Dolby Atmosにも対応する多機能プレート・リバーブ・プラグイン「LIQUIDSONICS Lustrous Plates Surround」

Dolby Atmosにも対応する多機能プレート・リバーブ・プラグイン「LIQUIDSONICS Lustrous Plates Surround」

フックアップが運営するオンライン・ストアのbeatcloudから、注目のソフトをピックアップする本コーナー。今回レビューするのは精力的にアップデートを繰り返し、近年盛り上がりを見せるサラウンドやDolby Atmosにも対応した製品をリリースするブランドLIQUIDSONICSのプレート・リバーブ・プラグイン、Lustrous Plates Surroundです。Mac/Windows対応で、AAX/AU/VST2&3プラグインとして動作します。

用途に合わせてダイレクトに選べるプリセット。2色の画面カラーを切り替え可能

 LIQUIDSONICSは、リバーブ関連を専門に取り扱っているプラグイン・ブランド。代表的な製品としてBRICASTI DESIGNのデジタル・リバーブ・プロセッサーM7をエミュレートしたSeventh Heavenや、ルーム・シミュレーションとリバーブを同時に細かく設定でき、サラウンドやDolby Atmosにも対応するCinematic Roomsなど、ユーザーのニーズにいち早く応じた製品を多くリリースしています。

 冒頭で述べたように、Lustrous Plates Surroundはプレート・リバーブに特化したプラグインとなっており、モノラルからステレオ、L/C/R、クアッド、5.1ch、7.1ch、7.1.6chまで、さまざまなフォーマットに対応。動作環境としては64ビットDAWをサポートし、Windows 7以降、またはmacOS 10.9以降で動作、iLok License Managerでのアクティベーションとなっています。AAX、AU、VST2.4、VST3プラグインとして動作可能なので、大体のDAWでの使用は問題無いでしょう。

 画面を見ると、上段左端に入力レベル・メーター、同右端に出力レベル・メーターと分かりやすい配置(左ページ)。画面左上にはプリセット選択欄があり、左右の矢印ボタンを押すことで実際に音を聴きながらプリセットを選べる仕様となっています。またプリセット名の部分をクリックすることでメニューが出現し、“Stereo”や“Surround”からドラムやギター、ピアノ、ストリングス、ボーカルといったパートごとのプリセットをダイレクトに選ぶことができます(画面①)。それぞれ約10種類のプリセットが用意されているため、目的に合わせたプレート・リバーブを迷わずセレクトできるでしょう。

画面① 画面左上にあるプリセット名部分をクリックするとメニューが表示され、内蔵プリセットやユーザー・プリセット、プリセットのスナップ・ショットを選択できる。“Stereo”ではドラムやギター、ピアノ、ストリングス、ボーカルといったパートごとのプリセットを収録するため、目的に合ったプレート・リバーブをダイレクトにセレクトできる

画面① 画面左上にあるプリセット名部分をクリックするとメニューが表示され、内蔵プリセットやユーザー・プリセット、プリセットのスナップ・ショットを選択できる。“Stereo”ではドラムやギター、ピアノ、ストリングス、ボーカルといったパートごとのプリセットを収録するため、目的に合ったプレート・リバーブをダイレクトにセレクトできる

 “Surround”には“Instrumentation / Percussive / Symphony / Vocal”というプリセット欄がラインナップされています。いつも自分が使用するお気に入りプリセットを“User Presets”で管理することもできるので、一度登録しておけばそれ以降からワンクリックで呼び出すことも可能です。

 ちなみに、画面右上にある歯車ボタンから“Settings → Interface → Colour Theme → Light Theme”と選択すると、画面全体が白を基調としたデザインに変わります(画面②)。黒を基調としたDark Themeがデフォルトですが、白を基調としたLight Themeは見やすいので、作業効率がかなり変わるだろうと個人的には思いました。

