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ブロックハンプトン『ロードランナー:ニュー・ライト、ニュー・マシーン』、ポーター・ロビンソン『ナーチャー』 〜エンジニア今本 修's ディスク・レビュー

 第一線で活躍するエンジニアに毎月お薦めの新作を語ってもらう本コーナー。今本 修氏の今月のセレクトは、ブロックハンプトン『ロードランナー:ニュー・ライト、ニュー・マシーン』、ポーター・ロビンソン『ナーチャー』です。

全体を通して極端なケロケロ・ボイスは使用しない姿勢と
さらに振り幅が広がった音楽性がほかのヒップホップとは一線を画す

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ブロックハンプトン『ロードランナー:ニュー・ライト、ニュー・マシーン』(ソニー)

 待ちに待ったブロックハンプトンの2年ぶり6thアルバム。彼らはカニエ・ウェストのファン・サイトで出会ったメンバーが2015年に結成。ラッパー/エンジニア/DJ/映像クリエイター/デザイナー/ツアー・マネージャーが在籍する総勢14名から成る大所帯ヒップホップ・グループ。ツアーからアパレル、MVの作成などすべてを自分たちで完結できるアーティスト集団だ。

 1990年代のヒップホップが土台にあり、ロック要素が音選びやミュージック・ビデオから垣間見えるところに好感が持てる。全体を通して極端なケロケロ・ボイスは使用しない姿勢、さらに振り幅が広がった音楽性がほかのヒップホップとは一線を画している。

 

エレクトロニカやアコースティックな要素が増えて
ダンス・ミュージックのさらなる可能性を感じさせてくれる作品

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ポーター・ロビンソン『ナーチャー』(ソニー)

 日本のカルチャーが好きなことでも有名なポーター・ロビンソンの2ndアルバム。エレクトロニカやアコースティックな要素が増えて、ダンス・ミュージックのさらなる可能性を感じさせてくれる作品。美しいナチュラルな音に加え、日常感のあるノイジーな音をさり気なく展開に使っていたり、常にフレッシュなアイディアを聴かせてくれる。エナジーにあふれていて、メランコリックで、時に攻撃的だがトゲトゲしてなく、全体を通して優しさにあふれているミックスだ。

 ここ数年ロビンソンは鬱病を患っていたが、キュレーションを務めるフェスは続けている。最近行われたオンライン・フェスでは、ノーローム、ケロケロボニト、高木正勝などのアーティストが参加。彼にしかできないフェスの形を見せてくれた。

 

今本 修

【Profile】DOGLUS MUSIK主宰。クラブ・ミュージックを熟知した音作りに定評がある一方、ロックの分野でも手腕を発揮するエンジニア