ULTRASONE Signature Master / Natural / Pulse 〜Rock oN Monthly Recommend vol.41

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 注目の製品をピックアップし、Rock oNのショップ・スタッフとその製品を扱うメーカーや輸入代理店に話を聞くRock oN Monthly Recommend。今回紹介するのはハイエンド・ヘッドフォンをリリースしているULTRASONEの新製品、Signature Master / Natural / Pulseだ。Signatureは、ミュージシャンやエンジニアなど音楽制作のプロに向けた密閉型ヘッドフォン・シリーズ。その新たなモデルとなる3機種は最新の独自技術S-Logic 3を搭載し、より自然な空間表現が可能という。代理店であるアユートの齊藤智章氏、メディア・インテグレーションの福山智宏氏に製品の魅力について語っていただいた。

Photo:Takashi Yashima

ULTRASONE Signature Master

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Signature Master|139,980円

 Signature Proの後継機にあたるSignature Master。ULTRASONEを象徴するS-Logic技術の最新版、S-Logic 3を採用しており、電磁波を防ぐULE技術も備える。ドライバーは40mmチタン・プレーテッド・マイラーで、周波数特性は8Hz〜42kHzとなっている。イアパッドにはシープ・スキン・レザーを使用。1.2m着脱式ストレート・ケーブル(ステレオ・ミニ)、3m着脱式ストレート・ケーブル(ステレオ・フォーン)、1.2mリモコン・マイク付きケーブル(4極ステレオ・ミニ)のほか、プロテイン・レザーのイア・パッド、キャリング・ケースも付属する。

ULTRASONE Signature Natural

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Signature Natural|99,980円

 ハウジング構造は上位モデルを踏襲し、ドライバーには40mmチタン・プレーテッド・マイラーを採用し、S-Logic 3とULEも備えている。周波数特性は8Hz〜40kHz。イア・パッドはプロテイン・レザーで、1.2m着脱式ストレート・ケーブル(ステレオ・ミニ)、3m着脱式カール・ケーブル(ステレオ・フォーン)、1.2mリモコン・マイク付きケーブル(4極ステレオ・ミニ)のほか、プロテイン・レザーの交換用イア・パッド、キャリング・ケースが付属する。

ULTRASONE Signature Pulse

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Signature Pulse|79,980円

 DJが求めるクリアでパワフルなサウンドとタフさを実現したヘッドフォン。従来のSignature DJと同様に50mmマイラー・ドライバーを搭載し、重低音をひずみ無くパワフルに再生できるという。周波数特性は5Hz〜32kHz。イア・パッドはプロテイン・レザーを使用しており、1.2m着脱式ストレート・ケーブル(ステレオ・ミニ)、3m着脱式カール・ケーブル(ステレオ・フォーン)、プロテイン・レザーの交換用イア・パッド、キャリング・ケースが付属する。

 

●まずは、ULTRASONEについて教えてください。

齊藤 SENNHEISER、BEYERDYNAMICと並びドイツ御三家と呼ばれているヘッドフォン・メーカーになります。生産もドイツの工房でハンドクラフトにて行われており、製品自体の耐久性も優れているのが特徴です。国内の修理は弊社が請け負っており、パーツごとに修理が可能になっています。創業者はクラシック音楽が好きで、その楽曲を豊かに再生できるハイエンドなヘッドフォンを作り始めたのがULTRASONEの始まりです。最初はいわゆるリスニング向けが中心でしたが、後に音楽制作のプロに向けたシリーズを発売しました。その流れからSignatureシリーズが生まれ、今に至ります。ちなみにリスニング向けにはEditionというシリーズをラインナップしています。

福山 ヘッドフォンを開発しているブランドはたくさんありますが、ULTRASONEとしてはどのような差別化を図っていますか?

齊藤 S-LogicやULEといったULTRASONE独自の技術を持っているのが特徴です。どちらもデジタル的な技術ではなく、設計におけるパッシブな技術になっていて、それでしか出せないサウンドがあります。

 

●Signature Master / Natural / Pulseにはどのような違いがあるのですか?

