UNIVERSAL AUDIO × 鈴木Daichi秀行 〜弾き語りレコーディングのマナー【サンレコフェス・セミナー】

UNIVERSAL AUDIO × 鈴木Daichi秀行 〜弾き語りレコーディングのマナー【サンレコフェス・セミナー】

2022年12月4日、KANDA SQUAREで開催したサンレコ初の体験型イベント、サンレコフェス2022。ここでは、プロのクリエイター/エンジニアを迎え実施した、DAWでの制作に役立つ4つのセミナーの模様を動画でお届けする。UNIVERSAL AUDIOセミナーのテーマは、弾き語りのレコーディング。講師としてお招きしたのは、レーベルStudio Cubic Recordsを運営する音楽プロデューサー/作編曲家で、家入レオやYUI、miwaなど多くのアーティストの楽曲に携わる鈴木Daichi秀行氏だ。今回は、シンガー・ソングライター森翼によるアコースティック・ギターの弾き語りのレコーディングを披露していただいた。

UNIVERSAL AUDIOセミナー by 鈴木Daichi秀行


 レコーディングでは、UNIVERSAL AUDIOのオーディオ・インターフェースApollo X8をはじめ、同社のペンシル型コンデンサー・マイクSP-1をギターに、TOWNSEND LABSのモデリング・マイクSphere L22を歌に使用。鈴木氏はUADが登場した頃からUNIVERSAL AUDIOの製品を使用していたそうで、「当時からアナログ機材のシミュレートが得意なメーカーというイメージがありました。本日のレコーディングで使用するマイクも普段から実際に使っているんですよ」と語ってくれた。

 使用機材の紹介に続いて、マイキングの解説に移る。2本のマイクで録ると音がかぶるため、演者とマイクとの距離をそろえて、できるだけディレイが生まれないようにするのがポイントだという。歌とアコギそれぞれに立てた個別のマイクについては、「歌のマイクは、アコギの音がかぶってしまうのを少しでも避けるために下から口元に向けるような角度で設置しています。アコギのマイクは、サウンド・ホールに直接向けると音がこもってしまうので、少しネック側に向けるようにしました」とのこと。

 マイキングの解説の後は、いよいよレコーディングの実演だ。歌/アコギともにUADプラグインのNeve 1073 Preamp & EQ+Apollo X8のUNISON機能でかけ録りしつつ、演奏しやすいようモニターにUADの1176LN Classic Limiting Amplifierをインサート。パラメーターの設定などは、実際に音を聴きつつ、ミュージシャンとコミュニケーションを取りながら調整していくそうだ。録りの設定が完了したら、森翼の演奏をその場でレコーディングした。

 歌声にひとしきり聴き入ると、Sphere L22でモデリングするマイクを選び、UADプラグインを使用したミックスの工程へ。EQのPultec EQP-1AやAPI 560 Graphic EQ、コンプレッサーのTeletronix LA-2Aや1176LN Classic Limiting Amplifier、リバーブのLexicon 480L Digital Reverb and EffectsやOcean Way Studiosなど、さまざまなプラグインが登場。それぞれの使い方はもちろん、2種類のコンプレッサーを役割ごとに使い分ける方法など、実践的な内容を、実際に作業を進めながら解説いただいた。

 動画を見れば、素晴らしいアーティストとプロデューサーにより、楽曲が輝きを増していくのがよく分かるだろう。読者の皆様にもそれをぜひ体感してほしい。

サンレコフェス2022 セミナー・レポート

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