り音
期待通りの超低レイテンシー
早速、TAC-2RをAPPLE MacBook Airに接続してみました。本機はバス・パワー駆動のため、Thunderboltケーブルをコンピューターと接続するだけ。起動すると同時にランプが一つずつ点灯して行く姿が何とも近未来的でカッコいいです。電源スイッチが無いため、ライブ中やスタジオでの使用時に誤ってスイッチをOFFにしてしまう心配もありません。実は、先日購入した最新のMacBook Airのヘッドフォン端子の音質が、以前と比べて劇的に向上していたのに驚いたばかりだったのですが、TAC-2Rのヘッドフォン・アウトからモニターしてみたところ、その音質差はさらに歴然としたものでした。本気のミキシングでも全く問題無く使えるクオリティです。続いてコンデンサー・マイクのSONY C-800Gを接続し、ボーカル・レコーディングを試してみました。録り音は特定の周波数帯域に寄ることもなく、幅広いレンジ感の高品質なもの。USB 3.0の2倍以上、FireWire 800に対しては12倍とも言われるThunderboltの転送速度の恩恵により、期待通りの超低レイテンシーです。ボーカルを録音する上では体感できない程度のわずかな遅延ですが、万が一気になる場合は、リア・パネルに備え付けられたダイレクト・モニター用のスイッチ(ステレオ/モノが選択可能)により、コンピューターを通さずに遅延の無い音をモニター可能。ヘッドフォン・アウトのボリュームがマスター・アウトから独立しているのも便利です。オーディオI/Oの付属ミキサー・ソフトは多機能ゆえに分かりづらいものも少なくないですが、TAC-2Rに付属するTAC-2 MixEfx(画面①)は直感的に操作でき、ソフト内でのルーティングの問題で“音が出ない!”というトラブルに悩まされることも無いでしょう。
![▲画面① 付属のミキサー・ソフトTAC-2 MixEfx](https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/s/snrec/20220912/20220912201935.jpg)
![▲リア・パネル。左よりThunderbolt端子、MIDI OUT/IN、ダイレクト・モニターのモノ/ステレオ/オフ切り替えスイッチ、アナログ出力L/R(TRSフォーン)](https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/s/snrec/20220912/20220912201932.jpg)