パソコンと連携可能なギター用アンプ・モデリング/マルチエフェクター

BOSSGT-Pro

どうも! CORE OF SOULのマニピュレーター飯塚啓介です。今回レビューさせていただく製品は、BOSSのギター用エフェクト・プロセッサーGT-Pro。その名の通り、多くのギタリストから支持を得ているGTシリーズのプロ仕様です。早速見ていきましょう。

USBを含む充実した入出力端子
エディター・ソフトも付属


本機は2Uのラック・マウント・モデルで、ビンテージ系から最新のサウンドまでを網羅した46タイプ+カスタム3タイプのCOSMアンプ・シミュレーター、そして44種類の多彩なCOSMエフェクトを搭載(同時使用エフェクト数はなんと13種類)。完全独立2ch仕様のアンプ・シミュレーターは柔軟に組み合わせることができ、各アンプを通ったサウンドを個別に出力することもできれば、それらをミックスして出力も可能。さらにはピッキングの強弱によって2つのアンプを自動で切り替えながら演奏するといったこともできます。入出力端子は、フロントとリアにインプット(フォーン)を1つずつ(どちらかを使用)、アウトプットはメイン・アウト(フォーン)と、サブアウト(XLR/フォーン)の2系統を装備。さらにS/P DIFデジタル・アウトも備えています。エクスターナル・エフェクト・ループも3系統あるので、お気に入りのエフェクターをセンド&リターンで併用きるのがうれしいですね。そして忘れてはいけないのが、GTシリーズ初のUSB端子を装備していること。USBケーブル1本でパソコンと接続することができ、付属のエディター/ライブラリアン・ソフトにより、パソコンの画面上で本機をコントロールすることが可能です(Windows XP/2000Professional/ME/SE/98、Mac OS 8.6/9およびMac OS X 10.2.3以上に対応)。さらに本機をUSBオーディオ・インターフェースとしても使用できるので、DAWソフトなどへダイレクトに録音することもできます!

多彩なアンプ/マイク・モデリング
エフェクトの質もさすがBOSS


それでは、肝心の音のチェックに行きましょう。今回はGIBSON Les Paulをつないで使ってみました。まずは46タイプのアンプ・シミュレーターをすべて聴き比べてみましたが、それぞれのアンプの特長が忠実に再現されていました。その中でも一番気に入ったのが“Clean TWIN”。FENDER Twin Reverbがモデルだと思いますが、CORE OF SOULのレコーディングやライブによく使う1970年代の実機と比べて中高域の部分などが本当にそっくりで驚きました。またマイク・モデリングやスピーカー・シミュレーターもすごいです。マイク・タイプは5種類用意され、定番のダイナミックからコンデンサーまで、レコーディング現場で使用頻度の高いマイクがモデリングされています。マイクの距離や位置を細かくシミュレートできるのには感動しました。スピーカー・シミュレーターは9種類+カスタム2種類で、小型キャビネットから大型キャビネットの2段積みまで豊富です。このマイク・モデリングとスピーカー・シミュレーターをうまく組み合わせることで、ライン接続のギターを十分満足できるサウンドに作り上げることができますよ!エフェクトに関しては、さすがBOSSといった感想。ひずみ系のセクションだけでも十分に価値があります。もちろん一般的に世の中にあるエフェクトはほぼ網羅されているほか、シタールやフレットレス・ギターのシミュレーターまで入っています。個人的にはコーラスなどのモジュレーション系やディレイなどの空間系が特にお薦めです。さらにエディター・ソフトの使用感もチェックしてみました。ソフトをインストールし、パソコンと本機をUSBで接続すればもう準備OK! エディターからすべての操作ができるようにまとめられています(画面①)。パラメーターを細かく設定する際も、本体だけで作業するよりはるかに楽に、感覚的に操作することができました。多機能であり、細かなエディットが可能な本機には、このエディターの併用をぜひお勧めします!
▲画面① 付属エディター・ソフトのGT-Pro Editor。本体のすべての設定がここで可能。コンパクト・エフェクターのパネル表示がギタリスト心をくすぐる 全体的なサウンドの印象としては、とてもローノイズでハイファイな感じを受けました。コンパクト・エフェクターを何台もつなげるとノイズの問題が出てきますが、本機では当然その心配は無用です。さまざまな音作りを試せる本機は、シンセをつなげても面白いですし、レコーディング時にマルチエフェクターとしてボーカルやドラムにかけるのもいいと思います。無限の可能性を秘めているGT-Proは、使う人によってそれぞれの個性を十分発揮できる機材と言えるでしょう。

▲リア・パネル。左からアンプ・コントロール×2、フット・ペダル×3、MIDI THRU/OUT/IN、USB、S/P DIFアウト(コアキシャル)、センド&リターン×2系統(フォーン)、サブアウト×2系統(フォーン&XLR)、メイン・アウト×1系統(フォーン)、センド&リターン×1系統(フォーン)、ダイレクト・アウト×1(フォーン)、インプット×1(フォーン)

BOSS
GT-Pro
オープン・プライス(市場予想価格82,000円前後)

SPECIFICATIONS

■AD変換/24ビット+AF方式
■DA変換/24ビット
■サンプリング周波数/44.1kHz
■外形寸法/482(W)×89(H)×305(D)mm
■重量/4.8kg