新機能を盛り込み24ビット/96kHzに対応した進化形DJエフェクト

PIONEEREFX-1000

今回チェックを担当する琉球ディスコです。PIONEERからEFX-1000が登場しました。EFX-1000は前モデルのEFX-500のハイスペック・モデルということで、ライブやDJパフォーマンスで使用するのはもちろん、レコーディングやトラック制作でも使用できるプロフェッショナルなエフェクターとのこと。では、早速試してみましょう。

病みつきになりそうな
両手での直感的なエフェクト操作


DJエフェクターとして人気のEFX-500をさらに高品位にしてレコーディングなどでも十分に使えるようにしたのがEFX-1000です。音質面では最高で24ビット/96kHzにまで対応し、リア・パネルでデジタル出力のサンプリング周波数を44.1/48/96kHzの3段階で切り替えられます(ビット数は24ビット固定)。エフェクトの種類は少ないと思ったのですが、それは単純にトップ・パネルに並ぶ14個のエフェクト・ボタンの数からの感想。EFX-1000は2セクションに分かれており、DELAY/ECHO/PITCH ECHO/TRANS/F LANGER/FILTER/PHASERというビートと連動してエフェクトをかけるトップ・パネル左側のBEAT EFFECTSと、JET/WAH/PHASE SHIF TER/ZIP/HUMANIZER/VOCODERというジョグ・ダイアルと連動させてエフェクトを操る右側のDIGITAL JOG BREAKを使ったエフェクトの組み合わせによる多彩なサウンドが魅力です。 EFX-1000を初めて触ったときの第一印象は“すごく楽しい!”というもの。左手でBEAT EFFE CTSを操作しつつ右手でDIGITAL JOG BRE AKを使うのは、まさに楽器を演奏する感覚です。そのフレッシュな操作感にどんどんはまります。具体的にBEAT EFFECTSでは中指と薬指でBEAT EFFECTSレバーを挟んで、細かくエフェクトのON、OFFを切り替えます(手を離すとOFFに戻る)。そのほかの人差し指と親指でエフェクトを同期させる拍数を選ぶ1/8〜8/1のスイッチやBPM MODEボタンなどを操作するのです。エフェクトの種類によってはBEAT EFFECTSレバーをON/LOCKに固定し、ほかのパラメーターを操作する使い方も考えられそうです。同時に右手でDIGITAL JOG BREAKのエフェクトを操作しますが、両手で異なるエフェクトを操作する感覚は病みつきになりますね。DIGI TAL JOG BREAKの操作でも右手の中指と薬指でDIGITAL JOG BREAKレバーを操作し、核となるジョグ・ダイアルは人差し指や親指で回します。ジョグ・ダイアルを回す感覚は、すごく直感的で分かりやすいです。エフェクトはジョグ・ダイアルを回転中にだけかかるのですが、常に回し続けるのがつらいときはJOG MODEのHOLDボタンが登場です。あと、注目はJOG MEMORY PLAY機能。これは自分で回したジョグ・ダイアルの周期を記録できる機能で、ビートに合わせてジョグ・ダイアルを回し、それを記録してBEAT EFFECTS的な使い方も可能になります。

新機能RHYTHM MODEは
実際のライブで威力発揮!


EFX-1000試用期間中という絶好のタイミングでライブがあったので、実際に試してみました。会場は沖縄のクラブMNDで、自分たちの1stアルバム『RYUKYUDISK O TECH』のリリース・パーティでのライブです。ライブで使っているDJミキサーの同社DJM-600のセンド&リターンにEFX-1000を接続し、EFX-1000のアナログ出力を普段使っているエフェクターへ接続。EFX- 1000はデジタルを含め入出力端子が3系統もあるので、場合によってはエフェクターを並列でつなげることも可能です(信号のループに注意!)。EFX-1000をライブやDJで使うときに威力を発揮するのが、何と言っても自動的にBPMを計測してくれるBEAT EFFECTS。もちろんタップをたたいて自分でBPMを決められるし、MIDIで外部機器とシンクすることも可能です。あと、面白いと思ったのは新機能のRHYTHM MODEではTAPボタンを使ってリズムを自分で入力できること。これによりBEAT EFFECTSのかかるタイミングを徐々に早くしたり、ゆっくりにしたり……といった使い方が可能になります。聴いたことのない新しい音楽ができそうです。このような感じでライブではBEAT EFFECTSをかけつつ、同時にDIGITAL JOG BREAKで遊べました。高度な使い込みとはいきませんでしたが、EF X-1000はライブやDJパフォーマンスに最適なエフェクターだというのが率直な感想です。何より使っていて楽しいという点と、使えば使うほど扱い方が上手になる……自分の上達が目に見えて分かるその感覚は、まさに楽器ですね。

▲リア・パネル。左から電源スイッチ、デジタル入出力(S/P DIFコアキシャル)、フット・スイッチ、デジタル出力サンプリング周波数切り替え(44.1/48/96kHz)、入出力ゲイン切り替え(−10dB/+4dB)、リンク入出力、MIDI IN&OUT/THRU、アナログ入出力(TRSフォーン)、アナログ入出力(RCAピン)

PIONEER
EFX-1000
オープン・プライス(市場予想価格100,000円前後)

SPECIFICATIONS

■サンプリング周波数/96kHz
■AD/DAコンバーター/24ビット
■周波数特性/20Hz〜22kHz
■外形寸法/320(W)×101(H)×234(D)mm
■重量/2.4kg