「SOUNDSMITHS SPARSE FUTURE TRAP VOL 1」ライブラリー・レビュー:抜けが良くアナログ感のあるトラップ・ビート

「SOUNDSMITHS SPARSE FUTURE TRAP VOL 1」ライブラリー・レビュー:抜けが良くアナログ感のあるトラップ・ビート

抜けが良くアナログ感のあるトラップ・ビート

 英国のSOUNDSMITHSからメロディアスなトラップや落ち着いた雰囲気のビートに特化した『SPARSE FUTURE TRAP VOL 1』がリリースされた。内容はビート作りで即戦力になりそうなボーカル、シンセ、ベース、ビート、パーカッションのループ/ワンショットを335種類収録している。

 

 まず、どのサンプルも絶妙なイコライジングがされている。アナログ感がありつつも音の抜けが良いので、シンセのコードを決めてドラムを組むときの音選びにあまり時間がかからなかった印象だ。抜けの良いドラムは、ミックス時に余計なプラグインを挿さずに使えるというのも利点。キックのワンショットやループは、硬質なものから柔らかい音色などさまざまに収めている。ベースはアナログ感のあるウォームな音色で、最近はやりのローファイな質感作りに対応できそうな点が便利。シンセはローパス・フィルターのかかった温かみある音色が多いため、歌モノやラップの楽曲でのエフェクト処理も楽にできそうだ。ボーカルのループはLFOで若干揺れていたりと効果的な処理が施されている。そのため、カットアップしたり、シンセのようにも使える。アイディア出しにもよいだろう。

 

 個人的に印象深かったのはFX。落ち着いた音色やレコードのテクスチャーなどを収めているため、セクションの切り替わりやインパクト部分にそのまま重ねて使ったり、ひずみ加工を施しても面白い効果が得られそうだ。落ち着いた雰囲気やメロウなコードも収録しているので、歌モノやラップは作りやすいだろう。かなり万能なサンプル・パックだ。

 

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PARKGOLF
【Profile】北海道札幌市出身のトラック・メイカー/プロデューサー。2015年にSeiho主宰のDayTripper Recordsより1stアルバム『Par』をリリース。2017年には一十三十一、おかもとえみ、GOODMOODGOKUら参加の2ndアルバム『REO』をリリース。その後も、Jvcki Wai、FARMHOUSE(SUSHIBOYS)、YUNGYUとの共作を発表。ゲスの極み乙女。唾奇、chelmico、あっこゴリラなど、さまざまなアーティストのリミックスや楽曲提供を行い活動の幅を広げている。2021年4月14日には3rdアルバムとなる「Totem」をリリース。

 

SOUNDSMITHS
SPARSE FUTURE TRAP VOL 1

6,204円

(2021年6月17日現在。為替レートによる価格の変動あり)

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▪メディア:ダウンロード販売 ▪容量:約466MB ▪データ・フォーマット:WAV