明るい出音と多彩なエフェクト群が魅力の4chデジタルDJミキサー

BEHRINGERDDM4000

最近は機材の発達でDJを取り巻く環境も大きく変わってきています。そんな渦中、デジタル処理の魅力をふんだんに盛り込んだDJミキサーが登場しました。さて、その実力やいかに?

マイク・セクションにも
専用のエフェクトを装備


DDM4000はフル・デジタル仕様の4chDJミキサーです。トップ・パネル中央部分に配置されている液晶画面が最新機種の雰囲気を漂わせています。左上から右に向かってマイク・セクション、チャンネル・セクション1〜4、マスター・セクションとなっており、各チャンネル・セクションにはゲイン、3バンドEQ、縦フェーダーが用意されています。各EQつまみの右横に付いているキル・スイッチにはマルチ/シングルのモード切り替えスイッチあり、シングル・モードではその帯域をカットし、マルチモードではその帯域のみを残すフィルターとして機能します。縦フェーダーおよびクロスフェーダーには、カーブ切り替えスイッチが付いており、フェーダー・カーブを好みに合わせて調節することが可能。フェーダー・カーブはプロDJの間でもスタイルによってかなり好みが分かれるところなので、これは大きく評価できるところでしょう。また、マイク・セクションにはEQやコンプといった専用のエフェクトを搭載しており、これを用いてマイク入力のサウンドを細かく追い込めるのは非常にうれしいところ。クラブでマイクをつないだときのハウリング対策などにも重宝しそうです。マスター・セクションには視認性のよい22セグメントのレベル・インジケーターと2系統の出力つまみが装備されています。マキシマイザーが装備されているのも特徴で、2系統の出力に同設定のマキシマイザーがかかります。

ダンス・ミュージックのつぼをとらえた
EQのかかり具合が魅力


それでは、中央に配置された液晶画面をチェックしましょう。ここでは2系統のエフェクト設定が可能となっています。エフェクターはさまざまなパラメーターをリアルタイムで操作可能なフランジャー、フェイザー、ディレイ、リバーブなど9種類からセレクト可能。各エフェクターは2系統を独立して各チャンネルもしくはマスター・セクションに自由にアサインできるので、別々のソースにかけたり、1つのソースに2系統をアサインすることもできます。実際に使用してみた感想はパラメーターが多彩で、効き具合もダンス・ミュージック向けにチューニングされているので好感が持てます。かなり派手な演出もできるのでDJプレイでの大きな武器となりそうです。さらに、本機にはサンプラーも装備されています。各チャンネルのソースを直感的にサンプリングしループ再生することができるので、こちらもDJプレイに幅広い味付けをしてくれそうです。続いてアナログ出力からの出音をチェック。パッと聴いた印象は明るい感じがして、好印象でした。EQの効き具合もダンス・ミュージックのツボをうまくとらえた帯域をブースト/カットできるため、非常に使いやすく、少しこもった感じのソースにもハリを与えられる印象です。また、デジタル出力(S/P DIF、16ビット/44.1kHz仕様)が装備されているので、お気に入りのDAコンバーター経由で音作りできる点も魅力。さらに、MIDI接続でNATIVE INSTRUMENTS TraktorといったDJソフトのコントローラーとして使用したり、リズム・マシンなどと手軽に同期することもできます。デジタルならではの機能も搭載されており、エフェクト設定などを8つまでユーザー・セッティングとしてセーブして、瞬時に呼び出すことができるようになっているため便利です。基本的な使い方はとても分かりやすく設計されているので、日々のDJミキサーとして活用しつつも、さらに深く掘り下げていくことができそうです。単に混ぜるだけでなく、より積極的なDJプレイを求める方にお薦めの機種だ思います。

▲リア・パネル。上段左よりインプット・セクション×4、マイク入力(XLR)×2。各インプット・セクションにはライン入力(RCAピン)×2、ライン/PHONO入力(RCAピン)×2、ライン/PHONO切り換えスイッチを装備。下段左よりアナログ出力(XLR)×3、アナログ出力(RCAピン)×6、デジタル出力(S/P DIF コアキシャル)、MIDI OUT/THRU/IN

BEHRINGER
DDM4000
67,095円

SPECIFICATIONS

▪周波数特性/20Hz〜20kHz(+0/−3dB)
▪クロストーク/>−80dB@1kHz
▪ビット数/24ビット
▪サンプリング周波数/44.1kHz
▪外形寸法/230(W)×110(H)×392(D)mm
▪重量/4.2kg