新発想で快適にCubaseを操作できるコントローラー&オーディオI/O

STEINBERGCI2
Cubase AI 5が付属し、ノブやパッドでCubaseを直接コントロールできる操作性が魅力のI/O

STEINBERG CI2 オープン・プライス(市場予想価格/24,800円前後)STEINBERGとYAMAHAで共同開発を進めているAI Functionは、外部ハードウェアとDAWソフトのCubaseシリーズを高度に連携させることができる機能。これにより、音楽制作の操作性が飛躍的に向上するという優れもの。このAI Functionを搭載したコントローラー&オーディオI/O、CI2がついに発売されます。ギターを弾きながらでも簡単にレコーディングができるようで非常に期待大! そんなわけで筆者のバンドoscillatorのギタリスト佐藤貴之氏にも協力いただきチェックしてみました。

ハイファイで厚みのある音質 モバイルでの操作性も良好


CI2には入門者向けのCubase AI 5が付属していますが、今回は手持ちのCubase 5で試してみました。まず外観は適度な重量感と高級感を備えています。コンパクトかつ丈夫そうで、リハーサル・スタジオやバンド・メンバー宅などに手軽に持っていけそう。セッティングも簡単でドライバーをコンピューターにインストールし、USBケーブルでつなげば完了。USBバスパワーで動作します。オーディオI/Oとしては2イン/2アウトで、24ビット/48kHzというプロ・スペックにも対応。ファンタム電源を供給可能なマイク/ライン入力(XLR/TRSフォーン・コンボ)を2系統備え、そのうち1系統はギターやベースを直接接続できるHi-Z対応なのも便利です。ギターとマイクをつないで録音したところ、比較的ハイファイで、中域に厚みのある芯を感じさせる音質という印象です。コンデンサー・マイクでもノイズが少なく、クリアな感じ。このクラスでは十分な音質でしょう。本機は、自宅やリハーサル・スタジオ、野外などでの小規模なレコーディングでの使用がほとんどでしょう。その場合、操作性は特に重要です。トップ・パネル上部には独立した入力ゲイン・ノブがあり、ピーク・メーターをチェックしながら簡単に入力ゲイン調整が可能です。また、ミックス・ノブで入力音とCubase 5出力とのモニター・バランスが調整でき、ヘッドフォン・ボリューム、最終出力ボリューム専用のノブも付いています。これらがまとまって配置されており、コンピューターを操作せずとも、録音設定やモニター・バランス調整などを非常に素早く行えます。

一連の作業を順番に実行してくれるREQUIREMENTS アクション・パッド搭載


本機最大の特徴は、Cubase 5の操作に特化したアクション・パッドと呼ばれるボタンを備えている点です。パネル右側のリング部分右下がそボタンで、押すごとに録音時に必要な作業を最大6個まで順番に実行してくれます。例えば、最初にアクション・パッドを押すと録音が始まり、2回目に押すと録音停止、3回目で新トラックを追加し、4回目で録音開始位置に戻る、という操作を行えます。しかも、このボタン操作はループするので、アクション・パッド操作だけで何トラックでもオーバーダブしていくことが可能です。この操作はCubase上の"アクション・パネル"という画面で設定でき、プリセットも用意されています。別売りのフット・スイッチ、YAMAHA FC5を接続すれば足でも同様のことが可能になります。ギター演奏をしながら、好きなところでパンチ・イン/アウトができるので、佐藤氏いわく「いちいちギターから手を離さずエフェクター操作感覚でいける!」とのこと。なお、1つの操作だけにロックする機能も用意されています。リング部分の中央に見えるのが、同社コントローラーのC121でも好評だったAIノブです。これはマウス・ポインターをCubase上のパラメーターに移動すると、それがAIノブへアサインされてコントロールできるというもの。編集作業に大変便利です。右利きの場合、右手にマウス、左手にAIノブを持ち、画面上で次々にマウスの位置を動かしながら、AIノブをぐりぐり回しパラメーターを調整、各トラックのフェーダーやVSTプラグインのパラメーターやEQまで調整可能となっています。マウスだけでは行き届かない、細かい調整も直感的にでき、この操作感は新たな発見です!さらに、AIノブをプッシュすることでCubaseのブラウズ機能を開くことができます。例えばVST3対応プラグインを選んでプッシュすると、そのプリセット・ブラウザが開くので、AIノブを回して、次々にプリセットを変えていけます。「右手にマウスだとギター弾きながら音色は変えられないから、ツマミだとうれしい!」と佐藤氏。本機はCubase AI 5付属なので、初心者が新たに楽曲制作を始めるのに良いと思います。そして何よりノブやパッドで、安定してCubaseを直接コントロールできる操作性がすごくうれしい、小回りの効くI/Oとして、魅力的な製品です。(『サウンド&レコーディング・マガジン』2009年11月号より)
STEINBERG
CI2
オープン・プライス (市場予想価格/24,800円前後)
▪外形寸法/190(W)×45.4(H)×134.5(D)mm▪重量/720g(本体)

▪Mac/Mac OS X 10.5.5、PowerPC G5以上のCPU(INTEL Core Duo以上を推奨)、1GB以上のRAM、4GB以上のハード・ディスク空き容量▪Windows/Windows Vista(32ビット)またはWindows XP Professiona(l SP3)/Home Edition(SP3)、INTEL Pentium/AMD Athlon 2GHz以上のCPU(Dual Coreプロセッサー推奨)、1GB以上のRAM、4GB以上のハード・ディスク空き容量