Pro Tools|Carbonユーザー・レポート 中土智博(後編)Pro Tools 2021.10との連携

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 アーティストへの楽曲提供のほか、『あんさんぶるスターズ!』『アイドリッシュセブン』などのアニメ/ゲーム音楽も多数手掛ける作編曲家、中土智博。自宅にプライベート・スタジオを構える中土は、発売とともにAVID Pro Tools|Carbonを導入した。後編では、Pro Toolsの最新バージョン2021.10と、Pro Tools|Carbonとの連携について語ってもらった。

 

Pro Tools|Carbonのハイブリッド・エンジンの魅力を語る前編はこちらから

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Remark Spiritsのサウンド・プロデューサーを経て、作編曲家として活動中。栗林みな実、乃木坂46、中森明菜、緒方恵美、立花理香などへの楽曲提供のほか、『あんさんぶるスターズ!』『アイドリッシュセブン』などのゲーム音楽も手掛ける。APDREAM所属

手元にトランスポートがあるだけでもうれしい

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Pro Tools 2021.10での対応を機に導入したNATIVE INSTRUMENTS Komlete Kontrol M32。メインのキーボードは88鍵ピアノタッチのものを使用しているが、Pro Toolsとの連携のために追加購入したそう。左はAPPLE iPhoneにインストールしたTouchOSCでSoundflowの機能をトリガーしている。Pro Tools 2021.10の新機能とは関係ないが、ベロシティ値やグリッド単位、クオンタイズ単位をコントロール&設定できるようにしてある

 中土は、Pro Tools|Ultimateソフトウェアの最新版、Pro Tools 2021.10を早速使い始めたという。まず重宝しているのが、NATIVE INSTRUMENTSのコントローラー/キーボードKomplete Kontrolとの連携機能だそうだ。

 

 「作業の効率化のためにSoundFlow+ELGATO Stream Deckへいろいろな機能をアサインしているのですが、それでも単純にトランスポートが手元のKomplete Kontrol M32で扱えるのがうれしいですね。実はつい最近、メインで使っていたキーボードのKomplete Kontrol S88を手放して、ほかのキーボードと入れ替えたのですが、この機能のためにKomplete Kontrol M32を追加購入したくらいです。ノブでフェーダーをコントロールできるのも割と便利ですね。Pro Tools|Ultimateのトリムでざっくりとボリュームのバランスを描いておいてから、ボリュームはノブでバランスを取れる」

 

 ユーザー・インターフェースのカスタマイズ向上も、Pro Tools 2021.10の大きなフィーチャーの一つだ。

 

 「ダーク・モードもかなり見やすくなりましたね。何が変わったのかはよく分からないんですが、めちゃくちゃ見やすくなったと思います。ダーク・モードが付いた当初は目がチカチカすると思っていたんですが、かなり改善されたように感じました」

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カラーパレットのUIカスタマイズで、文字や背景の明度や彩度などをコントロールできるようになった

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非アクティブのプラグイン・スロット(左上)に✕マークが付けられるようになった点も、視認性の向上に一役買っている

セッションにPro Tools|Carbonの設定を記憶させる

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Pro Tools|Carbonの入力ゲインや位相反転、ステレオ・リンクをPro Toolsからコントロール可能に。設定をセッションに記録できるようになった

 

 Pro Tools|Carbonとの連携も強化され、プリアンプのリモート・コントロールが可能になった。常に手が届くデスク内のラックにPro Tools|Carbonを置いている中土の場合、あまり関係がないのかと思ったが、そうでもないという。

 

 「Pro Tools|Carbonの設定をセッションに記憶できるようになったのが便利です。僕はインプットの逆相をよく使うのですが、外部のマイクプリで逆相にすると、それをトラックのコメント欄に書いておかないといけない。それを、Pro Tools|Carbonのプリで逆相にしておけば、その設定をPro Toolsに記録できるのは便利ですね。ギターのHi-Z入力のインピーダンスも覚えておくことができます」

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Hi-Z入力のインピーダンス設定も設定&記録可能。Pro Tools|Carbon本体だけだとランプのカラーで判断することになるが、Pro Toolsの画面上で数値が分かるのもメリット

 そのほか、Pro Tools 2021.10のフィーチャーは、トラック幅(チャンネル数)に関係なく出力/センドをほぼすべてのバスにルーティングできるなどが挙げられるが、中でも大きいのはM1 MacでのPro Tools|HDX/HD Native、Avid Video Engineのサポートだろう。

 

 「今はM1を搭載したMacBook Proにサブのシステムを組んで、テストをしています。これでうまく環境が組めたら、将来Apple SiliconのMac Proが出たときに移行がスムーズにできるかなと思います。メインのiMac Pro(INTELチップ)とサブのMacBook Pro(M1)との切り替えも、AVB接続のPro Tools|Carbonだとイーサーネット・ケーブルを挿し替えるだけなので、簡単ですね」

 

12月31日までの購入でAuto-Tune Hybrid&Pro Tools | Ultimateが提供

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 Pro Tools|Carbonを2021年12月31日までに購入すると、ピッチ補正プラグインANTARES Auto-Tune Hybrid(AAX DSP)と、Pro Tools|Ultimateの永続ライセンスが無償提供される。総額30万円相当のバリューを手にできるチャンスだ。

キャンペーン詳細

 

Pro Tools|Carbon製品情報

 

 

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