ソニーは、360 Reality Audio（サンロクマル・リアリティ・オーディオ）の国内への本格導入を発表した。
360 Reality Audioは、ソニーのオブジェクト・ベースの立体音響技術で、“アーティストがライブ演奏をする場に入り込んだかのような、臨場感豊かな音場を実現する新たな音楽体験”としている。ボーカル、コーラス、楽器などの音に距離や角度などの位置情報を付け、全方位に配置することが可能。コンテンツの再生時には、制作意図が反映された、360°すべての方向から音が届く体験を楽しめる。
ソニーは、2019年の欧米での展開を皮切りに360 Reality Audio のエコ・システムの形成に着手。このたび日本での導入については、以下がポイントとなっている。
邦楽を含めた配信楽曲の拡充
既に配信を開始しているAmazon Music HD に加え、4月16日より、新たにDeezer、nugs.net（洋楽のみ）といったストリーミング・サービスから360 Reality Audio楽曲の配信を開始。ポニーキャニオンやワーナーミュージック、ソニー・ミュージックレーベルズなどの国内レーベルと連携し、大滝詠一や私立恵比寿中学、Doul、Little Glee Monster、鬼頭明里、森高千里など邦楽アーティストの楽曲を含めた4,000曲以上の360 Reality Audio対応コンテンツが配信される。
360 Reality Audio対応した再生機器の拡充
360 Reality Audioは、特別なシステムが無くてもヘッドフォンでその音場再現が可能だが、より良い環境で楽しめるために、スマートフォンやウォークマン、ヘッドフォン、スピーカーに再生可能機器を拡充。Deezerとnugs.netから配信される対応コンテンツは、スマートフォン（Android/iOS）、もしくはウォークマン（NW-ZX500シリーズ、NW-A100シリーズ）で再生できる。
なお、ソニーの認定ヘッドフォン（現在33機種）であれば、対応アプリSony | Headphones Connectを使って耳の画像を撮影することで、聴感特性を解析。音場を一人ひとりに最適化し、より没入感のある音楽体験を実現する。
また、4月16日には360 Reality Audio対応のワイアレス・スピーカー、SRS-RA5000（オープン・プライス：ソニーストア価格66,000円／税込）とSRS-RA3000（オープン・プライス：ソニーストア価格36,300円／税込）が発売予定。複数のスピーカーユニットを用いた全方位スピーカー・システムで、臨場感豊かな音場が手軽に楽しめる。これらはAmazon Music HD、Deezer（今夏対応予定）、nugs.netから配信される360 Reality Audio再生に対応する。
制作環境の整備
VIRTUAL SONICSとの共同開発による360 Reality Audio制作用プラグイン、360 Reality Audio Creative Suiteが、同社子会社AUDIO FUTURESより４月にダウンロード発売予定。Mac/Windows対応でAAX/VST3プラグインとして動作する。対応DAWは現在のところAVID Pro Tools、ABLETON Live、STEINBERG Cubase/Nuendo、COCKOS Reaper。
技術ライセンスの提供拡大
ソニーでは、360 Reality Audioに関するオーディオ機器メーカーへ開発、ヘッドフォンの個人最適化に関する独自技術、スマートフォン本体内蔵スピーカーでの再生／関連技術に関するライセンスを提供していく予定。
既にライセンス提供されている製品としては、AMAZON Echo Studioがある（Amazon Music HDに対応）。また今秋には認定ヘッドフォンがAUDIO-TECHNICA、RADIUSから発売予定だ。
「360 Reality Audio」認定ヘッドホン、今秋より発売予定（オーディオテクニカ）
⽴体的な⾳場を実現する ソニーの⽴体⾳響技術を活⽤した⾳楽体験 「360 Reality Audio(サンロクマル・リアリティオーディオ)」の 認定ヘッドホンを発表（ラディウス）
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