【お知らせ】6月20日の申込/更新分より、サンレコWebのサブスクリプション価格を改定いたします。詳細はこちらをご覧ください。また、6月17日までWeb+印刷版(年間)を約30%オフでご提供しています。

SAMSON Expedition Explor レビュー:3chミキサー搭載でワイアレス・システム対応のポータブルPAスピーカー

SAMSON Expedition Explor レビュー:3chミキサー搭載でワイアレス・システム対応のポータブルPAスピーカー

 米国ニューヨーク州に本社を置く音響機器メーカー、SAMSONから、ポータブルPAスピーカーのExpedition Explorがリリースされました。個人的にはワイアレス・マイクといえば!のSAMSON。Expeditionシリーズでは利用しやすい音響システムをさまざまな種類で展開してくれています。ワイアレス・マイクとのセットもラインナップしているという本機、早速、見ていきましょう。

縦置き、横置き、チルト・バックなどが可能

 Expedition Explorの大きさは238(W)×413(H)×279(D)mmで、縦置きや横置き、あるいは上向きに角度を付けられるチルト・バック、さらには35㎜径のスピーカー・スタンドへのマウントなど、さまざまな設置方法に対応しています。

スピーカーを上向きにできるチルト・バックでの設置も可能

スピーカーを上向きにできるチルト・バックでの設置も可能

 6.8kgと軽量なのでスタンドに立てるのも楽々ですし、チルト・バックが可能なのも音楽現場ではとってもうれしい仕様です。ちなみに、スピーカー上部が持ちやすい形状になっているからか、実際の重量よりも軽く感じました。見た目も圧迫感のないコンパクトなボディで、狭い店舗やイベント・スペースでも位置決めが簡単そうです。

コンパクトながらスピーカーは3ウェイ構成

 こんなに軽くて小型なのに出力は200W! 8インチのウーファーと3.5インチのミッドレンジ・ドライバー、2つの1インチ・ツイーターという3ウェイ構成で、よくぞここまで軽量化したものと敬服します。しかも、このボディでリチウム・イオン・バッテリーを内蔵しており、5時間の充電で最大12時間の連続使用が可能とのこと(Expeditionシリーズには20時間稼働可能な機種もありますので、ぜひチェックしてみてくださいね)。

 入出力端子や電源スイッチなどはすべて背面に配置されています。3チャンネル・ミキサー仕様で、ch1とch2はマイク/ライン入力用のXLR/フォーンのコンボ端子が装備されており、ch2のライン入力はスイッチでギターなどのHi-Z入力にも対応しています。現在では当たり前の仕様なのかもしれませんが、コンボ端子を搭載してくれていることがどれだけありがたいか。また、ch3はステレオ・ミニのAUX入力が用意されているほか、Bluetooth接続も可能なので、スマートフォンなどでの音源再生にも対応しています。実際に試してみると、スイッチを押せばペアリングが始まり、あっという間にスマートフォンとの連携が完了しました。BGMだけの現場ならこれで仕込みは終了です。

リア・パネルには上からch1〜3が並び、その下にライン・アウト(フォーン)と3バンドのマスターEQが用意されている。ch1はマイク/ライン入力対応のXLR/フォーン・コンボ端子、SAMSONのワイアレス・システム、XPD2のUSBレシーバーを装着するためのUSB端子、リバーブ、ボリュームが並ぶ。ch2にはマイク/ライン/Hi-Z入力対応のXLR/フォーン・コンボ端子が用意されていて、ラインとHi-Zはスイッチで切り替える。リバーブとボリュームはch1と同様だ。ch3ではステレオ・ミニのAUX入力とBluetooth入力用のペアリング・ボタン、ボリュームを備えている。電源をオンにした状態だと写真のように上部が点灯するので、暗所でも便利な仕様となっている

