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HERCULESDJ Console RMX

DJ MOCHIZUKI

MIDIコントローラーとUSBオーディオ・インターフェースが一体になった本体とDJソフトがパッケージされたDJシステム、DJ Console RMXが登場した。早速レビューしていこう。

コンピューター内のファイルに加えて
ターンテーブルなどの外部入力にも対応

箱から出すと堅固なアルミ・ボディと安定感のあるズッシリとした重さから高級感が伝わってくる。操作子は左右に配置された２つのジョグ・ホイールの間に２つの縦フェーダー、マスター・フェーダー、クロスフェーダーを搭載し、縦フェーダーの上には３バンドEQと、それぞれにKillスイッチが用意されている。各操作子はあくまでコントローラーで入力信号への補正や調節などはコンピューター上のソフトで行う。DJソフトはVirtual DJ 5 DJC Edition（Windows/Macで動作可）が付属するほかNATIVE INSTRUMENTS Traktorなどにも対応している。ジョグ・ホイールには、ジョグ・ホイールを前後に動かしてスクラッチ・プレイを可能とするスクラッチ・モードとトラック内での頭出しを素早く行えるシーキング・モードの２モードが用意されている。各ジョグ・ホイールの上部には対応するDJソフトに搭載されているエフェクトやループなどを操作するボタンが２列３段で並び、その横にはピッチ・スライダーが設置されている。また、本機はDJソフトを介して外部入力のミックスも可能で、ライン入力とPHONO入力の切り替えが可能なステレオ２系統（RCAピン）を搭載する。トップ・パネルの左右に１つずつ用意されているSOURCEスイッチでコンピューター内のファイル再生と外部入力を切り替える仕様だ。出力はステレオ２系統で端子はRCAピンとTRSフォーンが装備されている。なお、オーディオ・ドライバーはASIO、CoreAudio、WDMに対応。また本機はUSBバスパワーのみで動作する。

本体上のカーソルを使用すれば
コンピューターに触らず選曲可能

Virtual DJ 5 DJC EditionをSONY Vaio Pentium4 2.40GHzにインストールして、本体をUSB接続した上で立ち上げた。下部にはコンピューター内にあるファイル（AAC/AIFF/MP3/WAV/WMAに対応）が整然と並び、すぐにプレイ可能な状態になっている。再生や停止はもとより選曲も本体上の操作子で行えるためコンピューターを触る必要がほとんど無いのも特徴だ。それでは、実際に音を出してみよう。場所は都内のとあるクラブで、実際のDJプレイと同様に照明も落として使用してみた。ボタンはバックライトが青く光り、暗闇でも視認性はばっちり。さっそく曲を選びDJをスタート。出音は良い！安定感のあるカッチリしたサウンドという印象だ。フェーダーやスライダーの重さも僕にとってはベストな感触。やや重めかつ滑らかなすべり具合で高級感のある手触りだ。EQつまみを回す際の重さもよく、カット／ブーストでの音の変化具合も申し分無い。これなら曲のつなぎもスムーズに行える。本体がそこそこ重く、ぐらぐら揺れずに安定しているのも好印象。パッと見たところピッチ・スライダーが少し短いかな？とも思ったが、実際に使用するとストロークは十分でストレスを感じることはなかった。縦フェーダーの操作と出音のタイムラグもなく気持ち良くミックスでき、それはクロスフェーダーも同様だった。また、ジョグ・ホイールのトルク調節やフェーダー・カーブの変更、スクラッチ・モードでのストロークによるファイルの可動幅も調整できるので、ミキサー機能を自分仕様に仕上げることが可能。さらにサンプラー、ループといった機能やフランジャーなどのエフェクトも装備されているので、これらを組み合わせていじり倒すことにより、さらに面白いプレイを生み出すことができるだろう。気軽にDJを始められるという点では初心者向けの機材であると同時に、ハイエンド・ユーザーにとっても接続や配線の煩わしさから開放され、独創的なDJスタイルを生み出すきっかけとなるクリエイティブな機材であると言えよう。 20080901-05-002