さまざまなエフェクト処理が施された効果的な声ネタを多数収録

MUTEKKIVENGEANCE VOCAL ESSENTIALS VOL.1
トランス/ハウスなどのダンス系ライブラリーで定評ある『VENGEANCE』シリーズから登場した"声ネタ"のライブラリーです。タイトルから最初はボーカルのメロディ・フレーズものかなーと思ったのですが、どっこいこれは、いわゆる"声"をキーワードにしたさまざまなアプローチの素材を収録する独創的なライブラリーでした。1,500を超えるWAVファイルが"LoFi Vocals""FX Vocals""Vocorder"など5つのフォルダーに振り分けられて収録されています。

内容は非常に多岐にわたっていて、例えばボコーダーを通したシンセライクなループ・ネタ、ビットを落とした金属質なワンワード・フレーズ、波形編集とエフェクト処理で原型をとどめないほど加工されたアンビエンス・サウンド、古い映像フィルムのトークからからチョップしたとおぼしきローファイ・ボイス、街角の群衆のざわめきやスタジアムの大観衆の声援、トランス系にマッチするカット&ビルドのキャッチーかつアッパーなループ・ネタや、"come on"などのクラブ系定番ワンショット・フレーズ......などなど。メロディものは少なめで、どちらかと言えば声を元素材にしたSE集とも言えるテイスト。ダンス系トラックのアクセントやフックなどにはもうバッチリはまりそう。サンプリング・ソース=声の主が多様で、かつハイブリッドなエフェクト処理からビット落としまで加工方法もさまざまなので、音の質感がとてもバラエティ豊富です。個々のサンプルをチェックしていくだけで楽しくて、曲作りのイマジネーションが刺激される感じがしました。鍵盤やパッドにズラっとランダムにサンプルをアサインしておいて、偶発的にフレーズを生み出していくのも面白そうです。そして何より元素材が"声"であることの異質感が、自身の制作するトラックに独特のテイストを与えてくれると思います。

MUTEKKI
VENGEANCE VOCAL ESSENTIALS VOL.1
17,850円

■メディア:CD-ROM 1枚
■容量:620MB
■DATA FORMAT:WAV