リア・パネルには上からch1〜3が並び、その下にライン・アウト(フォーン)と3バンドのマスターEQが用意されている。ch1はマイク/ライン入力対応のXLR/フォーン・コンボ端子、SAMSONのワイアレス・システム、XPD2のUSBレシーバーを装着するためのUSB端子、リバーブ、ボリュームが並ぶ。ch2にはマイク/ライン/Hi-Z入力対応のXLR/フォーン・コンボ端子が用意されていて、ラインとHi-Zはスイッチで切り替える。リバーブとボリュームはch1と同様だ。ch3ではステレオ・ミニのAUX入力とBluetooth入力用のペアリング・ボタン、ボリュームを備えている。電源をオンにした状態だと写真のように上部が点灯するので、暗所でも便利な仕様となっている

 ch1/2にはそれぞれにリバーブをかけるためのノブも用意されているので、ch1に歌、ch2に楽器を入力すれば個別にかかり具合を調整できます。また、マスターには3バンドEQが用意されており、全体のサウンド・イメージを気軽にノブでコントロールできます。

 ch1にはUSB端子が用意されているのですが、これは別売の同社ワイアレス・マイクやUSBワイアレス・レシーバーで構成されるXPDデジタル・ワイアレス・システムを利用するためのものです。USBワイアレス・レシーバーを接続して、ワイアレス・マイク本体の電源を入れるだけで、手軽にワイアレス・システムを構築できます。これはワイアレス・マイクを長く製造してきたメーカーの強みですね。電波も安定していて、試奏している部屋から隣の部屋までお散歩してみましたが、途切れたりせず使用できました。ただ若干のディレイを感じるので、トーク・セッションやプレゼンなどにお勧めの機能です。

アコギではアタックがきらびやかに表現され、声はマイクの音がそのまま出てくるイメージ

 では、ここからは音楽での利用について、さまざまな音源で試していきましょう。

 アコースティック・ギター主体の音楽では、きらびやかな弦のアタックやサステインが鮮やかで、なおかつ分離感もしっかりとありました。リズムの低音も気持ちよく鳴ってくれます。では、高音や低音が強く出るクラブ・ミュージックではどうでしょう。さすが出力が200Wもあるため、この大きさのたった1台のスピーカーとは思えないほどしっかりとした音圧を体に感じます。会場規模と集客によるところはありますが、音量を最大にせずに満足のいく音圧を出すことが可能でした。

 高音も過度な装飾がないので、音量を上げても耳に痛くなるようなことはありません。ピアノ、サックスなどジャズ色の強い楽曲では、中低音の一体感が耳あたりよく鳴っていました。なお、これらの再生はBluetoothを使用しています。

 次に、ダイナミック・マイクでも試していきます。ここではSHURE SM58を使用しました。スピーカーによる色付けは少なく、マイクそのものの音がすんなり出てくるイメージです。リバーブは、ノブで簡単に操作が可能な上、マイクの音質を邪魔することなく使用しやすいです。先にも書いた通り、ch1とch2のそれぞれにリバーブ用のノブが付いているので、ボーカルには深めのリバーブ、アコースティック・ギター(またはピアノなどの別楽器)には軽めのリバーブといった調整が可能です。

 ここまで試してきて、音楽にはもちろん、小規模なイベント会場、あるいはたくさんの機材を常設できないお店や会議室など、さまざまな場面で活躍が期待できる製品だと感じました。シックなデザインなので、イベント会場以外で利用する場合も景観を乱さずに利用できそうですね。

 スピーカー+アンプ+ミキサー一体型のポータブル音響機器は年々小型化していて、その中で音質や利便性をどれだけ失わないかという部分はメーカーの努力の賜物だと思います。今回ご紹介させていただいたExpedition Explorは、音質や音圧を兼ね備えたうえで、操作も本当に簡単で、ワイアレス・マイク・システムへの対応なども含め、ユーザーに寄り添ったすてきな製品だと感じました。

 

ハタナカミホ
【Profile】ライブ・ハウス原宿ストロボカフェのPAエンジニアを務める。シンガー・ソングライター経験があり、自ら楽器演奏なども行う。また楽器店に勤務していた関係で、楽器や音響機器への造詣も深い。

 

 

 

SAMSON Expedition Explor

69,800円

SAMSON Expedition Explor

SPECIFICATIONS
▪出力:200W ▪周波数特性:52Hz~20kHz(−3dB) ▪スピーカー構成:8インチ・ウーファー×1、3.5インチ・ミッドレンジ・ドライバー×1、1インチ・ツィーター×2 ▪バッテリー寿命:最大約12時間(バッテリー充電:約5時間) ▪ワイアレス接続:USB(対応ワイアレス・システム:SAMSON XPD2ハンドヘルドUSBデジタル/別売) ▪無線動作周波数:2.404~2.476GHz ▪外形寸法:238(W)×413(H)×279(D)mm ▪重量:6.8kg

関連記事