AMGmetropolis
音楽、そのハーモニーもリズムも、さまざまな音の出るものの"組み合わせ"で生まれ、その組み方の違いが、クラッシック、ロック、ヒップホップといったジャンルを生む。そして2ミックス化されたサウンド、野太い音やソリッドな音もまた、すべてが合わさった後の状態なのである。作り手を目指すならば、何をどう組むとそうなるか、オレンジ色が黄色と赤色でできていることを知らなければ、その音色は出せない。
本作は、高品位なサンプリングCD、ソフト・シンセで定評のあるAMGが発表した、プラグイン・インストゥルメント、ONEのエンジンを搭載したインターフェースを備えるライブラリー。その内容はヒップホップ、LAサウンドの虎の巻、未来の音楽マジシャンのための教則ネタばらし本といった趣となっている。合計4GB、1,400種類ものグルーブ素材と数千の単音サンプルを収録。ご丁寧にエフェクトまで搭載している。REX/WAVファイルの読み込みも可能なので、収録素材と同様に扱える。また、Audio Units、VST対応のインストゥルメントとして活用できる点も便利だろう。音色の分類は明解で、検索方法やリスト表示も見やすく便利。各素材には２ミックスになっている"Full Mixs"のほか、それを構築するドラム、ベース、上モノといったサンプル別に分解された"Full Mixs Multi"とがあり、音色を構築している素材を組み合わせる前の状態を聴くこともできる。２ミックスでは低域がブイブイしている音色も、実はロー成分はベースだけでキックはほとんど無かったりといった、完成形では"見えない音"の存在を知ることができる。プロの制作現場でのアレンジ作業や、ミックス・ダウンしたデータを単体で聴くといった経験をしなければ得られないような要素が詰まっている。子供のころに遊んだブロックを組み立てていくような音楽制作がここにはある。
