ニューヨークのMC5人による本格ラップが収められたボイス・サンプル集

MONSTER SOUNDSNEW YORK RAP ACAPELLAS VOL.1
本ライブラリーは、ニューヨークのMC5人によるラップを収めた声ネタ集。5秒前後のループ素材とラップの一節を切り取った1〜2秒の単発フレーズが、WAVのほかAPPLE EXS24やSTEINBERG Halion、NATIVE INSTRUMENTS Kontaktなどのサンプラー用パッチとして収録されており、総容量は779MBに及ぶ。"ラップ"と一口に言ってもその内容はヒップホップ系の素材にとどまらず、エレクトロやダブステップに向けたものも含み、なおかつ3種類のテンポ(96/127/140BPM)のサンプルが用意されているため使い道は広い。そこで、"こう使えば面白そう"といった使用方法を紹介していこう。

まずはDAWソフトのオーディオ編集画面で同一のループ素材を2〜3tr重ね、各サンプルのピッチを少しズラす。この時点で、複数人のMCによるユニゾンがリアルに再現できる。続いて、別のトラックに単発フレーズを小気味良く配置すれば、ノリエガ「Superthug」さながらのリズミカルなボイス・トラックを作ることが可能だ。


また同じループを3trほど重ねたとき、韻の部分のみがユニゾンするようオーディオを編集してみる。するとライムやリズム感が強調され、本格的なアメリカン・ヒップホップの気分を味わうことができるだろう。さらにラッパー5人の声を一挙に使えば、掛け合いも楽しめる。テンポを速めると、オールドスクール風のラップに早変わりだ。


最近はVocaloidの登場もあって、サンプルの声ネタが使われる機会が少なくなったように感じる。しかし、ことラップについてはVocaloidで表現しようとすると、相当の労力を要するだろう。また、本ライブラリーの単発フレーズは「Superthug」を例に示した通り、効果音としても扱いやすい。Vocaloidユーザーは、こういったオーディオのボイス素材ならではの柔軟な使い方を取り入れてみても面白そうだ。



サウンド&レコーディング・マガジン 2011年11月号より)


MONSTER SOUNDS
NEW YORK RAP ACAPELLAS VOL.1
4,410円(為替レートによる価格の変動あり。表記の価格は2011年9月30日現在のもの)
●ダウンロード販売●容量:779MB●DATA FORMAT:EXS24、Halion、WAV、REX2、Acidized-WAV、NN-XT、Kontakt3