音楽制作会社のラダ・プロダクションが6月上旬、東京都港区南青山の本社に新たなスタジオを設立する。名称は山麓丸(サンロクマル)スタジオ。ソニーの新たな立体音響技術=360 Reality Audio(サンロクマル・リアリティ・オーディオ。以下360RA)でのプロダクションに対応し、コンテンツ制作を開始するという。
スタジオ顧問として、大滝詠一『A LONG VACATION』や山下達郎『FOR YOU』など名作の数々を手掛けてきたエンジニア、吉田保氏が参画するほか、ソニーホームエンタテイメント&サウンド、ジェネレックジャパン、シンタックスジャパン、エムアイセブンジャパン、メディア・インテグレーションが技術協力。モニター・スピーカーはGENELEC The Onesシリーズの8331Aを採用し、360°立体音響空間での適切なモニタリング環境を実現するという。
またスムーズなコンテンツ制作のために、機材ルーティングを工夫しプロセッシングを効率化。360RA対応作品のレコーディング/ミックスを軸に、体験型コンテンツやライブ映像配信なども視野に入れ、活動を展開する。
スタジオのローンチに先駆けて、ラダ・プロダクションは東京藝術大学 音楽環境創造科の教授、亀川徹氏との共同研究プロジェクトを敢行。その一環として新レーベルpanorama noteを設立し、吉田保氏がエンジニアリングを手掛ける360RA対応の新録クラシック作品『Yoshida Tamotsu Classic』シリーズをリリースする。
第1弾は、モーツァルト「クラリネット五重奏曲」を360RAコンテンツとして提供する『Yoshida Tamotsu Classic / Composition I』。4月16日に配信でリリースされる予定だ。また第2弾も制作中で、楽曲はスティーヴ・ライヒ「マレット・クァルテット」。クラシック音楽の表現に新たな息吹が宿るかもしれない。
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