AUSTRIAN AUDIO MiCreator Studioは、オーディオI/O内蔵でコンデンサーマイクを備えたレコーディングシステム。USB-C接続でコンピューターやスマートフォンへ直接録音することが可能だ。別売りのサテライトマイクMiCreator Satelliteを接続してのステレオ収録や、ラベリアマイクMiCreator Y-Lavでの収音にも対応する。今回は、MiCreator StudioとMiCreator SatelliteをシンガーソングライターのTHE CHARM PARKがテスト。アコースティックギター&ボーカル録音の所感はいかに?
撮影:小原啓樹
スマートフォンで録音するときのラフな気持ちで歌えて音がしっかり録れるので楽しい
自立式のためスタンドに立てなくてもすぐに録れる
今回は、アコギ弾き語りでのデモ作りを想定してテストを行いました。まずはMiCreator Studio単体でモノラル録音してみたところ、プロセッシングしなくても無駄な音が気にならず、デジタルっぽくなりすぎない温かみのある音なので、第一印象で“これは使える”と思いましたね。
MiCreator Studioは程良い重みがあるフルメタルのボディなので、扱いに気を遣いすぎなくて良さそうな心強さがあります。重みがあると言っても370gなので、ほかのオーディオI/Oとマイクを併せて運ぶより軽く、ポケットサイズでどこでも持ち運べそうです。
底にマイクスタンド用のネジ穴もありますが、本体は自立しますし、カプセルヘッドの角度も変えられるので、インスピレーションが湧いたときにセッティングの手間なくすぐに録れます。好きな場所に動かして使えるのもうれしいです。
ゲインの切り替えで細かいニュアンスまで収音
次にMiCreator StudioとMiCreator Satelliteを使って、ギターと歌を同時にステレオ録音しました。Apple iPhoneにつないで楽曲制作アプリに録音したところ、普段iPhoneの内蔵マイクで録音するときのようなラフな気持ちで歌えているのに音がしっかり録れるのが楽しかったです。
僕は大きい声で歌うタイプではないので、マイクゲインのスイッチを20dBブーストする“high”にしたら奇麗に録れました。あまり処理しなくても良い音質で、細かいニュアンスまで録れましたね。音を作り込みたい人は0dBの“low”モードで録って後処理するのもいいかもしれません。ギターはhighにすると余韻が広がり、lowだと余裕がある音になる気がしました。
ゲインスイッチには“mute”もあって、本体背面のout端子からダイレクトモニターをしている場合、すぐミュートできるので、プレイバックにも便利です。
コンデンサーマイクとオーディオインターフェースが1台にまとまっているMiCreator Studioは、コンピューターかスマートフォンがあれば何でも録音できるので、初心者にも親切だと思います。ステレオマイクを持っていない人も、MiCreator Satelliteがあればステレオ録音できるので可能性が広がりますね。音楽に限らず、SNSのライブ配信でもスマートフォン内蔵マイクより良い音で録れそうですし、MiCreator Satelliteを使えば2人でポッドキャストも収録できるので、いろいろな人が使えるように考えられた機材だと思いました。