録音へのこだわりを感じる音質で簡単にリッチなジャズ・トラックの制作が可能

LOOPMASTERSJAZZ SESSIONS
LOOPMASTERSはイギリスに本拠を置く会社だけあって、シーンに敏感かつクオリティの高いライブラリーをリリースしているが、そこに新たに加えられたのが本作。一流のジャズ・プレイヤーによる演奏が収められている。

収録内容も豊富でオリジナル・テンポ情報が書き込まれた3,043のAcidized WAVファイル、そしてスライス情報を含む1,858のREX2ファイル。さらにはNATIVE INSTRUMENTS Kontaktなどのソフト・サンプラー用にレイヤーされた鍵盤類や打楽器などのマルチサンプルまで収め、テンポのレンジも60〜270BPMとトラック・メイカーとプレイヤーの双方を考慮した構成。楽器編成はドラム、パーカッション、ベース、ギター各種、鍵盤類、そして多彩なブラス・セクション。本作に収録されているデモ音源で分かるとおり中規模のバンドが丸ごと収まっている。筆者がファイルをABLETON Liveに取り込んでみたところ、あっという間にリッチなジャズ・コンボが出来上がった。 各楽器はオリジナル・テンポに従ったフォルダの階層下に置かれ、ファイル名もコード進行まで明記しているので聴いてからピッチなどを調節する必要もない。演奏スタイルもスタンダードなものからラテン、ボサノバなどにまでわたる。さらに5拍子の演奏も収録され、クラブ・ユースにとどまらないこだわりもさりげなく見せている。そして鳴らしてみてすぐに気づくのはその音質の深さで、マイクへのこだわりやビンテージ感の再現などが素晴らしい。ブラス編成は定位が分かるように配置され、フルートのブレス音まで奇麗に収録。筆者が特に気に入ったのがRHODES風の音で、これまでに聴いた中でもビンテージ感や音色作りがずば抜けている。ジャズを習得するのは難易度が高いが、本作を手持ちのソフトに取り込むだけでそれらが手に入るという意味でも幅広く満足させてくれるだろう。

LOOPMASTERS
JAZZ SESSIONS
21,000円

■メディア:DVD-ROM 1枚
■容量:約3GB
■DATA FORMAT:Acidized-WAV/EXS24/NN-XT/REX2/Kontakt/Halion