シーヴェリー・コーポレーション『Symphonik』、STRFKR『Future Past Life』 〜今本 修's Recommend

 第一線で活躍するエンジニアに毎月お薦めの新作を語ってもらう本コーナー。今本 修氏の今月のセレクトは、シーヴェリー・コーポレーション『Symphonik』、STRFKR『Future Past Life』です。
 

高揚感のあるオーケストレーションが加わった
1990年代的なアレンジやサウンド

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『Symphonik』Thievery Corporation

 シーヴェリー・コーポレーションは1996年に結成されて、トリップホップ、ダブ、ブラジリアン音楽など幅広いジャンルで、常に完成度の高いダンス・ミュージックを発信しています。通算11枚目にあたる最新作は、プラハを拠点とするフィルムハーモニック・オーケストラとコラボレート。「Hea vens Gonna Burn Your Eyes (featuring Natalia Cla vier)」など過去の代表曲のリアレンジを収録しています。トリップホップ特有の悲しい雰囲気もありますが、メロディやサウンドは前向き。さらに高揚感のあるオーケストレーションが加わるなど、1990年代的なアレンジや音を楽しむことができます。全体的に、懐かしさを感じる一枚です。

 

Symphonik

Symphonik

  • シーヴェリー・コーポレーション
  • エレクトロニック
  • ¥1528

 

エレクトリックとローファイ感の融合
ミックスはほぼモノラルに近い

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『Future Past Life』STRFKR

 アメリカはオレゴン州ポートランドのバンドと言えば、世界的な人気を誇るシンセ・ポップ・バンドのSTRFKR。エレクトリックとローファイ感の融合が絶妙で、ウネりのあるサイケなシンセ音やちょっぴり青春を感じるコード感とメロディが魅力です。ミックスはほぼモノラルに近い音像をしています。「Dear Stranger」では“部屋での孤独と安全。なぜ私にほかを求めるのですか? あなたの世界が私が知っているもののすべてです”という歌詞があり、まさに今我々が直面している苦境を音と歌で訴えているようです。現代の僕らにはインターネットがあり、直接触れ合わなくとも交流ができます。未曾有の出来事もきっと乗り越えられると思うので、音楽に癒しと勇気をもらって頑張りましょう。

  

Future Past Life

Future Past Life

  • STRFKR
  • オルタナティブ
  • ¥1120

 

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今本 修

【Profile】DOGLUS MUSIK主宰。クラブ・ミュージックを熟知した音作りに定評がある一方、ロックの分野でも手腕を発揮するエンジニア 

 

www.snrec.jp

 

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