48個のベロシティ・センス付きパッド
4モードによる多彩なコントロール
サイズは325（W）×20（H）×99（D）mmで、重量が890gと非常にコンパクトですが、見た目よりも安定感があり、操作中にガタつくこともありません。余計な装飾が無いルックスも好印象で、ボディ・カラーは写真以外にブラックもラインナップ。電源がUSBバス・パワーなのは、現場に持ち運ぶ際に重要視するところなのでナイスです。本機は48個のデュアル・カラーLED付きマトリクス・コントロール・パッドを中心に構成されます。パッドにはベロシティ・センスが付いているので、ドラム・パッドとしても使用できるほか、同梱のソフトウェアImapでMIDIノートをマッピングすれば、より自由度の高いセッティングも可能です。またモード・ボタンによってDJ／エフェクター／DAW／ドラマーと、4つのモードを切り替えられます。ABLETON Liveに当てはめると、DJモードはクリップの選択＆操作で、DAWモードはMackie Controlプロトコル対応し、各トラックのパン、ボリューム、ソロ、ミュートがあらかじめアサインされています。エフェクター・モードは任意のパラメーターをアサイン可能。ドラマー・モードは先述の通り、48個のベロシティ付きドラム・パッドになります。この4つのモードを切り替えることでコンパクトながらも、複数のパラメーターをコントロールできます。モードごとにパッドのLEDバックライトが切り替わるので視認性も良好で、直感的に操作できるでしょう。そしてモード・ボタンの下に設置されたエンコーダーは、各モードごとに異なる働きをしてくれます。DJモードではクリップ画面のスクロールなどに使い、DAWモードではパンやボリュームの操作と、パッドだけでは難しい操作を見事にカバーします。さらにエンコーダーの下には水平フェーダーと、わずかなスペースも無駄にしていない点には脱帽です。
パッド数以上のクリップを記憶
効果の増減を調節するエフェクト・モード
それでは実際にABLETON Liveで試してみましょう。DJモードではクリップがアサインされたパッドは青く点灯し、再生中は赤く点灯します。本機は4×12個のパッドで構成されますが、エンコーダーでスクロールすれば、パッド数以上のクリップをアサインできます。DAWモードは先述したように主要パラメーターはアサイン済み。パッドの点灯も切り替わるので、非常に見やすいです。例えばボリュームを触りたい場合は任意のトラックの2段目のパッドを押してエンコーダーでコントロール。ソロ、ミュート・ボタンも重宝しそうですね。そしてエフェクト・モードの設定が非常に面白かったです。48個のパッドをABLETON Liveのパラメーター・コントロール用に、＋パッド、−パッドとして割り当てて増減を操作できます。そのパッドを選択すれば、ジョグで操作も可能です。エフェクターごとのパラメーターはもとより、各トラックのセンド・ノブをアサインしたりと、ホントに自由な設定が作れてしまいます。最後にドラマー・モードですが、16個ずつのパッドが青／赤と色分けされて点灯し、3組のドラム・パッドとして機能します。ABLETON LiveのDrum Rackをサンプル・プレイバッカーとして、またはリアルタイムでフィンガー・ドラマー的に使うも良し。ベロシティ・センス付きですから、制作用途としても威力を発揮しそうです。
コンパクト＆リーズナブルながらに幅広い操作が可能なことはお分かりいただけたでしょうか？ABLETON Liveのみならず、他のDJソフトウェアなどでも使えるでしょう。既にコントローラーをお持ちの方も、サブ機としてライブ・セットのビルド・アップにオススメできるアイテムです。
▼サイド・パネル。左からUSB、iconnet。iconnetはICONIseriesの他機種とのチェーン接続が可能
（サウンド＆レコーディング・マガジン 2011年12月号より）撮影／川村容一（サイド・パネル）
▪Mac／Mac OS 10.5以降（10.6対応）▪Windows／Windows XP（32ビット）/Vista（32ビット）/7（32ビット/64ビット）
