ユニバーサル ミュージック合同会社は、原宿本社内にDolby Atmos対応の音楽制作スタジオAugusta Studioを新設した。Augusta Studioは、9.1.4chのマルチスピーカーシステムを備え、米国ハリウッドに位置する世界的なレコーディングスタジオ、Capitol Studiosと同じ再生環境を持つという。近年高まるDolby Atmosに対応した音楽制作の需要を受け、本格的な稼働を開始していく。
既に今年3月には一部運用を開始しており、男性グループのTravis Japanが『T.G.I. Friday Night』の制作を実施。同楽曲は各ストリーミングサービスで試聴可能だ。
Release
『T.G.I.Friday Night』
Travis Japan
(ユニバーサル ミュージック)
また、ユニバーサル ミュージックは5月29日(水)〜30日(木)にAugusta Studioの内覧会を開催。同スタジオの設備やDolby Atmosについての説明のほか、複数の音源をステレオとDolby Atmos環境で聴き比べるという体験会も行った。
Augusta Studioは、各モニタースピーカーを英国ブランドのPMCで統一。フロントL/RはIB2S XBD-A II、フロントCはIB2S-A Ⅱ、サブウーファーはPMC8-2 SUB、リアサラウンドL/Rはci140で、それら以外のサラウンドおよびハイトスピーカーはci65だ。なお、パッシブタイプであるci140とci65は、8chインストール用パワーアンプLinea Research 88C06で駆動。オーディオインターフェースはAVID Pro Tools | MTRX IIを導入している。
Capitol StudiosのスタジオCと同じスピーカーシステムを導入し、音響特性を測定/調整したことで同一の音響特性を再現。これにより、両スタジオで一貫したクオリティを保つことができ、スムーズな音楽制作が実現可能になったという。
複数の音源をステレオ/Dolby Atmos環境で聴き比べるという体験会では、参加者はEDM/Jポップ/ジャズ/オーケストラといったさまざまな楽曲を試聴。Dolby Laboratories Dolby Atmors Rendererの画面を見ながら、Dolby Atmos音源ではオブジェクトが3D空間内でどのように動くかを視覚的に確認し、ステレオとDolby Atmosにおける音響の違いを実際に体験することができた。
さらに、同内覧会ではオーディオストリーミング用プラットフォーム/プラグイン、Audiomovers LISTENTOを用いたリモートセッションも実演。Augusta Studioと社内の別スタジオ間で、音声をほぼリアルタイムにストリーミングし合いながら音楽制作を行う様子を見学することができた。
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ユニバーサル ミュージックが新設したAugusta Studioは、音楽制作の新たな可能性を広げ、アーティストの創作活動をサポートする画期的な施設だと言える。Dolby Atmosの制作システムを導入したことにより、リスナーにこれまでにない音楽体験を提供し、日本の音楽シーンをさらに国際的に発展させることが期待される。
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