画面② “Light Theme”画面。画面全体が白を基調としたデザインとなり、状況に合わせて使い分けることができる

画面② “Light Theme”画面。画面全体が白を基調としたデザインとなり、状況に合わせて使い分けることができる

 この“Settings”メニューでは画面サイズを75〜200%まで拡大/縮小できたり、任意のパラメーターをロックしたり、レイテンシーを管理したりなど、Lustrous Plates Surroundを多岐にわたって自分好みの設定にすることができます(画面③)。

画面③ “Settings”メニューにある“Interface”では、画面全体のカラーを切り替えたり、画面サイズを7〜200%まで拡大/縮小したり、メーター設定を変更したりすることが可能。また“Parameters”では、任意のパラメーターをロックすることもできる

画面③ “Settings”メニューにある“Interface”では、画面全体のカラーを切り替えたり、画面サイズを7〜200%まで拡大/縮小したり、メーター設定を変更したりすることが可能。また“Parameters”では、任意のパラメーターをロックすることもできる

 なお“Surround”は、サラウンド/Dolby Atmosのフォーマットに関する設定項目が多数用意されています(画面④)。通常モノラルはハード・センターになっていますが、“Mono Upmix Centre Channel”欄にある“Create L/R Phantom Centre”を選択すれば、モノラルをL/Rで表現するファンタム・センターに変更可能です。

画面④ “Settings”メニューにある“Surround”には、サラウンドやDolby Atmosのフォーマットに関する設定項目が多数用意されている。モノラルをハード・センター/ファンタム・センターで切り替えたり、LFEにリバーブをかけたりすることも可能だ

画面④ “Settings”メニューにある“Surround”には、サラウンドやDolby Atmosのフォーマットに関する設定項目が多数用意されている。モノラルをハード・センター/ファンタム・センターで切り替えたり、LFEにリバーブをかけたりすることも可能だ

 また“Centre Channel Mute”にある“Mute Centre Reverb”にチェックすることで、センター・チャンネルだけをミュートすることができます。これは、例えば映画のセリフが立て込んでいるシーンなどで便利で、センター・チャンネルをミュートすることでセリフをスッキリと聴かせることができるでしょう。さらに“LFE Channel”では、サブウーファーへの送りの有無も必要ならば変更できるようになっています。

金属にちなんだ名前が付けられた10種類の特徴的なプレート・リバーブを搭載

 画面上段の中央にはプレート名が表示されており、ここをクリックするとLustrous Plates Surroundの大きな特徴である10種類のプレートを選択できます(画面⑤)。これらのプレート名にはクローム、シルバー、スチール、ロジウム、ベリリウム、カーボナイト、イリジウム、オスミウム、プラチナ、ゴールドと金属にちなんだ名前が付けられており、それぞれ独特な響きを持っているため、これだけあれば必ずイメージにマッチするプレートを選ぶことができるでしょう。どれもリッチなサウンドで、音源に存在感と奥行き感を付加することができます。

画面⑤ 画面上段の中央部分にあるプリセット欄では、10種類のプレートをセレクト可能。これらのプレート名には金属にちなんだ名前が付けられており、それぞれ独特な響きを持っている

画面⑤ 画面上段の中央部分にあるプリセット欄では、10種類のプレートをセレクト可能。これらのプレート名には金属にちなんだ名前が付けられており、それぞれ独特な響きを持っている

 それぞれの特徴は下記の通りです。

  • CHROME PLATE:マルチバンド・ディケイ・プロファイルを用いたリッチなプレート
  • SILVER PLATE:中低域のディエンファシス(抑制)によって、明りょうさを強調したプレート
  • STEEL PLATE:CHROMEプレートに似た自然さを持ち、低域のディケイ・タイムが短めのプレート
  • RHODIUM PLATE:豊かで明るく、非常に自然なディケイ特性を持ったプレート
  • BERYLLIUM PLATE:反射がとても強く、明るい響きを持ったプレート
  • CORBOMITE PLATE:高密度で重いプレート
  • IRIDIUM PLATE:高密度かつ強調された低域のディケイ特性を持つプレート
  • OSMIUM PLATE:明瞭で短いアンビエンスにうってつけのプレート
  • PLATINUM PLATE:非常に高密度で明るく、長いディケイかつ豊かな低域を持つプレート
  • GOLD PLATE:珍しい金箔のコンパクト・プレートをシミュレーションしたもの

