スペックを挙げてみると、モデルとなったベースは3種類でMUSICMAN Stingray(ピック奏法とスラップ奏法)、フレットレス・ベースがLEFAY、そしてアップライト・ベースにいたっては弦を変えて3種類も用意されている。さらにそれぞれのインストゥルメントにつき4,092種類のサンプリング音を32ビットでプロセッシングしている。早速Kontakt2にライブラリーを取り込んだところ、楽器独自の特性や再現性にこだわっていて、従来の波形編集が主だったライブラリー音源と呼ぶには違和感をおぼえるほどのアーティキュレーションを備えている。すなわち、ベロシティによる音色の変化やレガート、スタッカートはもちろん、弦特有の奏法であるハンマリング・オンや長さを調節できるスライド・アップとダウン、そしてハーモニクス奏法、さらに弦をつま弾く位置とブリッジとの位置関係の選択、極めつけは、指板のノイズや通常はミスととらえられる鳴りそこなったバズ・ノートの付加など。ここまで周到だとMIDIプログラミングがさぞかし難儀だろうと思いきや、そこは当然考慮されており、AUTOMATICモードがあるので微妙なニュアンスはソフト側で補ってくれる親切さもありがたい。もちろんそれらも任意で調節することが可能だ。弦の演奏表現においては筆者が触ったどのソフトよりも優れていると言えるだろう。Chris Hein-BassはもはやMIDIでは再現できないとあきらめていた弦楽器プログラミングの領域をしのいでいるだろう。
■メディア:DVD-ROM 2枚
■容量:約12GB
■DATA FORMAT:Kontakt2