V1-M / P1-M / P1-Nano〜iCON Pro Audioから登場した多機能DAWコントローラー

V1-M / P1-M / P1-Nano〜iCON Pro Audioから登場した多機能DAWコントローラー

DAW環境のクリエイティビティを加速するカスタマイズ性に富んだ3モデル

日本国内において多彩なコントローラー製品を展開しているiCONから、新たなDAWコントローラー3機種が登場した。1フェーダーのコンパクトなモデル、P1-Nanoとオプションの拡張ディスプレイD5については2024年1月号の本誌にていち早くレビューしているが、続けて発売されたのが、9本のモーターフェーダーとメーターブリッジを備えたV1-M、そして8本のモーターフェーダーを備えたP1-Mだ。それぞれ拡張ユニットのV1-XとP1-Xも用意されており、P1-MとP1-Xにはオプションで拡張ディスプレイのD4TとD4も装着できる。これらのモデルで共通する特徴は、タッチスクリーンディスプレイを搭載し、DAWのさまざまなコマンドをアサイン可能である点。しかも、3種類のDAWをボタン一つで切り替えることもできる。本稿ではV1-MとP1-Mのレビューをお届けするとともに、iCONへのインタビューも敢行。DAWワークフローを効率化したい方、フィジカルな音楽制作を模索しているクリエイターの方は必見だ。

Photo:Hiroki Obara(メイン画像、Nagie氏

PART 1|V1-M & P1-Mレビュー

特筆すべきはタッチスクリーンディスプレイ 指先一つでショートカットを実行可能

まずは新発売のV1-M/P1-Mのレビューをお届けしよう。チェックしていただいたのはiCON Pro Audioのコントローラーを愛用しているというエンジニアで作編曲家のNagie氏だ。なお、フェーダー数は異なるもののタッチスクリーンディスプレイをはじめ、多くの機能はP1-Nanoでも共通しているので参考にしてほしい。またスペックや対応DAWに関しては、ページ最後にまとめたので、そちらもご確認いただきたい。

Nagie

Nagie
レコーディングエンジニア/プログラマー/作編曲家。aikamachi+nagie、ANANT-GARDE EYESとしても活躍している。近年は藤倉大などの現代音楽界での録音やカンザキイオリのアルバムなどを手掛けている。

3種類のDAWを切り替えて使用可能

 昨今、DAW環境はコンピューターディスプレイの大画面化などにより、その情報量と操作性は一昔前と比べて格段に向上しました。それでも、DAWコントローラーには、主に以下のようなメリットがあり、作業効率をグンとアップさせることができます。

  1. 複数チャンネルの同時操作
  2. コンピューター用キーボードやマウス/トラックボールとDAWコントローラーの両方からのアクセス
  3. フェーダーによる繊細な操作と優れたリアルタイム性

 本稿で紹介するV1-MとP1-Mは、上記だけでなく、タッチスクリーンディスプレイ(以下、タッチスクリーン)により、コンピューターのキーボード操作をボタン一発で実行することも可能。より便利に進化したDAWコントローラーです。

V1-M|価格:116,600円

V1-M(価格:116,600円)

P1-M|価格:66,000円

P1-M(価格:66,000円)

 では、両機のスペックからみていきます。V1-M/P1-Mには同仕様の部分も多いので、基本的には共通項目を紹介しつつ、相違点に関しては適宜補足していきましょう。

 まずV1-M/P1-Mは、DAWコントローラーのプロトコルとしてMackie ControlとHUIをサポートしています。主要なDAWのほとんどに対応していると考えてよいでしょう。本ページ最後の対応表を確認してみてください。

 次に、DAWコントローラーに欠かせないフェーダーですが、両機とも12ビット(4,096段階)の解像度を持つ100mm長のモーターフェーダーでタッチセンシティブ対応です。V1-Mは9本、P1-Mは8本搭載され、V1-Mの右端のフェーダーは基本的にマスターチャンネル用となっています(カスタマイズ可能。DAWの仕様によります)。各チャンネルにはプッシュ操作も可能なロータリーエンコーダーと録音/ソロ/ミュート/セレクトの各ボタンも用意されています。

 本体右側には、ジョグホイールやトランスポートコントロールのほか、ズーム、ナビゲーション(DAW画面内の移動)、オートメーション、バンクセレクト(8ch単位でのチャンネル移動)などの自照式ボタンが並んでいます。

 このセクションで特筆すべきは、上半分を占めるタッチスクリーンです(写真❶)。V1-Mは4×6の24個、P1-Mは4×4の16個のタッチスクリーンが並んでいて、指で触れればさまざまな機能を実行できます。詳細は後述しましょう。

