同社オーケストラ音色から厳選したサウンドを搭載したソフト音源

PROJECT SAMOrchestral Essentials
 Orchestral Essentialsは、シネマティックで高品位なオーケストラ系のサンプル・プレイバック音源。映画、テレビ、ゲーム音楽制作業界などから非常に高い評価を受けているPOJECT SAMのSymphobiaシリーズ、True Strikeシリーズ、Orchestral Brass Classicといった既存の製品からから使えるサウンドを厳選し、1つのパッケージ(6.9GB)に凝縮したもので、新規インストゥルメント/サウンドは収録されていません。しかしながら、すべてのサンプルは新インターフェースに合わせてリプログラミングされています。

Kontakt 5 Playerを採用し
独自GUIにてシンプルにエディット可能


MENTS Kontakt 5 Playerを採用し、スクリプト・プロセッサーを使ってオリジナルのGUIを搭載しております。また最大16コアまでのマルチプロセッサーにも対応。メモリー・サーバー機能により、4GB以上のメモリーも使用可能でございます。さらにサンプルをハード・ディスクから直接ストリーミング再生するDFD機能も改良され、大容量のサウンドを扱うことが可能に。これまでのKontakt Playerよりも、確実にロードの時間が速くなっております。本製品のような大容量ライブラリーの場合、サウンドを変更するたびに時間がかかることがありましたが、ウチの非力なMacでも問題ありませんでした。ちなみにWindows 7(32、64ビット)、Mac OS X 10.6、10.7のマシンに対応。最大64パート・マルチティンバー/同時発音数無制限であります。本ソフトはKontakt 5 Playerとサウンド・ライブラリーをそれぞれ別々にインストールします。オーソライズを完了して、Kontakt 5 Playerを立ち上げ、そこからOrchestral Essentialsのサウンドを選択すると、サウンド・ライブラリーとともに非常にシンプルでとても見やすいユーザー・インターフェースがにロードされます。このユーザー・インターフェースについて少し紹介しましょう。基本的に5つのセクションで構成されており、それぞれセクションにアクセスすることで、用意された幾つかの機能をコントロールできます。MAINセクションは、音に迫力を与えるエキサイターのような効果のEnhanceや、リバーブの送りの量のコントロール、クリッピングを防止するリミッター、アタックとディケイの調整が可能なエンベロープなどを有します。続くSETTINGセクションでは、コンサート・ホールで演奏をストップしたときの響きと同じ効果を得られるRelease Trails、演奏しているノートの1オクターブ上のサウンドを加える、Octaverなどを搭載。EQセクションには3バンドEQを備え、EFFECTSセクションには、インストゥルメントに対してコンプ、ディレイ、フィルター、ステレオ・イメージャーの4種のエフェクトを適用可能。そして最後のSEATINGセクションでは、オーケストラ・セクションのシート・ポジションを確認することができます。例えば、ユーザーが選択しているサウンドがどの楽器を含んでいるかの確認も可能。シンプルなユーザー・インターフェースですが、それぞれの機能がとてもハイレベルです。

フルオケからパーカッション、ピアノまで
収録される音源は高音質でリアル


肝心の収録内容を紹介すると、"FULL ORCHESTRA""STRINGS""BRASS""WOODWINDS"などのほか、グロッケン、シロフォンといったオーケストラ・パーカッションを収録する"PERCUSSION""GRAND PIANO""CONCERT HARP""ORGAN"などのカテゴリーが用意されています。さらに"DYSTOPIA SOUND DESIGN"と銘打たれたサウンドスケープ/SEも収録されています。実際に聴いてみると、全体的にとても高音質で、かなりリアル。全サンプルをコンサート・ホールにてライブ録音したとのことですが、それが生きるよう細部までしっかりと調整されているのが伝わります。フル・オーケストラの楽器ごとの分離感などもとても良い印象です。またストリングス系はSymphobia 2からの抜粋ということで、やはりとてもハイクオリティです!ブラス系も同社の高品位なブラス・ライブラリーからの抜粋ということもあって、サウンドもリアル。さまざまな奏法にも対応しています。そして"DYSTOPIA SOUND DESIGN"のカテゴリーには、インパクト系からドローン系まで、さまざまなシネマティック・サウンドを搭載。このセクションのサウンドだけで、とても面白い楽曲ができそうです!


サウンド/ユーザビリティ共にハイクオリティで、バランスの取れた素晴らしい音源だと思いました。私のようなクラシックとは無縁な音楽家にもたまに訪れる"そこストリングスでお願いします!"的なオーダーにも、Orchestral Essentialsのような、高品位なオーケストラ音源でさまざまな奏法を駆使すれば何とかなりそうな......。サウンド&レコーディング・マガジン 2012年5月号より)
PROJECT SAM
Orchestral Essentials
オープン・プライス (市場予想価格/42,000円前後)
▪Mac/Mac OS X 10.6以降(10.7対応)、INTEL Core Duo 1.66GHz以上、2GB以上のRAMを推奨、VST2.4/Audio Units/RTAS(Pro Tools 9)/スタンドアローン対応 ▪Windows/Windows 7(32、64ビット)、INTEL Core DuoもしくはAMD Athlon 64 1.66GHz以上、2GB以上のRAMを推奨、VST2.4/RTAS(Pro Tools 9)/スタンドアローン対応