XYマイク搭載&単三電池×1本で駆動する軽量ハンディ・レコーダー

YAMAHAPocketrak CX

最近ハンディ・レコーダーが数多くリリースされていますが、YAMAHAから超コンパクト&軽量(薄型の携帯電話ほど)、それに単三電池1本で動き、しかも付いてくる電池がeneloopとエコにも気を遣ったステレオ仕様のPocketrak CXが発売。早速見ていきましょう。

最大48kHzのWAV録音に対応
付属のeneloopは本体で充電も可能


まずは仕様から。録音フォーマットはPCMとMP3の2種類で、PCMは44.1/48kHzのいずれかでファイル形式はWAV。MP3は32/64/128/192/320kbpsから用途に応じて選べます。記録メディアはmicro SD/SDHCカードで、録音時間は付属の2GB micro SDカードを使用するとPCMの48kHzが2時間50分、MP3の192kbpsが22時間45分、MP3の32kbpsだと136時間30分。電池での駆動は約22時間でコントラストやオート・パワーオフの設定で伸ばすことが可能。もちろんアルカリ単三電池も使えます。入力は内蔵マイク(ステレオXY方式)に加え、マイク/ライン・レベル入力(ステレオ・ミニ)に外部マイクをつなぐことも可能。一方、出力はヘッドフォン(ステレオ・ミニ)と内蔵スピーカーを装備。コンピューター(Mac/Windows)とファイルのやり取りができるUSB端子も備わっています。また録音時にひずみを押さえるピーク・リミッターやハイパス・フィルター、録音レベルをそろえるオート・レベル・コントローラーというコンプ的な機能が付いており、この3つの設定で録音ソースに合った音質と音量をコントロールできます。さらに、ステレオ・ワイド録音モードが用意されていて、通常ステレオXY方式ではセンターがしっかりしつつ左右の音像も録れるのですが、この機能はセンターが薄くなって左右の音像がより強調されるため、フィールド・レコーディングなど楽器以外のソースを録音する際に役立ちます。

情報量の多い付属マイクの音
ステレオ・ワイドなど録音機能も充実


ハンディ・レコーダーの選択基準として最も重要となるのが内蔵マイクの質。早速録音してみましょう(以下すべて44.1kHzのPCMでチェック)。まずは外に持ち出して工事現場や町の音を録音。ピーク・リミッターとハイパス・フィルターをオフにし、本体横にあるMIC SENSで感度を切り替えて大まかなレベルを決めた後、本体正面にあるVOLボタンの左右で細かくゲインの調整。付属マイクは敏感かつ高性能で、情報量が多いという印象です。先述したステレオ・ワイド機能をオンにすると雰囲気のある音で録れました。ちなみにマイクが敏感ゆえに吹かれも生じやすいので、付属のウィンド・スクリーンやハイパス・フィルター機能でうまく調節するのがよいでしょう。次にしゃべり声を録ってみました。こちらはステレオ・ワイドをオフにしてオート・レベル・コントロール機能をオンにした設定が良好。しかも再生時にはクリア・ボイス機能が付いているので、これをオンにするとさらに言葉の語尾まで奇麗に聞き取ることができました。今度は自分のアコギを録音。弾きながら耳で聴いている音がそのままの状態で録れました。こちらはオート・レベル・コントロールやリミッターなどすべてをオフにした音が一番音楽的で良好。マイクの位置とレベル調整だけで結構いい感じの音色まで突き詰めることができました。さすがにバンド録音ではそこまで突き詰めるのは難しかったですが、リハーサルやライブ本番の記録には最適で、MP3で録音してバンドのメンバーにE-Mailで一斉送信などする際に最適なツールだなと実感しました。機能が充実していてしかも簡単。A-Bリピート再生機能で楽器の練習にも便利だし、録音するフォルダーもワンタッチで選べるし、ライブの長いテイクを簡単に編集して曲ごとのファイルに分けるなんて朝飯前。こんな高性能がこの小ささに収まりしかもエコ。さすがYAMAHAです。20080901-04-002

▲左右パネルにはマイク/ライン入力、ヘッドフォン端子(共にステレオ・ミニ)を装備

YAMAHA
Pocketrak CX
オープン・プライス(市場予想価格/40,000円前後)

SPECIFICATIONS

▪録音フォーマット/WAV、MP3
▪再生フォーマット/MP3、WMA、WAV(WAVは本機で録音したファイルのみ)
▪記憶メディア/micro SD、micro SDHC(2GB micro SD付属)
▪外形寸法/46.5(W)×129.5(H)×17.5(D)mm
▪重量/92g(電池含む)