立体感のある素直な再生音が魅力的なオープン・エア型ヘッドフォン

ROLANDRH-A30

皆さん良い音楽聴いていますか? 最近は携帯オーディオ・プレーヤーの普及も目覚ましく、イヤホンもしくはヘッドフォンで音楽を聴きながら歩いている人の多いこと。音楽がそれだけ重要なモノになっているということでしょう。かく言う自分も出かけるときに忘れたことがないくらい、必ず持ち歩いています。でもって自分、実はちょっとしたイヤホンおよびヘッドフォン・マニア。手ごろな値段で音が良く、かつデザインの好きなものを見つけてはちょいちょい購入して、その日の気分によって変えたりしております。また、最近はDJ以外にもライブなどでヘッドフォンを使う機会も増えているので、いろいろな場面においてかなり必要なのです。

長時間の着用も気にならない
締め付けの軽さが魅力のイア・パッド


ROLAND RH-A30はオープン・エア型のモニター・ヘッドフォンです。オープン・エア型なだけに、ライブ演奏時には装着したままでもモニター・スピーカーやアンプからの音を聴きとることができるので、ステージ上の音を確認しながら適切なモニタリングが行えます。これは自分にとってはとてもタイムリー。外観はすごくシンプルな感じで、無駄の無いすっきりとしたデザインだと思います。自分としてはすごく気に入りました。派手さの無い分渋さがあり、重さもコードを除いた状態で250gと良い意味でかなり軽め。また、実際に箱から出したときに、ちょっと驚いたのがイア・パッドです。見るからに着け心地の良さそうな感じで、実際にはめてみたときの具合は素晴らしく良好。無理に締め付けられることもなく、柔らかい素材が優しく耳にフィットします。この原稿を書いている今もずっと装着しているのですが、パッドが耳を包み込むようになっているので時間がたっても全く嫌な感じがしません。音楽制作などでの長時間の使用にも向いていると思います。資料を読んでみると“ネオジウム・マグネット使用の新開発45mmドライバーを搭載”“最大許容入力は1,600mW”とあります。ここから読み取れるのは、大容量の入力でもひずみにくいということ。余裕のある再生音でモニターできることでしょう。

大きめの入力容量でひずみを回避
音量を上げても自然な再生音


ではでは、ここからは肝心の音についてレビューしていきます。まず、聴いてみると、いきなりではありますが、とにかく第一印象がすごく良い。スピーカーなどと同様に、エイジングはある程度必要ですが、その分を差し引いても音に無理な色付けが無く、実に素直な聴き心地であります。自分がリファレンスでよく聴いている曲の印象も、普段とそれほど変わることなく再生されます。入力容量が大きいので、ボリュームを徐々に上げていっても、嫌な感じに鳴るようなことがなく、自然な感じで全体の音が大きくなるといった具合で、一般的にありがちな中域が耳障りになるようなことも、それほどありません。さらに音量を下げた状態でリスニングしても、高域/低域の音の伸びもきちんと聴こえますし、自分にとってベストの音量を基準としての、レベルの上げ下げによる音の立ち上がり具合やイメージの変化なども気にならない感じです。さらに、耳に音がたまって聴こえる感じが無いのは、やはり本体がオープン・エアであることの恩恵なのでしょう。シンセや音源のチョイス、エディットなど、音作りの細かい作業に向いています。トータルな感じとしても、“モニター・ヘッドフォンと言えば”的なところで、普通であれば左右の耳から入って来る音が頭の中で平たんに聴こえがちですが、思っていた以上に立体感があり、歌やリズムなど、それぞれの曲が持つポイントを軸にほかのパートの音が絶妙に絡み、きちんと音楽が鳴っているなぁという感じを受けます。また、ハウジングが反転するので、片耳は外音を聴きつつ、もう片方はヘッドフォンからのモニター音を聴くこともできるので、DJやライブなどのモニタリングにもバッチリ。手元のレベルをそんなに上げなくてもきちんとした音量を確保できますし、自分としては“欲しいっ”って感じですね。最後に、文頭に書いた携帯オーディオ・プレーヤーでも試してみましたが、聴き心地はとても良かったです。あらゆる場所、状況で問題なく、かつ満足のいく使用感があると思いますよ。
ROLAND
RH-A30
17,640円

SPECIFICATIONS

■形式/オープン型
■周波数特性/10Hz〜25kHz
■インピーダンス/40Ω
■感度/95.5dB/mW
■最大入力/1,600mW
■重量/250g(コード除く)