V1-Mのタッチスクリーンディスプレイ

写真❶ V1-Mのタッチスクリーンディスプレイ。4×6のボタンが並び、指先1つで表示されている機能を実行できる。右上の“Function Layer”で5レイヤーを切り替えることができるため、合計で120ものコマンドを登録可能。左上の“DAW”ボタンでは、コントロールするDAWを3種類登録して選択できる。DAWの登録は無償ダウンロード可能なソフト、iMAPで行う

 そのほか、3種類のDAWを登録しておいて、設定を瞬時に切り替えられるDAWボタンも装備。複数のDAWを駆使されている方には便利な機能です。

 オプションとして、V1-Mには8chのフェーダーを追加できるV1-Xが、P1-Mにも8chのフェーダーを追加できるP1-Xが用意されています。さらに、P1-M用拡張ディスプレイD4TとP1-X用拡張ディスプレイD4もラインナップ。

V1-X

V1-X|V1-Mの拡張ユニット(価格:91,300円)

P1-X

P1-X|P1-Mの拡張ユニット(価格:53,900円)

D4T

D4T|P1-Mの拡張ディスプレイ(価格:23,100円)

D4

D4|P1-Xの拡張ディスプレイ(価格:19,800円)

 V1-X/P1-Xを使用すると最大で64chまで拡張できますが、コントロール可能なチャンネル数はDAWに依存します。また、P1-MとP1-XにD4TとD4を装着すれば、各チャンネルの名前やパン/AUXなどの情報のほか、マスター部にはソングポジションやSMPTEを表示するカウンターも表示されます。なお、V1-M/V1-Xは本体にこれらの表示が一体化した仕様です。

 コンピューターとの接続はUSB 3.0をサポート。USB-AとUSB-Cの端子を持つケーブルおよびUSB-AからUSB-Cへ変換するアダプターが付属しています。

タッチスクリーンで快適な環境作りが可能

 ここからは特に注目の機能を紹介していきましょう。まずは前述したタッチスクリーンから。軽くタッチすればコピーやペースト、保存といったコンピューターの基本動作から、ナッジやミキサー画面を開くといったようなDAWの機能、さらにはMIDIコントールまで行えます。しかも、5レイヤー構成となっていてボタンで切り替えて使用できるので、V1-Mで120、P1-Mで80の操作を行えます。両製品とも各DAWに対応したプリセットが用意されているのも便利です。

 さらに、無償ダウンロード可能なソフトウェアiMapを使うと、タッチスクリーンの機能をカスタマイズできます。これは本稿で最もアピールしたい点です。DAW固有のショートカットを自由にカスタマイズできる“FUNCTION”、Mackie ControlプロトコルのMIDIを変更する“MIDI”、さらにDAWを起動しなくてもコンピューター全体のショートカットキーを登録できる“HOTKEY”という3つのモードが用意されています。例えば、1つのタッチスクリーンにControl+Xのようなコンピューターのキー操作を登録できるのです。DAWが起動していない状態でも機能するため、このパネルを常時表示して、DAW以外のアプリでのショートカットキーにも使用できます。これは意外にすごいことです。

 では実際にカスタマイズして使用してみましょう。使用するDAWはsteinberg Cubaseです。iMapを起動すると、フェーダーやボタンなどの画像が表示され、アサインされている機能も明示されています。また、初回の起動時にはDAWボタンに使用するDAWを割り当てます(画面❶)。これはメニューから選ぶだけなので簡単です。次にDAWを起動して、DAW側でV1-M/P1-Mを使用する設定を行います。マニュアルには日本語で各DAWの設定が丁寧に書いてあるので、それに従えば完了です。

P1-MのiMap画面

画面❶ P1-MのiMap画面。左エリアの上段を見ると“DAW”欄に“Logic Pro”“Cubase”“Pro tools”の文字が見える。これら3種のDAWの割り当てはメニューから選ぶだけでOK。これでP1-M本体のDAWボタンで切り替えて使用できる

 CubaseとV1-M/P1-Mを接続できたら、iMap画面上部のBUTTON FUNCTIONSタブをクリックします。するとタッチスクリーンにアサインされている機能が表示されます(画面❷)。5色の枠に囲まれたエリアに分かれていますが、これはV1-M/P1-M上の5つの切り替えボタンと対応しています。そして右側のFUNCTIONタブをクリックすると、さまざまな機能が表示されます。ここで機能を選びタッチスクリーンに設定することができます。