齊藤 Signature Masterはプロが納得できるクオリティを持ったモデルです。Signature Pulseは高性能なDJモニターで、その中間に位置するのがSignature Naturalになっています。

福山 3種類とも音の方向性が違うので面白いです。Signature Masterは3機種の中で一番音のバランスが良い印象で、音楽制作でしっかりと使えるモデルだと感じました。Signature Naturalは音がとてもまろやか。曲を長時間聴くときに良さそうです。長い作業ではSignature Naturalを使い、最後の仕上げでSignature Masterを使うのもありかもしれません。僕はSignature Pulseがお気に入りですね。3機種の中で一番低域が強く、音の分離もしっかりしておりメリハリがあります。メリハリが強い分、通常のリスニングでは少し聴き疲れてしまうかもしれません。テンションが上がるサウンドなので、楽しく曲作りができそうです。

齊藤 おっしゃる通りで、ユーザーからの評価も同じような感じですね。Signature Pulseは50mmのドライバーで、ほかの2機種は40mmなんです。ドライバーが大きい分、深い鳴りになっているのだと思います。これまで発売していたSignature DJを使われていた方には気に入っていただけるはずです。

 

●3機種ともに最新版のS-Logicが採用されています。どのような技術になっているのですか?

齊藤 S-Logicは音の頭内定位をコントロールします。通常のヘッドフォンは鼓膜に直接音が届くような構造になっており、音の定位が頭の中にあるように感じるんです。S-Logicでは、音は外耳で反射してから鼓膜へ届くような構造になっています。そうすることにより、頭内定位が少し前方になり、スピーカーで聴いている感覚に近付きます。

福山 以前Signature DJを使っていましたが、S-Logicのおかげか分離の良さはとても感じましたね。音がひとまとまりに聴こえた方が良い場合もありますが、ULTRASONEでは個々の楽器がしっかりと聴き取れます。

齊藤 今回の3機種に搭載されているのは、そのS-Logicが進化したS-Logic 3です。バッフル部分にDDF(Double Deflector Fin)と呼ばれる赤いパーツが取り付けられており、それが音の反射を生み出して定位をコントロールしています。中高域には変化を与えず、中低域に変化を与えてS-Logicの効果を高めることができるんです。このDDFがあると無いでは聴こえ方が全然違いますね。Signature Masterを使っていただいたエンジニアの方には、“理想通りの音で、ラージ・モニターで聴いているような感覚をSignature Masterで得ることができる”とコメントをいただきました。モニター・スピーカーを良い環境で鳴らすことができないという場合は多いですし、ヘッドフォンでのモニター音のクオリティは大切なんです。

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バッフル部分に付いている赤いパーツはDDF(Double Deflector Fin)と呼ばれるもので、S-Logic 3で初めて採用された。これにより、音の反射を起こして指向性の無い中低域のコントロールを行い、S-Logicの効果を高めているという

●ULEというのはどのような技術ですか?

齊藤 ULEはUltra Low Emissionの略で、簡単に言うと電磁波を抑える技術です。特殊な金属によって耳側への電磁波をシールドしています。ヘッドフォンは長時間使用するものだからこそ、体に配慮した技術を使っているのだと思いますね。

 

●Signature MasterとSignature Naturalはどちらも40mmチタン・プレーテッド・マイラーのドライバーで、技術的な違いはあまり無いようですが、音のチューニングによる違いで差別化されているのですか?

齊藤 はい、チューニングによる狙いどころの違いですね。細かい点で言うと、Signature Masterのイア・パッドはシープ・スキン・レザーで、Signature Naturalはプロテイン・レザーです。また、付属品にも違いがあります。Signature NaturalとSignature Pulseは3mのカール・ケーブルが付属しているのですが、Signature Masterはカール・ケーブルの代わりに3mのストレート・ケーブルが付属しています。これまでもエンジニアなどのプロの方々からはストレート・ケーブルの要望が多かったですね。さらにSignature MasterのケーブルのプラグはNEUTRIKになっており、ほかの2機種と比べて付属品の仕様が良くなっています。

 

●どれもハイエンドな仕上がりですが、音の差別化がしっかり図られているのでユーザーにとって分かりやすそうですね。

福山 音楽制作のバランスということでは最上位のSignature Masterに軍配が上がりますが、長時間作業をする方は疲れづらいSignature Naturalとリファレンスとなるスピーカーを使い分けるのも良いと思いますし、キックがとても気持ち良く感じられるSignature Pulseはダンス・ミュージックを作るクリエイターにお薦めしたいですね。

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