本製品は最先端の“ガラージ・サウンド”をセンス良く詰め込んであり、クリエイターの新たな音楽の創造を期待させるつかみの良い素材が、WAV形式で約400MB収録された素材集です。“ガラージ”とは、ジャンル分け／発祥には諸説あるようですが、ハウスやディスコに分類されソウルフルでメロディアスなモノが多いのが特徴の一つだと感じます。収録内容は、ドラムの単音サンプルのほか、ベース、シンセ、ドラム、vox、FXなどに分けられたループ素材が充実しています。どのループもBPMは130。ガラージ・サウンドのアンサンブル・イメージで作られており、調性に依存するベースやシンセなどは12キー分収録されています。それぞれのループの特徴を解説していきましょう。ドラム・ループは、それ自体で一発勝負できるエグめのサンプルからライトなものまで幅広く収録。ベースも、フィルターを効かせたシンベをはじめ、クラブ・シーンにハマる深い低音が生きたフレーズが多く、高次元でリズムとマッチします。シンセのループは、往年のアナログ系の音色フレーズからピアノにディレイをかけた独特の質感がプラスされているものまで、雰囲気がバッチリ作られており、即戦力で使えると思いました。そして個人的に響いたのが声のループ素材です。男性、女性、子供の声ネタがあり、ガラージに限らずさまざまな音楽に合わせて使うと新感覚の楽曲になるのかなぁと感じました。またドラムの単音サンプルも充実しており、キック、スネア、ハットをサンプラーに入れてパターンを組み鳴らしてみると、音色の持つグルーブ感、ジャンル感を見事にとらえることができました。このように、気に入ったテイストの素材を選びそこに音を足したり一部分をループさせたり、アイディア次第で新しい音楽を作れるのではないでしょうか。どの素材もタイトル通り“未来”を見据えて制作する音楽の武器になること間違いないでしょう。
