トラックメイカーのYebisu303がTEENAGE ENGINEERING OP-1 fieldの魅力を伝える20日間。DAY5はOP-1から引き継がれたシンセエンジンについて紹介します!
シンセエンジンのほとんどがステレオ化。UIも一新!
OP-1からOP-1 fieldへ引き継がれたシンセエンジンは、高解像度化したディスプレイに合わせてUIが一新!さらにその大部分がステレオに対応しました。ここではオススメなシンセエンジンを2つピックアップします。
cluster(ステレオに対応)
チェーンされたオシレーターを最大6つまで鳴らすことができるシンセエンジンです。
エンコーダーを使ってWAVES(オシレーターの数)、WAVE ENV(フィルターエンベロープ)、SPREAD(各オシレーターのピッチにかけるLFOの量)、UNITOR(各オシレーターのピッチにかけるLFOの速さ)をコントロールできます。
パラメータの中でもWAVE ENVが特によくできていて、ストリングスやパッドのようなアタックの遅いセッティングから、アタックの効いたシンセベース向きのセッティングまで、連続的に可変させることが可能です。
WAVESを99、WAVE ENVを30、SPREADを49、UNITORを61辺りに設定して、空間系エフェクトを使いつつ、オクターブ・レンジを0から+2で弾くのがオススメです。トランス好きにはおなじみの波形Super Sawとそっくりな音色が楽しめます。
fm(ステレオに対応)
4オペレーターのFM音源のシンセエンジンです。FM音源は、一般的にエディットが難しいイメージがありますが、OP-1 fieldでは複数オペレータのレシオとレベルをワンノブでまとめて調整できるので、とても簡単に音色を作ることができます。
コントロールできるパラメーターはFM AMT.(各モジュレーターの量)、FREQ(各モジュレータのレシオ)、TOPOLOGY(アルゴリズムの種類)、DETUNE(各オシレーターのキャリアのデチューン)の4つです。
おすすめのプリセット=REPEAT
鍵盤を弾いてみると、まずベルのような音色が鳴り、ワンテンポ遅れてシタールのような音色が持ち上がってくる不思議なプリセットです。LFOページでエンベロープがFM AMT.にアサインされているので、このように時間経過に応じた複雑な音色変化も実現できてしまうんですね。
そのほかのシンセエンジン
残りのシンセエンジンも一挙紹介します!
digital(ステレオに対応)
デジタルシンセらしいエッジの効いた倍音が楽しめるシンセエンジン。おすすめのプリセットはSURFING ENVです。倍音多めのセッティングにエフェクターNITRO(フィルター)が使われていて、MOOG顔負けの太いシンセベースが鳴らせます。
dna
ノイジーなオシレーターとフィルターで構成されたシンセエンジン。音源のパラメーターにOP-1 field内部に搭載されているCPUのIDが組み込まれているため、なんと1台ずつ微妙に出音が異なっているそうです!
dr wave
80年代のビデオゲーム・ミュージックを彷彿とさせる8ビットスタイルのシンセエンジン。
dsynth
デュアルオシレーターを搭載したシンセエンジン。Shiftキーを押しながらエンコーダーを回すことで、オシレーター2のパラメータも細かく調整することができます。
phase(ステレオに対応)
名機CASIOのCZ−101で知られる、フェイズディストーション音源のシンセエンジン。
pulse(ステレオに対応)
2つの矩形波を鳴らせるシンセエンジン。
string(ステレオに対応)
弦の振る舞いをシミュレーションした物理モデリングのシンセエンジン。
voltage(ステレオに対応)
電圧と電流のイメージで操作できる、デュアルオシレーターを搭載したシンセエンジン。
Yebisu303(Acid Alliance)
【Profile】アシッドハウス、デトロイトテクノ、エレクトロ、ハードミニマルに強い感銘を受け、20代後半よりトラック制作を開始。 無類のハードウェア機材愛好家でもあり、日々マシンライブや機材デモンストレーション動画の制作を行っている。 また、近年ではKORGやSONICWARE製品のプリセットやTVアニメ「ユーレイデコ」の劇伴・イメージソングを制作するなど、その活動は多岐に渡っている。
bandcamp https://yebisu303.bandcamp.com/
YouTube https://www.youtube.com/user/Yebisu303
SoundCloud https://soundcloud.com/yebisu303
Twitter https://twitter.com/Yebisu303