チョモ(どんぐりず)〜Kompleteを触っていると1日があっという間です|Komplete ユーザー・インタビュー

チョモ(どんぐりず)〜Kompleteを触っていると1日があっという間です|NATIVE INSTRUMENTS ユーザー・インタビュー

NATIVE INSTRUMENTS製品を愛用するプロ・クリエイターのコメントとともに、現在発売中のラインナップを一挙に紹介! 群馬県桐生市を拠点に活動するどんぐりずは、多彩な音楽性を取り込んだダンス・ミュージックが、若者を中心に絶大な支持を集めている。本稿ではトラック・メイクを担うチョモ(上の写真右)に、Kompleteを使い始めたきっかけからお気に入りの音源まで詳しく聞いていこう。

Kompleteを使うようになって選択肢が増えた

 「3年ほど前にMIDIキーボードが欲しくなり、画面も付いていてかっこいいなと思いKomplete Kontrol S61 MK2を買ったところ、バンドルとしてKomplete Selectが付属していたんです」と語るチョモ。それまでは、制作においてあまりソフト音源などを用いていなかったそうだ。

 「僕自身、楽器からスタートしたこともあり、ソフト音源をバリバリ使いこなしたりしていたわけではなかったので、本当にいろいろ使いはじめるきっかけになりました。Komplete Selectを使うようになって選択肢はかなり増えたかなと。今はKomplete Standardにアップグレードしています」

 中でもお気に入りがKontaktのエレピ音源、Scarbee Mark Ⅰで、さまざまな楽曲で使用しているそうだ。

 「去年リリースした「Lucky Police Day」や「Don't Judge Me」のエレピもScarbee Mark Iです。イメージを膨らませるときに使う最初の楽器という面も大きくて、デフォルトのドライな音色が好みですね。“Dinner 4-2”というコーラスとリバーブがかかったプリセットも気分が上がります。ディストーションをかけてみても面白いですよ」

Scarbee Mark I(Komplete 14 Select以上に収録)

Scarbee Mark I

Kontaktのエレクトリック・ピアノ音源で、1970年代を代表する機種のサウンドをサンプリング。リバーブやディレイのほか、コーラス、オートワウ、パン、ディストーションといったエフェクトも搭載している

 そのほかに、Massiveを「何でもできるシンセ」、Monarkを「シンプルに太さを感じられる音色なので、どんな曲でも当てやすい」と評するチョモ。それぞれの音源に共通したイメージもあるとのことだ。

 「Kompleteのサウンドの雰囲気って、ポップで明るいなという印象があります。ユーザー・インターフェースもかわいいので、使っていて楽しさを感じられるんです

 チョモが主にKompleteを使用した楽曲として、群馬テレビのバラエティ番組『ダイアンのガチで!ごめんやす』のテーマ曲、「ごめんやすのテーマ」を例に挙げる。

 

 

 「この曲はまずドラムをマイク2本で録ってみたんですが、それがちゃっちくて、ごまかす方向でいろいろ詰め込んでいこうと(笑)。ちょうどその頃にKomplete Standardにアップグレードしていて、どの音源も新鮮なのでいろいろとディグっていました。エレピはKontakt音源のPlay Series、Ignition Keysで、リードっぽいベースはMassive Xです。あとはPlay SeriesのSoul Sessionsのほか、ボーカルのリバーブにRaum、ディレイにReplikaを使いました」

 Replikaは先述した「Don't Judge Me」でも用いているそうで、その性能を高く評価している。

 「Delay Modeという機能があって、イントロのアルペジオのフレーズではDiffusionというモードにしていました。ディレイとリバーブが一体化したような……Amountが0%だとディレイに、100%だとリバーブに特化して、その割合で音を作る感じです。あとはSizeノブを調節すると空間がギュッと縮まるような音に加工できます」

Ignition Keys(Komplete 14 Standard以上に収録)

Ignition Keys

ジャンルごとなどに音色をまとめてパッケージした、Kontakt Play Seriesの音源で、AとBの2つのサウンドをレイヤーして音作りが可能。Ignition Keysには、ポップスの制作に最適という150種類以上のキーボードが収録されている

目標のサウンドに近付けられる検索機能

 一押しのエフェクトとしては、アンプ・シミュレーター/マルチエフェクトのGuitar Rig 6 Proをピックアップする。

 「ギターやベースはもちろん、いろいろなパートに使えます。プリセットとして用意されているラックが、複雑に幾つものエフェクトが組み合わさっているものばかりで面白いですが、単体のエフェクトだとTape Echoが好みですね。EQとフィードバックにオートメーションを書いて、ダブっぽいループ感を演出するのが好きなんです」

Guitar Rig 6 Pro(Komplete 14 Standard以上に収録)

Guitar Rig 6 Pro

アンプやエフェクトを好みの組み合わせで使用できるアンプ・シミュレーター/マルチエフェクト。画像のTape Echoはチョモお気に入りのエフェクトで、「Tape Echoを使うためだけにGuitar Rig 6を立ち上げることもあります」と語る

 取材中のチョモの言葉からは、楽しみながらKompleteを使っているように感じられたのが印象的だった。

 「これも使えるかもと触って遊んでいると、あっという間に1日が終わっちゃいます。だからこそ、何がしたいのかが見えていないと迷いの旅に出てしまう。それを防ぐために、ジャンルやパートなどから検索できる機能も付いているのかと思います。触っているだけで本当に楽しいですからね」

 Recent Work 
『Lucky Police Day』
どんぐりず
ビクター/CONNECTUNE

【Profile】森(ラッパー)、チョモ(トラック・メイカー、プロデューサー)の2人組。ウィットにあふれるグルーブとディープなサウンドで中毒者を続出させている

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