BUTTON FUNCTIONSタブ(画面上部のオレンジのタブ)を表示した状態

画面❷ BUTTON FUNCTIONSタブ(画面上部のオレンジのタブ)を表示した状態。左エリアにタッチスクリーンのアサイン状況が表示され、右エリアにはCubaseの機能が並ぶ。グレー表示はタッチスクリーンにアサイン済み、白表示はそれ以外だ。任意のタッチスクリーンをクリックして、右エリアで機能をクリックすればアサインは完了する

 各タッチスクリーンに設定されている機能の中には、“これはあまり使わないな”という機能もあるでしょう。筆者は赤枠のレイヤーのプリセットに使用しないものが多かったので、ここをカスタマイズすることにしました。まずは、右側上部のHOTKEYタブをクリックして、テンキーの1(左ロケーターにジャンプ)や2(範囲選択ツール)を割り当て、左右のカーソルに“ソングポジションを移動”を割り当てました。さらに、“左右ロケーターを選択範囲に設定”というショートカットのPキーを割り当てたり、“1小節戻る”“1小節進める”も割り当てました(画面❸)。これだけでも非常に快適ですが、アイディア次第でもっとできそうです。

筆者がタッチスクリーンの機能を変更した様子

画面❸ 筆者がタッチスクリーンの機能を変更した様子。左下の赤枠のレイヤーをエディットしており、画面②と比べると一番下の列が変更されているのがわかる。さらに、下から2番目の列の右端のタッチスクリーンを選択して、右エリア上部でHOTKEYタブを選び、Pキーを登録している。これは“左右ロケーターを選択範囲に設定”というショートカットキーだ

0.1dB単位の調整も楽に行えるフェーダー

 では実機に戻って操作感も確認してみましょう。ちなみに僕の理想は右手で常にトラックボールを握り、左手はコンピューターキーボード、V1-M/P1-Mは左手の届く範囲に置くという配置です。テンキーを使用するショートカットキーをタッチスクリーンに割り当てれば、左手をコンピューターキーボードへ無理に伸ばす必要がなくなりますし、テンキーのないノートパソコンでの使用も効率化できます。

 まず、フェーダーは両機種とも共通で動きは滑らかです。0.1dB単位の細かな調整も難なくこなせます。プロスタジオにあるどのフェーダーにも引けをとりません。豊富なボタン類も両機種の特長ですが、注目はジョグホイールの右側にあるFocusボタン(写真❷)。DAW上でプラグインを開き、好きなパラメーター上にカーソルを置いてこのボタンを押すと、ジョグホイールでパラメーターを操作できます。例えば、シンセのフィルターノブの上にカーソルを持っていき、Focusボタンを押せば、マウスよりも繊細に数値変更が行えるのです。当然オートメーションも記録できます。

P1-Mのトップパネル

写真❷ P1-Mのトップパネル。ジョグホイールの右にあるFocusボタンを押すと、マウスカーソルが位置するパラメーターをジョグホイールで調整できる。またジョグホイールの上側にはトランスポート系のボタン、その上はオートメーション関連で、さらにその上はチャンネル移動やフリップなどを用意。右側にはズーム、左側にはナビゲーション系のボタンを搭載

 また、P1-M/P1-Xは拡張ディスプレイのD4T/D4があるとより便利になると思いました。V1-M/V1-Xでは本体上の各チャンネルでトラック名が表示されますが、P1-M/P1-Xにはそれがなく、D4T/D4を装着することで、それらの表示を実現できます。やはり、チャンネルを移動した際にトラック名の表示がないと少し迷いが生じるのは事実です。若干ネガティブなことを書きましたが、個人的にはP1-Mが最優先で購入を検討したいモデル。ライブに持っていける大きさが気に入りました。ライブでDAWを操作するときに、マウスでは面倒なことが多々あります。フェーダーで複数チャンネルを一度にグッと下げる際はコントローラーがあると便利ですし、モーターフェーダーなので、バンクを切り替えてもボリュームのジャンプが起きません。そういった即時性に対応していて、なおかつタッチスクリーンも使えるなんて夢のようです。

P1-Mをチェック中の筆者(DAWはsteinberg Cubase)