 続いて画面左下を見てみましょう(画面⑥)。REVERB TIME DAMPERは残響音の長さを、FREQUENCY DISPERSIONは残響音がアプローチする周波数帯域の広がり具合を調節。後者については、実際はプレートの寸法とピックアップの位置でほぼ決まり、プレートのテンション、構造材、マウント方法など、あらゆる要因が影響するのですが、Lustrous Plates SurroundではこのFREQUENCY DISPERSIONのみで可変するようになっています。事実、響きの明るさ/暗さが変わったように聴こえるので、音源にまとわりつくような響きにするならMAX側に、逆に音源の邪魔にならないようにするならMIN側に調整するといったところでしょう。

画面⑥ 画面下段には残響音の長さを調節するREVERB TIME DAMPERや、残響音がアプローチする周波数帯域の広がり具合を調節するFREQUENCY DISPERSION、そしてMASTERセクション、SURROUNDセクションを搭載している

画面⑥ 画面下段には残響音の長さを調節するREVERB TIME DAMPERや、残響音がアプローチする周波数帯域の広がり具合を調節するFREQUENCY DISPERSION、そしてMASTERセクション、SURROUNDセクションを搭載している

 画面の下段中央にあるMASTERセクションには、残響の細かい調節ができるREVERBERATIONタブと、周波数帯域を調節するEQUALISATIONタブを搭載。REVERBERATIONタブにはCHARACTER、MODULATION、MIXの3セクションがあり、メトロノーム・マーク・ボタンを押すと楽曲のテンポに同期したプリディレイを付けることができます。音源に直接インサートして使用する場合は、ここにあるMIXセクションでコントロールするとよいでしょう。

 画面の下段右端にあるSURROUNDセクションには、LEVEL、DELAY、CROSSFEEDタブを搭載。LEVELやDELAYで各チャンネルへの送りの量やレベル調節が可能です。リアやサイドへの広がりを強調したい場合や、Dolby AtomsミックスでのElevationへの開放感を際立たせたい場合などはトリムを上げ、逆に音源が定位する付近だけ輪郭を出したい場合は下げたりするなど、自由度の高い調節が可能となっています。

 リバーブ・プラグインはLIQUIDSONICSから幾つも発売されていますが、その中でもLustrous Plates Surroundのサウンドはつややかで存在感が抜群。筆者は金管楽器やリード楽器に挿すことが多いです。近年話題のサラウンドやDolby Atmosミックスには本当に実用的ですが、サラウンド作業が多くないならスタンダード版のLustrous Plates(beatcloud価格:25,870円)もあるので、そちらを使ってみてもよいかもしれません!

 

LIQUIDSONICS Lustrous Plates Surround

beatcloud価格:32,370円

 Requirements 
■Mac:OS X 10.9以降(64ビット)、AAX Native/AU/VST2&3対応のホスト・アプリケーション
■Windows:Windows7以降(64ビット)、AAX Native/VST2&3対応のホスト・アプリケーション
■共通項目:8GM以上のRAM、最新のクアッドコア・プロセッサー、またはそれ以上のマルチプロセッサーを推奨、200MB以上のストレージ空き容量、iLokアカウント(iLok Cloudもしくは第2世代以降のiLok USB Keyでライセンスを管理)

 

加納洋一郎

【Profile】ミキサーズラボを経てフリーランスのエンジニアとして活躍。泉谷しげるやLM.Cなどの作品を手掛ける。また、映画『サマーウォーズ』などの劇伴や、Blu-rayのサラウンド・ミックスにも携わっている。

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