「SOFTUBE Amp Room」レビュー:ギター&ベース録音工程そのものを再現するプラグイン・プラットフォーム

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 SOFTUBEは、ハードウェア・モデリングにおいて優れた技術を持ち、他社のプラグイン開発もサポートするなど多方面から厚い信頼を得ているブランドです。そのSOFTUBEからギター&ベースの新しいプラットフォームとなるAmp Roomがリリースされました。ギタリストの筆者はチェックが非常に楽しみです!

 

MARSHALL公認のアンプ&キャビを収録
マイク・アレンジまで含めてアンプ録音を再現

 

 Amp RoomはMac/Windowsで、AAX/AU/VST2&3対応のDAWで動作。アンプ6機種、キャビネット16機種、コンパクト・エフェクター10機種、スタジオ・エフェクト3機種、そしてフィルタリング、ゲイン調整、位相調整などのユーティリティ系8機種のモジュールが用意されています。


 早速音を出してみましょう。DAWのトラックにAmp RoomをインサートするとGEARパネルが開きます。ギタリストになじみ深い外見のアンプ、キャビネット、コンパクト・エフェクターなどがずらりと並んでいて、これらのモジュールをドラッグ&ドロップで配置していくのが基本的な使い方です。


 まずはMARSHALLサウンドを聴いてみたかったので、アンプにJCM800 Lead Series、その後段にキャビネットの1960A 4×12を配置してみました。MARSHARLL公認での再現とのことで、ブランド・ロゴもしっかりと刻まれています。このJCM800 Lead Seriesはマスター・ボリュームが付いていて、小さな音量でもプリアンプ段でひずませられるタイプ。実機ではPRE-AMPのつまみを右へ回すとジャリっとした耳に付くひずみが加わっていき、MASTER VOLUMEを上げていくと真空管ならではのマイルドさが加わりサウンドも太くなっていきます。実際にギターを弾いて試してみると、Amp Roomのモデリングはそのニュアンスと質感をかなり忠実に再現しているではないですか!

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MARSHALLアンプ&キャビネットのエミュレーションは同社公認。8タイプのキャビネットをMarshall Cabinet Collection(オープン・プライス:市場予想価格3,546円前後)で追加できるほか、Marshall Silver Jubilee 2555(オープン・プライス:市場予想価格13,546円前後)などの単体プラグイン・アンプをAmp Rom内に立ち上げることもできる


 キャビネットの1960A 4×12は高域が明るくカラッとしていて、アンプのボリュームを上げたときの箱鳴りも感じることができ、驚きました。セレクトするキャビネットによっては複数のタイプのマイクを組み合わせて使用することができます。この1960A 4×12のマイクはSHURE SM57タイプで、スピーカーからの距離の調整が可能です。

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キャビネットからのマイクの距離はもちろん、キャビネット・モデルによってはマイクの種類や本数もアレンジ可能だ



アンプのパラレル・ルーティングも可能
ペダル&スタジオ・エフェクトも装備

 

 違うアンプ・モデルも試してみましょう。1964年製のVOX AC30 Top Boostをモデリングした“30W Top Boost”。1960年代初期AC-30の丸いサウンドではなく、高域の伸びたキラキラした出音が特徴です。これもモデリングで質感が見事に再現されていて、強くピッキングした際のVOX独自のパンチ感や、ビブラートをオンにしたときの音の揺れ方もそっくりで、ニヤっとしてしまいました。


 インプット・レベルを上げてアンプの真空管をドライブできるかもチェックしてみましょう。IBANEZ TS-9を再現した“DIS Distortion pedal”をアンプ前段に配置。DRIVEはほとんど上げずにLEVELのつまみを上げていくと、心地良いひずみが得られます。TS-9でアンプの真空管をブーストすると中域に心地良いピークが出てきてアンサンブルの中で抜けてくるのですが、そこもうまく再現されていると感じました。


 Amp Roomには、さまざまなジャンルに対応したアンプ、キャビネット、エフェクターの設定や組み合わせを保存した260種類のプリセットも用意されています。また、インプット〜アウトプット間への信号は、直列だけではなく並列での信号パスも作ることができます。複数のアンプ、キャビネット、エフェクトのセットを作り、その信号をミックスしてアウトプットへ出力することが可能です。例えばFENDER系のパキッとしたクリーン・サウンドとハイゲイン・アンプのディストーション・サウンドをパラレル・ミックスし、ひずみながらも輪郭のにごらないサウンドが作れます。スタジオでは物理的に不可能なルーティングも可能となっていて、Amp Roomならではのサウンドが作れそうでですね。これもさまざまなルーティングを施したプリセットが用意されているので参考にしてみてください。


 また、Amp Room内にはスタジオ機材も用意されていて、APIコンソールをエミュレートしたプラグインAmerican Class Aのコンプレッサーと4バンドEQがモジュール化されています。

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ペダル・エフェクトのみならず、APIタイプのコンプ&EQなど、スタジオ・エフェクトも用意。Tape、Tube-Tech CL 1BなどのSOFTUBE製プラグイン(別売り)をモジュールとして立ち上げることもできる


 伝統的なビンテージ・アンプなどのモジュールをさまざまな発想で使うことができ、それらをしっかりと音響的に落とし込めるツールだと感じました。ユーティリティ系のモジュールも充実してるのでギター、ベース以外のさまざまなソースでの使用もできそうです。

 

※サウンド&レコーディング・マガジン2020年9月号掲載の同記事で、本文の最後1行が欠けておりました。読者の皆様、著者の阿瀬様、関係者の皆様にご迷惑をおかけしたことをお詫び申し上げます。(編集部)

 

製品情報

www.mi7.co.jp

SOFTUBE Amp Room

オープン・プライス

(市場予想価格:13,546円前後+税)

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REQUIREMENTS ▪Mac:macOS 10.12以降、AAX/AU/VST2または3対応のDAW ▪Windows:Windows 10、8、7(64ビット)、AAX/VST2または3対応のDAW ▪共通項目:INTEL Core 2 Duo、AMD Athlon 64 X2または最新のプロセッサー、1,280×800px以上の画面解像度、8GB RAM以上、8GB以上のドライブ・スペース、Softubeアカウント。iLok License Manager(iLok USBキーは必須ではない)、インストーラーのダウンロードおよびライセンス登録のためのインターネット環境

 

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