P1-Mをチェック中の筆者(DAWはsteinberg Cubase)。フェーダーを操作しながら、タッチスクリーンでさまざまなコマンドを実行できる

 次にV1-Mを見ていきましょう。P1-Mよりも二回りくらい大きい印象で高級そのもの。メーターブリッジが一体化しているのも良いですね。スタジオのセンターに鎮座するにふさわしい外観と言えるでしょう。ボタンや操作子も大きいので安心して使えます。加えて、このジョグホイール。思わず“オーマイガー”と言いたくなるほど使いやすいです。P1-MやP1-Nanoよりも大きいのでつかみやすく、動きも非常に滑らか。プロ機としての貫禄を感じます。

 このV1-Mは商業スタジオにも置いてもらえると便利だと思いました。筆者が歌のレコーディングを行う際、DAWの操作はほとんどアシスタントエンジニアの方が行ってくれます。逆に言えば、アシスタントエンジニアの方がコンピューターを占有することになるので、“ちょっとギターを下げたいな”と思っても、自分ですぐにはできないことがしばしば。そんなときにV1-Mがあれば、さっと手を伸ばして歌を録りながらオケのバランス調整を勝手に行えます。

V1-Mをチェック中の筆者(DAWはApple Logic Pro)

V1-Mをチェック中の筆者(DAWはApple Logic Pro)。両手でフェーダー操作できるのはDAWコントローラーの醍醐味のひとつ

 2024年1月号の本誌でレビューしたP1-Nanoは、コンパクトな自宅制作環境にマッチしていますし、P1-Mはより本格的にミックスなどを行いたい方やライブで使いたい方に適しています。そしてV1-Mは商業スタジオでも活躍してくれるでしょう。実機の高級感ある作りと機能から考えると最高にコストパフォーマンスの良い製品ではないかと思いました。機会があれば楽器店などでぜひチェックしてみてください。きっと、びっくりすると思いますよ。

PART 2|iCONインタビュー

皆さんがグローバルなステージで活躍するためのエッセンシャルなツールを提供することが我々のミッション

ここではiCON Pro Audioの国際マーケティング部門ディレクター、ナディア・オモウェル氏に行ったインタビューを紹介しよう。iCONという会社について、そしてもちろん、V1-M/P1-M/P1-Nanoの特徴について語っていただいた。

インタビューに応じていただいたiCONの国際マーケティング部門ディレクター、ナディア・オモウェル氏

インタビューに応じていただいたiCONの国際マーケティング部門ディレクター、ナディア・オモウェル氏

ユーザーの声からタッチスクリーンディスプレイが誕生

●まずはiCON Pro Audioのバックボーンについて教えてください。会社はいつごろ、どのような形で創業されたのでしょうか?

●1997年に香港、アメリカ、ドイツの音楽業界のベテランたちによって設立されました。現在のCEOはクリス・ウォンで、本社は香港にあります。

●iCON Pro Audioの開発理念を教えていただけますか?

●会社設立時に私たちが目指したのは、全ミュージシャンにとって購入可能な価格帯でありながらも、ハイクオリティな音響機器を提供することでした。ですから製品開発において重視したのは、革新的な製品であると同時に、幅広いユーザーがアクセスしやすい価格に抑えることだったんです。

●それは見事に成功したわけですね。今回リリースされたV1-M、P1-M、P1-Nano(写真❶❷)はいずれも素晴らしいコンセプトのDAWコントローラーだと思います。特にタッチスクリーンディスプレイが秀逸ですね。どのような使われ方を想定して開発されたのでしょうか?

P1-Nano(30,800円)

写真❶ P1-Nano(30,800円)は、1フェーダーながら、タッチスクリーンはP1-Mと同じく4×4/5レイヤー仕様だ

P1-Nano用拡張ディスプレイのD5(18,700円)

写真❷ P1-Nano用拡張ディスプレイのD5(18,700円)

●私たちの元には、これまでリリースしてきたDAWコントローラーのユーザーたちから、さまざまな声が寄せられています。その中でもユーザーによるカスタマイズに関する要望が多くありました。こうしたフィードバックに対してレスポンスするべく、カスタマイズ可能でMIDIコマンドを含む5つのレイヤーまで備えた最新のタッチスクリーンディスプレイを提供することにしたのです。その結果、ユーザーはDAWの種類に関係なく、各自のワークフローに対してコマンドを最適化できるようになりました。

●ジョグホイール周辺にはボタンが豊富に用意されていますね。なぜ、ここまでの数のボタンを搭載したのでしょう?

●私たちのDAWコントローラーにおける新機軸の一つがジョグホイールです。このジョグホイールは各ボタンと組み合わせることで、DAWのパラメーターやプラグインの設定、さらにはナビゲーション機能やズームといった操作まで可能としています。これらの作業スピードを高めるために、豊富なボタン群を用意しジョグホイール付近に配置しました。

DAW切り替えは再起動要らず

●フェーダーは従来製品と同様に、適度な重みと滑らかさでとても操作しやすいですね。どのような要素を重視して開発されたのですか?

