ディープな作品からハードな楽曲までテクノ/ハウスに向けたドラム素材集

MUTEKKIaudioboutique electric elements 2.0
最近ヨーロッパで盛んなディープ・テクノ/ミニマル・ハウスからハードなテクノ/エレクトロまで、フロア仕様のトラック制作に役立つドラム素材集が登場しました。本ライブラリーにはキックを除いたドラム・キット"Loops"をはじめ、ハイハットが鳴る"HiHat"、クリック的な音色をちりばめた"Sequencies"といった3カテゴリーのループ素材が収録されています。また、トラックにアクセントを加える効果音系サンプル"Athmos"やスネア、ハイハットなどの単発素材も用意されており、総容量は642MBとなっています。

本ライブラリーの使い方として私がお勧めしたいのは、ある程度完成した楽曲の中で収録ループをうっすら鳴らすという方法。あえて大きな音量では使わないのです。皆さんには、"結構いい感じのトラックができたけれど、少しグルーブ感が足りない""どうしても楽曲が後半にかけてダレてしまう"といった悩みはありませんか? 例えば、ショート・ディレイを効かせた音階付きカウベルと効果音によるループ"ABEE20Loop38"などは、単体ではエフェクティブ過ぎるように聴こえるかもしれません。しかし音量を抑えめにしつつEQ処理を行えば、不思議とダンサブルなノリをトラックに加えることができます。そのほか、モタついたリズム感が特徴のループ"ABEE20Loop07"などを楽曲に取り入れることによって、元のトラックで使っているループを飽きの来ないものに変えることができるでしょう。


ハウスやテクノといった音楽は、クラブなど大音量の環境で聴かれるものです。そのため、自宅でリスニングしている際にはほとんど聴き取れなかった微弱なサウンドが、ダンス・フロアでは大きな役割を果たすことが多々あります。本稿で示した通り、トラックの"隠し味"にも使えるこの素材集はフロアにハマる効果が欲しいとき、大いに機能してくれそうです。



サウンド&レコーディング・マガジン 2011年11月号より)


MUTEKKI
audioboutique electric elements 2.0
2,730円(為替レートによる価格の変動あり。表記の価格は2011年9月30日現在のもの)
●ダウンロード販売●容量:642MB●DATA FORMAT:EXS24、Halion、WAV、Apple Loops、REX2、NN-XT、Kontakt3