より直感的な操作体系に進化
音声収録は24ビット/96kHzに対応
本機を手に取ってみると、大きさやボタンの配置などはQ3をほぼ踏襲していますが、ずいぶん薄型になったな、というのが第一印象。ちょっと大きめの携帯電話くらいです。スイッチを入れてみると、Q3ではまず起動画面が出て数秒後に操作画面に移行していましたが、このQ3HDでは即座に使える状態に立ち上がるのが素晴らしいですね。メニュー画面のインターフェースも大幅に変わり、APPLE iPhoneのようにアイコンが並んで、より直感的な操作体系になっていますし、動作もとても軽快。ただしQ3と違って、カメラのON/OFFスイッチがなくなりました。メニュー画面から操作することはできますが、高音質で録画できるムービー・カメラという位置づけに一層シフトした仕様になったと言えるでしょう。Q3HDでは最高24ビット/96kHzでの録音ができます。Q3では一つのカプセルに収められていたステレオ・マイクの形状が少し変わって、HDでは単一指向性の2つのマイクが放射状に並んだ形にセッティングされました。アコースティック・ギターの弾き語りを録ってみると、十分な臨場感を得られ、音質については全く文句なしです。ゲインもLOW/HIGH/AUTOと用途に合わせて使い分けられ、自宅の生音弾き語りではAUTOで録っておけばほぼ問題のないレベルでした。一方ライブでは比較的小音量のPAだったので、LOWではだいぶレベルが低くなってしまったのですが、これは後で付属の編集ソフト、HandyShareの音質補正機能を使えば、後からで音量や音圧をかせぐこともできました。オーディオのファイル形式はMP3が無くなり、PCMとAACの2種類になっていますが、これは今回サポートされたMOVファイルとの相性の良さで選ばれているとのことです。
映像のクオリティは格段に向上
付属ソフトでYouTubeにアップ可能
さて肝心のムービー機能ですが、これはもう以前とは比較にならないくらい強力になっています。Q3ではちょっとざらついた粗めの動画だったのが、さすがHD対応を謳うだけあって非常にきめ細かい画質での録画が可能です。光学ズーム機能などはありませんが、これだけの高音質と高画質が3万円を割り込む価格で手に入れられるというのは、通常のHDカメラにはできない芸当かもしれません。今回のライブでは収録時間などを考慮してフルHDの1080pではなく、720pで撮影したのですが、それでもQ3とは雲泥の差というくらいクリアな映像になりました。前述のHandyShareもバージョン・アップして、使い勝手がかなり向上。トリミング機能で不要な部分をカットしたり、音声のエフェクトも6種類のリバーブ、レベル調整やステレオ感の調整に役立つマスタリング、ノーマライズといった具合に充実しており、これだけでもかなり音質を追い込むことが可能です。さらにYouTubeへのアップロード機能も動作がスムーズになった気がします。先述の720pのものをアップしてみましたが、音声/画質とも十分満足できるクオリティ。これほどの手軽さになってくると、余計なものまでいろいろアップしてしまいそうではあります。