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ACOUSTIC REVIVE クロス・レビュー「ギター/ベース用ケーブル」

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“原音忠実”の理念のもと、ケーブルなどのオーディオ・アクセサリーを手掛けるACOUSTIC REVIVE。今月クロス・レビューするのは、ギター/ベース用ケーブルのGB-TripleC-FMだ。

 

ACOUSTIC REVIVE代表
石黒謙、氏の技術解説

 GB-TripleC-FMは世界初のノイズ除去機能付きギター用ケーブルです。日立金属が開発したノイズ除去素材“FINE-MET”をケーブル内部に搭載することで、ギター/ベースとアンプの間はもちろん、エフェクターやそのほかの機器から発生する伝送上のノイズを一掃できるため、S/Nが劇的に向上。過去のギター用ケーブルとは一線を画すもので、世界初の音響専用導体“PC-TripleC”を迷走電流の発生の無い極太の単線で採用し、絶縁材には現在最も比誘電率の低いテフロンを使い圧倒的な伝送スピードを実現しています。

 

 緩衝材には、静電気の発生を防ぎ有機的な音色を実現する天然シルクを採用。フォーン端子には、磁気ひずみの原因となる鉄心を除去した真ちゅう無垢材からの削り出しに金メッキを施し、伝送特性を極限まで高めています。GB-TripleC-FMは、外来ノイズの影響を受けず正確な位相特性を実現する2芯シールド構造となっており、従来のギター用ケーブルとは別次元のクオリティを実現しています。

 

<製品ラインナップ>
GB-TripleC-FM(ギター/ベース用ケーブル)24,000円(3m)38,000円(5m)52,000円(7m)73,000円(10m)

※端子形状は、ストレート/ストレート、ストレート/L字を選択

※長さの特注可能(要見積もり)

※写真は3mのストレート/L字

PC-FM(パッチ・ケーブル)9,800円(15〜30cm)

※完全受注生産

※発注時に長さや端子形状を指定

 

Cross Review

横川理彦

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<Profile>1982年にデビュー後、P-MODELやAfter Dinnerに参加。主宰のレーベルpickからのリリースや即興演奏、演劇やダンスのための音楽制作など幅広く活動する

 

ワイド・レンジながら芯のある音
音像が近くなりグレードが格段に向上

 ギター用ケーブルということで、手持ちのエレキギター、ピエゾ・マイク付きの鉄弦アコースティック・ギター、コンデンサー・マイク内蔵のナイロン弦ギターの3種でチェック。オーディオ・インターフェースも3種類用意し、それらのギター・インに入力して、日ごろ使っているBELDENのギター用ケーブルと比較してみた。

 

 結果は、驚くほど違う。予想していた通り、ハイエンドとローエンドが伸びてよりハイファイになっているのだが、何より印象的なのは音が締まって芯ができ、音像がぐっと近くに感じられることだ。音のグレードが格段に上がっている。これは、高級なマイクやマイクプリを使ったときの録り音の変化と同じ出来事だ。モニター回線にコンプレッサーやEQをかけなくても聴き取りやすい音なので、生演奏をレコーディングするのがずっと楽になるし、録音後にプラグイン・エフェクトでサウンド・メイクするのも、よりやりがいが出てくる。

 

 録った音をそのまま再生してみると、ナイロン弦のつま弾きやギター側でトーンを絞り込んだ音色は、特に魅力が増した。また、ケーブルに内蔵されているFINE-METビーズによるノイズの低減も明らかで、ピエゾ・マイクの“シャー”というセルフ・ノイズが気にならなくなった。ちなみに、ケーブルによる音の変化はオーディオ・インターフェースの質が高いものほどより明確で、結果的にインターフェースの性能比較にもなった。これまでDIで処理していたギターのライン録音は、このケーブル1本でクリアできる。


in the blue shirt

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<Profile>トラック・メイカー/ギタリスト。Maltine RecordsやSecond Royalからのリリースを経て、2枚のアルバムを発表。TVドラマの劇伴やCM音楽なども手掛ける

 

ふくよかなニュアンスが魅力
部分的なケーブル交換でも効果的

 ギター・アンプで音を出す何倍もの時間を自宅でのライン録音に費やし続け早10年。プリアンプやDIをはじめとするインプット面での試行錯誤をし続けておりますが、高価格帯のケーブルを本格的に導入するのは人生初です!

 

 まずはオーディオ・インターフェース直結でのギター録音。DAW上で確認できる波形の微妙な違い以上に、演奏時のフィールの違いが感じ取れます。抽象的な表現で恐縮ですが、私が今まで使ってきたケーブルにはないふくよかなニュアンスがあり、すっかり気に入りました

 

 次に興味深いのはペダル・ボードを経由した場合。ケーブルをボード前段に使った場合と後段に使った場合で、エフェクトのノリに微妙な差が出ます。どちらが良いかは好みの領域なので、ぜひ両方試してみてください。部分的なケーブル交換では効果が出ないイメージを持っておりましたが、そんなことはなく、十二分にケーブル交換の恩恵を得ることができます。宅録派のファースト・チョイスとしてぜひ! 1本持っておくと試行錯誤の幅が広がりますよ。

 

真部脩一

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<Profile>コンポーザー/音楽プロデューサー。相対性理論を経た後、集団行動を立ち上げ、作編曲やギターを担当。アーティストへの楽曲提供やCM音楽の作曲なども行う

 

太さと輪郭を兼ね備えた豊かな音
色付けが感じられず扱いやすい

 まず手持ちのギター・アンプで試してみたところ、鳴らしてすぐ、あまりの音の太さに驚かされました。かと言ってブーミーではなく、中低域に輪郭があって豊かな音です。DI経由のライン録音では、きらびやかで落ち着いたトーンで、ミキサーに直差しで録音するような場合でもストレス無く扱えると思います。アンプ・シミュレーターに使っても、実際のアンプと変わらない、迫力のある音ですね。またほかのケーブルと比べると、SN比の良さは特筆ものです。

 

 ワイド・レンジなケーブルには弾きづらさを感じることも多いのですが、このケーブルは中域に誇張や色付けが無いためか、アタックもサステインも、慣れ親しんだ楽器の印象と違和感無く弾けるのが心地良い。“コントロールのしやすさ”というのが音色を左右する上で重要な要素だと考えていますので、これだけの情報量を持ちつつ、低ノイズで快適に演奏できるケーブルは、特に録音において強い味方になると思います。ライブでも使ってみたいですが、太く硬めなので取り回しに少々注意が必要かもしれません。

 

■ACOUSTIC REVIVE製品に関する問合せ:ACOUSTIC REVIVE

https://acousticrevive.jp/

 

www.snrec.jp

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