数分でアンプやエフェクターの特性を再現するIK MULTIMEDIA AmpliTube ToneX

　IK MULTIMEDIAは、人工知能を使用したマシン・モデリングの新技術AI Machine Modelingを使い、ギター・アンプ＆キャビネットやディストーション、EQ、ブースターなどのエフェクターを実機とほとんど区別のつかないレベルで再現するAmpliTube ToneXシステムを発表した。発売は９月を予定し、予約特典イントロ価格での予約をスタートしている。

　Mac/WindowsソフトウェアのToneX、iOSアプリ版ToneX、オンライン・プラットフォームToneNETでのモデリング情報の共有、機材のTone Modelキャプチャー用ハードウェアから構成。素のギターやベースの音と、それをアンプやエフェクターから出力した音を比較することで、わずか数分でアンプやエフェクターの特性をソフトウェア上で再現できるという。

ToneXソフトウェア＆アプリ

　ToneXソフトウェア（Mac/Windows対応）は、AI Machine Modeling技術により、アンプ、キャビネット、コンボ、エフェクト・ペダル（ファズ、ディストーション、オーバードライブ、EQ、ブースターなど）の特性をTone Modelとしてキャプチャー。Tone Modelは同社のギター／ベース・エフェクト＆アンプ・モデリング・ソフトAmpliTubeにてギア・モデルとして使用できる。スタンドアローンもしくはAU/AAX/VSTプラグインとして動作する。

　ソフトはTone Modelをキャプチャーして生成するModelerと、Tone Modelを検索したりサウンドのカスタマイズが行えるPlayerという２つのセクションで構成。PlayerにはEQ、ノイズゲート、プリ／ポストが選択可能なコンプレッサー、デプス、プレゼンス・コントロールに加え、高品質なリバーブ、VIR（キャビネットごとに複数のIRを持つ同社独自の技術）が搭載されている。Tone Modelとして取り込まれたアンプとキャビネットを分離することもできるため、独自のIRを試したり、IKのVIRテクノロジーを使ったバーチャル・キャビネットやIRも使用可能。Tone Modelのプリセットに保存することができる。

　またiOS版アプリにはMac/Windows版と同じPlayerセクションを装備。Mac/Windows版のTone Modelライブラリーは同期するため、自身のTone Modelコレクションを自宅やスタジオではない場所でも手軽に扱うことができる。

　さらに、IK Multimediaのオンライン・トーン・シェアリング・ソーシャル・プラットフォームToneNET (www.tone.net) にもToneXソフトウェア／アプリからアクセス可能。ToneNETではAmpliTube 5プリセット集に加え、ToneXのTone Modelも共有可能に。ToneNETでは、1,000種類以上のTone Modelをダウンロードできる（所有バージョンに含まれていないPremium Tone Modelも試奏可能）。

ToneX Capture〜Tone Model収録用リアンプ＆ロード・ボックス

　ToneXでのTone Modelは、コンピューター（Apple Silicon搭載Macなど最新のものを推奨）、オーディオ・インターフェース、リアンプ・ボックスがあれば、自分でキャプチャー可能。同社Axe I/Oシリーズなど、リアンプ機能を搭載するオーディオ・インターフェースはより便利に使用できる。

　またマイクを使わずに、パワーアンプの出力信号を直接キャプチャーしたい場合のために、オールインワンのトーン・モデリング・システム、ToneX Captureもリリースされる。オーディオ・インターフェースとアンプ（キャビネットへの出力）の間に接続すれば、アンプの出力信号をアッテネートしてバランス（XLR）信号に変換することで、アンプのリアルなトーンをそのままキャプチャー可能となる。