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V.A.『Arcane League of Legends(Soundtrack from the Animated Series)』 〜今本 修's ディスク・レビュー

 第一線で活躍するエンジニアに毎月お薦めの新作を語ってもらう本コーナー。今本 修氏の今月のセレクトは、V.A.『Arcane League of Legends(Soundtrack from the Animated Series)』、アーケイン『Arcane League of Legends(Original Score From Act 1 of The Animated Series)』です。

劇中との違いも面白い大ヒット作品のサントラ

V.A.『Arcane League of Legends(Soundtrack from the Animated Series)』

V.A.『Arcane League of Legends(Soundtrack from the Animated Series)』

アーケイン『Arcane League of Legends(Original Score From Act 1 of The Animated Series)』

アーケイン『Arcane League of Legends(Original Score From Act 1 of The Animated Series)』

 世界的大ヒット・ゲーム『リーグ・オブ・レジェンド(LoL)』に基づくNetflixのアニメ『アーケイン』。昨年末に配信されたばかりだが既に続編も期待されており、内容もさることながらサントラがまた良い。イマジン・ドラゴンズによるオープニング曲のM⑤「Enemy feat. J.I.D.」は、オーケストラ仕様のオープニングとは若干異なり特別感がある。才能ある若いアーティストが多く起用されており、映像のパンク的なコンセプトにUKの女性デュオ、ボーンズUKのエレクトリックでパンク色が強い楽曲が映える。甲高い声が魅力のギズルは、僕が好きなラッパーのデンゼル・カリーと見事に絡んでいる。日本からはMIYAVIが疾走感あふれるロッキンなギターで、エレクトロ・デュオのパリスとともに戦闘シーンを盛り上げている。このシーンの音はMAで映像に寄せた音に改良されるなど、先述したM⑤含め完全にアルバム仕様になっている部分も多く、違いを探すのも面白い。

 またプシャ・Tとの楽曲で連名のMAKOことアレックス・シーバーは、EDM界では知らぬ人は居ない存在。多数の楽器演奏やオーケストラの指揮者もこなし、オリンピック関連の音楽にもかかわるなど多彩な才能を持つ。ジャズ界の貴公子エリック・アレキサンダーと共に、劇伴サントラの作曲を担当。オーケストラ・サウンド以外にも、コンセプト通りのエレクトリックな部分やパンキッシュな要素も随所にあるので、そちらも併せてアニメ同様に楽しんでもらいたい。

今本 修

【Profile】DOGLUS MUSIK主宰。クラブ・ミュージックを熟知した音作りに定評がある一方、ロックの分野でも手腕を発揮するエンジニア