サンレコが注目する3万円以上のハイグレードなボーカル用ハンドヘルド・マイク14機種をクロスレビュー! ここではAKG C636を紹介します。テストは、さまざまなイベントを行うカフェ風イベント・スペース、原宿ストロボカフェにて実施。同店でPAエンジニアを務めるハタナカミホ、そして4人組バンドのゴホウビでボーカルを担当するスージーとcodyが、インプレッションを語ります。
AKG C636
■形式:コンデンサー ■指向性:カーディオイド ■周波数特性:20Hz~20kHz ■感度:5.6mV/Pa ■インピーダンス:200Ω以下 ■ローカット・フィルター:80Hz(12dB/oct) ■外形寸法:52(φ)×186(H)mm ■重量:328g
ボーカルのモニターが聴き取りやすい、クリアで耳に痛くない高域
AKG C636は、AKG最上位のハンドヘルド型コンデンサー・マイク。カプセルは、グリル、高密度スポンジ・フィルター、マグネット着脱式メタル・フィルターの3層保護により、ノイズの影響を最小限に抑制。80Hzのローカット・フィルターも装備する。
Artist’s Impression by スージー&cody(ゴホウビ)
スージー 高域に特徴のある私の声がうまく強調されて、キラキラしていましたね。自分の声が常に聴こえてくるのでピッチが捉えやすく、バンドにも埋もれないと思います。限られたリハ時間で聴きやすいモニターにするのは、歌いやすさに直結する大切な点。パッと歌ってこれだけ奇麗に聴こえるなら、そこにストレスを感じることはなさそうです。
cody 僕もきらびやかで、クリアなマイクという印象です。自分の声は中域が芯になっていると思うんですが、より上の帯域もおいしい感じで、この聴こえ方も良いなと感じました。あと、持ったときの手触りが良くて持ちやすい。グリルが平らで歌いやすいのもお薦めポイントです。
Engineer’s Impression by ハタナカミホ(原宿ストロボカフェ)
お二人とも歌声がこもったりせず、ナチュラルに聴こえてきました。女性ボーカリストの場合、声質的にどうしても張ったときにキンキンとしやすいんですが、痛さがなくまろやかでした。codyさんの声も、中域に粒立ちが出てきて気持ち良かったです。あまり低域を必要としない男性の方はかなり使いやすいのではないでしょうか。
テストのようにオケとボーカルでやってみた感じだと、大きくEQで処理しなくてもよさそうです。コンデンサー・マイクは広い帯域を収録できるので処理が多くなることもありますが、そういう印象はなかったかなと。このマイク特有のクリアさを邪魔したくないですからね。
ゴホウビ
【Profile】男女混声豆腐メンタル4人組バンド。メンバーは、cody(写真右/vo、g)、スージー(写真左/vo、k)、405(シンゴ:b)、むんちゃ(ds、cho)。飾らないストレートなリリックと王道Jポップでありながらもジャンルにとらわれない幅広い音楽性で、柔らかく包容力のあるcodyと、唯一無二のキュートな声質のスージーの全く異質な2人の歌声から生まれる心地良いハーモニー。音楽のみならず、アート・ディレクションからMVまでメンバーが中心となり作り上げている。11月15日開催のバンド史上最大キャパとなる渋谷クアトロでのワンマン・ライブを目指す。
マイクのサウンド・チェックを行った原宿 ストロボカフェ
音楽、アート、お笑い、演劇など、さまざまなイベントを行うカフェ風イベント・スペース、原宿ストロボカフェテストにはゴホウビの楽曲「ラブシャッフル」のオケを使用し、1人ずつ順番にステージで歌唱。一部、弾き語り形式でもテストを行った。