●フェーダーに関しては、ご指摘の通りタッチ感や重量を意識して開発しています。またフェーダーの解像度については、従来の10ビットから12ビットに変更しました。これにより操作中の精度も向上しています。

●3種類のDAWを切り替えられるようになっているのもユニークです。なぜこのような機能を付けたのですか?

●作業効率をアップするためです。我々のエンジニアが、コンピューター内でMIDIポートを切り替える方法を考案したのですが、そのおかげでDAWの切り替えをコンピューターやDAWコントローラーの再起動なしに実現できるようになりました。例えば、あるDAWでプログラミングを行い、別のDAWでレコーディングし、さらに別のDAWでミックスするといったことを電源を切らずに実行できるのです。

●ほかにも多彩な機能がV1-M/P1-M/P1-Nanoに搭載されていますが、あえて一つ挙げるとすれば何でしょうか?

●Focusボタンですね。DAW上でマウスカーソルを任意のノブなどに置き、Focusボタンを押すとジョグホイールでそのノブを操作することが可能となります。この設計によりユーザーはDAW上のさまざまなパラメーターを自由自在にコントロールできます。

●拡張性の高さも大きな魅力と感じました。

●DAWにおける作業では、拡張性の高いDAWコントローラーシステムが必要と考えています。V1-XやP1-Xは最大で7台、64チャンネルを操作可能です。ただし、これはDAWのスペックに依存します。またP1-MやP1-Xでは、D4T/D4を使用することで、EQなどのプラグインパラメーターを表示することができます。

●V1-M、P1-M、P1-Nanoそれぞれの想定ユーザーを教えてください。

●V1-MとV1-Xの組み合わせは、大きなコンソールでの操作をエミュレートしたいと願う皆さんにお薦めです。DAWの仕様次第ではありますが、最大で64チャンネル使用可能ですし、メーターブリッジと大きなディスプレイを備えているのもメリットと言えるでしょう。P1-MとP1-Xはよりコンパクトなデザインを求める方に適した選択です。さらに、ミニマルなスペースで強力なDAWコントローラーを探し求めている方にはP1-Nanoが最適だと思います。フェーダーは1本のみとシンプルですが、タッチスクリーンディスプレイなどの充実した機能性を有しており、ラインナップ中で最もコンパクトな選択肢となっています。

●それでは、最後に日本のユーザーに向けてメッセージをお願いします。

●日本のメディア業界が持つクリエイティブなマインドや先進的なアプローチは世界的に知られています。日本から発信される独創性や創造性は本当に素晴らしいものです。我々のミッションは、そんな皆さんがグローバルなステージで活躍し続けられるように、エッセンシャルなツールを提供することです。今後もそんな製品を生み出し続けたいと考えています。

 

 SPECIFICATIONS 

V1-M
●フェーダー:9本(タッチセンス付き100mmモーターフェーダー)
●タッチスクリーンディスプレイ:24(5レイヤー)
●外形寸法:485(W)×178(H)×384.5(D)mm
●重量:5.6kg

P1-M
●フェーダー:8本(タッチセンス付き100mmモーターフェーダー)
●タッチスクリーンディスプレイ:16(5レイヤー)
●外形寸法:405(W)×61(H)×204(D)mm
●重量:1.916kg

P1-Nano
●フェーダー:1本(タッチセンス付き100mmモーターフェーダー)
●タッチスクリーンディスプレイ:16(5レイヤー)
●外形寸法:213(W)×60(H)×196(D)mm
●重量:0.896kg

共通
●対応プロトコル:Mackie Control/HUI
●対応OS:macOS 10.15以降およびWindows 10以降(クラスコンプライアント)

対応DAW

  • Ableton Live
  • Adobe Audition
  • Apple Logic Pro
  • Avid Pro Tools
  • BandLab Cakewalk
  • BITWIG Bitwig Studio
  • Cockos Reaper
  • Harrison Mixbus32C
  • Image-Line Software FL Studio
  • INTERNET ABILITY
  • MAGIX Samplitude
  • MOTU Digital Performer 11
  • PreSonus Studio One
  • Reason Studios Reason
  • steinberg Cubase
  • steinberg Nuendo
  • tracktion WAVEFORM
  • UNIVERSAL AUDIO Luna

※使用できる機能や拡張可能なチャンネル数はDAWによって異なる

製品情報

関連記事